ちっちゃな雪使いシュガー第11話
後藤です
お待たせしました……って、誰か待ってるのかな、この投稿。
第11話「あたしの好きなピアノ」の感想です。
今回のサガは、気持ちが千千に乱れていたようですね。ヴィンセントのピ
アノの弾き方に反感を覚えながらも、ヴィンセントがすごく気になってい
て、次第に惹かれていく様子がよく表れていました。
「季節使いって、知ってる?それぞれの季節を司るちいさな妖精なんだけ
ど、そいつがよりによって、あたしの部屋に転がり込んでくるなんて…
聞いてんの、シュガー?」
「うーん……あのクマさん、シュガーのこと、見えるのかなあ……?」
*楽器店
学校が終わって、帰り道、楽器店の前を通るサガ。立ち止まって窓越し
に、白いピアノを見つめ、あの時のヴィンセントの弾き方を思い起こし
て
「どうしてあんなピアノを……許せないわよね……お母さんも、そう思
うでしょ……?」
白いピアノに向かって「お母さん」と言われると、もう大体わかってし
まいますよね。
この時シュガーはサガのスカートのポケットに入っていたのですが、寝
ぼけてポケットから落ちてしまったので、あわててサガが受け止めます。
すると、そばには楽器店店長がむっつりと。あせって帰ってしまいまし
た。
*劇場
一人ヴィンセントが、ピアノの弦の修理をしていました。ピアニストが
普通修理や調律まではやらないはずなので(しかも素手で作業している)、
プロではないのでしょう。ただし、ピアノを心底好きでなければ、こん
なことできないと思います。後半で、子供と楽しく遊んでいるところを
見ると、人を喜ばせることがとても好きだから、この仕事を続けている
という気がしました。今回は、ヴィンセントが好青年であるという描写
がそこかしこに出ていました。
*サブタイトル
黒のチョコレートでした。
*折り紙
今日も芝居を見に行きたい、とせがむシュガーに、サガは、「忙しいか
ら」と素っ気無い態度。自分の倫理観に反する存在が受け入れられない
という気持ちからでしょう。でも、そんな考えとは裏腹に、気持ちの奥
底では気になっているようでもあります。
このときサガとシュガーは折り紙を折っていました。あのクマ、シュガ
ーが一人で折ったのでしょうか。
*ヴィンセント来店
そこへ、ヴィンセントが来店しました。サガに色々話し掛けるのですが、
サガは目があわせられません。コーヒーの注文も、偶然帰ってきたルキ
ーノに任せてしまいます。
相手をしてくれないサガに、ヴィンセントは
「忙しいんだ……でも、サガのコーヒー、飲みたかったなあ……」
と、それでも優しい眼差しを送るのです。意地を張っているのが疲れて
しまったかのような溜息。
*「クマさん、クマさーん」
シュガーは、そんなサガにはおかまいなしで、前日から抱いていた疑問
の解消に自ら挑みます。ビンセントのそばにちょこんと座って、お友達
になりたい様子。シュガーの折ったクマの顔の折り紙を見て、「そっく
りだ」と喜びます。ヴィンセントはサガが折ったと思っているでしょう
が、そのときの顔の向きが、またシュガーの方に向いていたので、シュ
ガーは反応してくれているものと錯覚します。そこへ、コーヒーがドカ
ン。
「やっぱり……」
*サガの部屋
ヴィンセントはきらめきを知っている、とサガに説明します。ソルト、
ペッパーも納得しています。サガのノートに鉛筆でクマの絵を描いてい
ます。折り紙はけっこう器用だと思ったのですが、絵心までは覚束ない
ようで。はなまるもTBSか。
「前に長老様も仰ってましたわ。きらめきは、季節使いが見える人間の
そばにあるって」
「クマさんにピッタンコくっついてきらめきをみつけちゃおう」作戦の
開始。そのまんまのネーミングです。
シュガー達が出て行った後、ふとノートの絵をサガは見つめるのですが、
「ふん」とそっぽを向いてしまいます。ここも、気持ちの乱れが表れて
います。可愛らしい反応。
*お風呂
今日は一人でお風呂。相変わらず膝を立てて入ってるんですよねー。
「シュガー達もクマさん、クマさんって……別にいいけどさ……
(手で水鉄砲をしていたら自分の顔にかかって)もう!」
しだいに、「みんないいって言ってるけど、あたしは……」という状態
になっています。
*再び、劇場
シュガー達は、ピアノの上で一夜を明かしてしまったのでした。そこへ、
ヴィンセントが朝の稽古をしにやってきました。弦の振動にたたき起こ
された3人。朝の挨拶をするヴィンセント、一瞬シュガーは自分達に?
と思うのですが、ちょうど出てきた団長に向けられたものでした。
「朝っぱらから精が出るな。休演日だってのに」
「そりゃあもう。どこでファンが聞いているか、分かりませんからね」
「あははは、じゃあ、そのファンによろしく言っといてくれ。もうすぐ
この街ともお別れだからな」
ファンって、自分達のこと?と考えるシュガー達、でも、ピアノの音に
ずっこけました。(^o^)
あのずっこけ音楽は万国共通なのでしょうか?
「バカにしてねえか……?」
ハモンド劇団も、ミューレンブルクでの巡業を終える時が来たようです。
*愛しのお方
男優……の写真を引き伸ばして額に入れるほどにはまってしまったノー
マ、放課後、楽屋までいってサインとかをもらうつもりです。アンヌも、
サガを誘うのですが、拒絶してしまうのです。
*今日のグレタ
3人が話をしているところへ、グレタ登場。
「サガさん達も本当、お子様ねー。あんなお芝居に夢中になるなんて」
先日の恥かきはどこへやら、精一杯見栄を張ったら、自分の机からポロ
ポロ、クマグッズが。ジュプピエーブちゃんとか、名前をつけちゃって
ます。(^o^)
あのグッズ、どこで売っているんでしょうか。いわゆるキャラクターも
のですから、有名なのかもしれません。
*ピアノの評価
アンヌ、ノーマ、そしてグレタまでも、ヴィンセントのピアノを誉めて
います。自分と同じ考えの人がいないからか、がっかりの溜息をつくサ
ガなのです。
「(おほん)超一流の私も、あのピアノだけは認めてあげてもよくって
よ」
「何よ、えらそうに」
「ノーマさん、私の分のサインもお願いね」
「え、じゃあ、おもちゃひとつちょうだい」
最後のセリフは石毛さんのアドリブかな、とも思いました。
*作戦その1
本当に自分達が見えているのか、ヴィンセントの目の前で試している3
人です。ペッパーの「ぷっぷくぷー」が可愛い。ただ、メガネの前に手
でメガネを象っているだけです。でも、当人同士は面白い。
*作戦その2
ヴィンセントが関心を持つものをターゲットにしました。
まずは、犬に声をかけました。犬が「きらめき」なわけないですね。犬
にはシュガー達が見えるのでしょうか。
次に、店のトマトを手にとって微笑みます。でも、すぐに元に戻しまし
た。
次に、ショーウィンドーの人形に。お人形にでも、初対面では挨拶をす
る礼儀正しいペッパーなのです。
……と、結局振り回されています。
*雨
疲れきっている3人。そこへ、ジンジャーが雨を降らせます。じじいが
ストーカーしてます。じいい、今回も役立たず。
ヴィンセントは雨宿りしていますが、シュガー達には、その目線がジン
ジャーの方を向いているように感じるのでした。
*ヘンテコな奴
いつものように店番をしているサガ、折り紙を折っています。友達の言
葉を思い起こしながら。
「クマのピアニスト……か……」
ドアがカラカラ。ルキーノが帰ってきたのでした。
「いらっしゃ……」
「ただいま」
「お帰りなさい」
「なーんか、誰か来るのを待ってたみたいだな」
「え……そんなこと、ないですよ」
「そういえば、今日は顔を見せないな。あのヘンテコな奴」
「そ、そうでしたっけ……」
「あんまり気にするな。俺は好きだよ、サガのブレンド」
「だから、気にしてませんてば」
「そうか?」
「え?」
折り紙はいつしかクマの顔に。
「あははは、やだなあ、もう」
さすが年の功でサガのことを良く分かっているようですね。サガも、無
意識にヴィンセントのことを考えてしまっています。
*ノーマの悲恋
劇場の裏?で例の男優……に会わせてもらえました。ところが、出てき
たのは化粧前の姿。あーあ。やっぱりこの人がシェリルだったんですね。
「シェリル」は女性名ですからね。
アンヌは知っていたのでした。
*公園
ベンチで雲を眺めているヴィンセント。雲の演出はターメリックです。
「いい雲だな……うん、今日はいつもの雲と違うな」
手にはわっほーを持っています。シュガーの関心はそっちに向いてしま
いました。
ヴィンセントはわっほーをベンチに置きました。目の前に置かれたシュ
ガーは、食べてもいいものと勘違いして、ちゅっ。
「やっぱりクマさん、いい人だって思ってた。じゃ、いっただっきまー
す!」
と、わっほーに突進していきますが、ヴィンセントに拾い上げられたの
で、そのままベンチに激突。
「あーん、なんでえ?」
「わざとやってたりして」
本人もいざ食べようとしたら、手元が狂って、おっことしてしまいまし
た。
「変な人ですね……」
さすがにいやしいシュガーでも、地面に落ちたものには手を出しません。
*子供と遊ぶヴィンセント
シュガーが作戦その3(目の前で魔法を使う)を決行しようとしたら、
公園の遊具の前で子供が泣いていました。登れなくて泣いていたその子
供に、ヴィンセントは
「こんな風にも遊べるんだ」
と、木の棒を手にして、遊具を叩いてみせます。
*サガとフィル
フィルがガラクタを抱えて歩いていると、サガが壁のポスターをじっと
見つめていました。いつものように「手伝って」と声をかけると、サガ
は怒っていました。
「何がピアニストよ……あたしは騙されないんだから……あんなの、た
だの……」
子分達は付き合いが悪いそうですが、やっぱり芝居にはまっているクチ
なのでしょうか?
*金属音
遠くから、木で金属を叩く音が聞こえてきました。ヴィンセントが、子
供達の目の前で遊具を打楽器のごとく叩いて鳴らしてみせるのです。リ
ズム感もとてもよくて、子供達には好評です。シュガー達ものせられて、
それぞれの楽器を演奏します。
音につられてやってきたサガも、ついついリズムにのって、指が動いて
います。そして、ヴィンセントの爽やかな笑顔に、惹かれたのか……
*雪の魔法
いつもはでかい結晶か、ボタッとカタマリしかでてこないシュガーの魔
法ですが、この日は、一瞬ですが雪が降りました。ご満悦のシュガー。
サガに喜びを伝えに向かっていきます。同時に、ヴィンセントも、サガ
の存在に気づきますが、サガはとまどいの表情を一瞬見せ、立ち去って
しまいました。
*楽器店
白いピアノを弾かせてもらっていました。でも、表情はいつもの明るい
笑顔ではありません。ポールも、それを感じ取っています。
「ふざけてばっかり……あんな人のピアノ、お母さんだって嫌いだよね
……そうだよ、ピアノってもっと、きちんとして、きれいで優しくて、
それから……それから……」
そう思いながら、頭の中ではヴィンセントの演奏する様子が浮かんでき
てしまいます。指の動きが止まってしまいました。
そこへ、ヴィンセントも店に入ってきました。シュガー達も一緒です。
一緒に弾こうというヴィンセント、ポーンと鍵盤を指一本で叩くと、弦
を切ったときのあのシーンがサガの脳裏に浮かびます。そして、お母さ
んの笑顔が。
「だめ……さわってほしくない……お母さんのピアノ!!」
「お母さんの……?」
サガは帰ってしまいました。
「また、怒らせちゃったのかな……」
*白いピアノ
ポールがヴィンセントに、事情を説明します。白いピアノは、サガの母
親の形見、でも、思い出が一杯ありすぎて置いておくのがつらいから、
楽器店で引き取ってもらっていたのでした。そして、イングリット・ベ
ルイマンがサガの母親であることも話します。
「理想の人か……」
この設定はコミックスでも同じですね。「引き取った」というのは、要
するに売り物だということですね。それともあれをかたに借金している
のでしょうか。単に置いてもらってるだけだったら、店長はあんなに嫌
がらないと思うし。
*帰り道
サガの後を追ったシュガー、怒っている理由を聞きます。
「もー、何で怒ってんの?」
「嫌いだから……ヴィンセントのこと」
「なんでー?ちょっと変だけど面白いクマさんだよー」
「だから……」
「サガも仲良くすればいいでしょ?ピアノだって上手だし」
「だから、あんなのピアノじゃないの!お母さんはもっときちんと……」
いつしか公園に来ていました。子供達はさきほどヴィンセントに教わっ
た新しい遊び方をめいめい楽しんでいました。
「うわあ、みんなクマさんのマネしてる。ちっちゃいクマさんがいっぱ
いだ。わっほー!」
今まで怒っていたサガも、笑顔を取り戻します。
*総括
サガの微妙な乙女心が実によく描かれていました。心の奥底では既にヴ
ィンセントに惹かれているようですが、その一方では、ピアノを粗末に
扱っているという思い込みが蟠っていて、気持ちが乱れてしまっていま
す。自分のこれまでの価値観・倫理観に反する存在が受け入れられない
という気持ちは誰にでもあることだから、サガ自身が最終的にそのこと
でどのように判断を下すのかが、4話連続のこのエピソードの結末なの
でしょう。ノーマのように恋に恋してメロメロな状態にはならないでし
ょうが、サガにとって忘れられない存在になるような気がします。
*次回「さよならクマさん」
ハモンド劇団のミューレンブルクでの最後の公演ということになりそう
です。
「♪ピッポロピポピポピポピポピポピー……」
「シュガー、さっきから何やってんの?」
「へへー、ピッコロのまねだよ。
公園のビンセントさんを見て思いついたの。
これなら、ピッコロ上手に吹けなくても楽しいもんねー!
♪ピッポロピポピポピポ……」
「ふーん、本物のピッコロもこれくらい上手ならいいのに」
「ひい〜……」
「ちっちゃな雪使いシュガー、次回『さよなら、クマさん』」
「え!?あたしが、ヴィンセントさんの代わりに?」
*今後の予定
今更言うまでもないけど、一応。
次回は26時30分からの放送です。
12/25,1/1は放送の予定なし。
*おまけ「えっちな雪使いシュガー」
せっかくおまけにフォローがついたので続けようかなあ、と。
一応、各サブタイトルが本編のそれのパロディだったりするのです。
#2「えっちなミニスカート」
##
*またまたある日
シュガー「わっほー!!」 ひゅんっ
ふわっ
サガ 「きゃっ!!」
シュガー「サガー、今日は紐パンなのー」
サガ 「あんたって娘はーー!!」
グレタ 「サガさん……見てらっしゃい……」
*そのまたある日
サガ 「今日はやめてよね」
シュガー「はーい」
グレタ 「あーら、サガさん」
サガ 「あら、グレ……ど、どうしたの、その格好?」
グレタ 「サガさん……今までの油断は認めるわ。でも今日からはこの私
が、世の男性の注目を一身に受けるのよ」
サガ 「はあ……?」
グレタ 「ほーらサガさん、どう?お父様に買っていただいたの。サガさ
んのより3cmは短いわ。オホホホホホホ」
シュガー「サガ、どうしたの、あの娘?
あ、わかった、スカート捲って欲しいんだ。よーし」
サガ 「あ、シュガー……」
シュガー「わっほー!!」 ひゅんっ
ふわっ
グレタ 「いやーん」
サガ 「………………!!」
グレタ 「どう、サガさん、みんな私の方を見てるわ」
サガ 「グ、グレタ……ちょっと…………(こしょこしょこしょ)」
グレタ 「………………………………!!」
シュガー「ねえどうしたの、サガ?」
グレタ 「わ、私、用事を思い出しましたわ。それでは、ごきげんよう…」
シュガー「ねえサガ、なんであの娘、パンツはいてなかったの?」
【#2 終わり】
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