WeeklyReport : SUGAR #01
こん○○わ、PARALLAXです。では早速。
■ちっちゃな雪使いシュガー(01) SUGAR #01::
◆ネタバレしない程度の総評:5段階評価で「4」
コゲどんぼキャラデザインのTBS版「リスキー&セフティ」?(爆)
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◆大まかな概略 : ウゴウゴルーガ「世界文学」並み
何に付けてもお元気前向きの仕切り屋の少女がある雨の日の街角で
見つけたのは、ひとりの妖精でした。少女にしか(今のところ)見えな
いこの妖精は厚かましくも少女の部屋での食っちゃ寝を決め込むので
した。「聞いてないよぉ!」と叫ぶ少女の未来に幸あれ。(以下次回)
#「この通りの話なんだな」と信じる人がいたら、どうしよう。(^^;)
◆いきなり総括 : こりゃあレビュー志願が多そうだ、と言う訳で。
実に鉄板な「萌え」系の作品です。 終わり。(爆)
と言う訳にも行かないでしょうから、掻い摘んで。(^^ゞ 実際、
本当に的を外していません。「それなりの背景は持つがそれなりに
平凡な人生を送っていた主人公」が、とある日に「人外の者ではあ
るが只管可愛いキャラ」に転がり込まれ、「これまでの生活ペース
を乱され振り回されるが、何故か相手を憎めない」とくれば、鉄板
なスラップスティックコメディの始まりです。本作品も第1回の今
回では、アバンタイトルで主人公の「それなりの過去」を無解説な
がら表し、Aパートで主人公が日常的に送るこれまでの生活を周辺
キャラをマッピングしながら説明し、Bパートで「やってきた災厄」
の破天荒ぶりをキャラの可愛さを存分に表しながら語っています。
本当に手堅い、鉄板な造りです。安心して見られました。
骨格を成すのは上述の通りのスラップスティックコメディですが、
これだけでは今時の視聴者は納得しません。本作はお騒がせキャラ
が転がり込んでくる正統派ですが、それをカバーする役目は主人公
の「朝から御元気前向きで町の者にも友人たちの間でも人気が高い
可憐な美少女」が担っています。「行きつけの店の大人なマスター」
「よく世話になっている店の美青年な店員」「バイト先店主」「知
り合いの露店商人」などの街の人々を外縁として「平均的友人2名」
「異性の友人・中心1名+その友人2名」を内縁に配し、「主人公
へ一方的に突っかかってきては自爆する自称ライバル1名」を脇に
置くのも忘れていません。そして主人公が帰る家には「優しいお婆
ちゃん」を置き、「本編未登場で、写真の中から微笑むのみの母親」
を表すのも忘れていない、実に手堅いキャラマッピングです。この
キャラ設定だけでも鉄板な展開はあっと言う間に思いつけそうです。
つまりそれだけ面白いパターンが多種多様に作られてきている訳で、
シリーズ構成や脚本が妙な色気を出さずにいてさえくれれば今後も
面白い話は見られるだろうと思っています。
其処へ現れたお騒がせキャラ1名。本人曰く「妖精」だそうです
が、どうやら主人公のメンタリティは現代人と共通の様で、全く信
じようとしません。これはこのシーンに至るまでしつこく描いてい
た「地の脚の着いた主人公の日常生活」が然程現代人の生活と変わ
らないところからして、あくまでこのキャラごと「転がり込んでき
た非日常」を視聴者が主人公に感情移入して感じられる様にとの、
作品の根幹をなす世界観の現れだと思います。確かに此処で主人公
があっさり信じる様なら、この作品はコメディにあらず、ファンタ
ジーになるでしょうから。尤も「こうしたキャラがいる世界なんだ
よ」なる表現はアバンタイトルからBパート直前に至るまで作品の
随所で「登場キャラには判らないが視聴者は判る」形で巧みに表現
されていますから、事前の情報無しに見た視聴者でも主人公ほどに
は奇怪に思わず、このキャラを受け入れられる仕組みになっていま
す。鉄板な描き方ながら、それだけに良くこなれた自然な話運びだ
と感心しました。
主人公と並んで作品の魅力の一翼を担う重要なキャラであるこの
お騒がせ妖精は、実に期待に違わぬ出来になっていました。容姿に
ついては幾多のメディア報道やCMで流れていますから述べるまで
もありませんが、それが実によくコロコロと可愛らしげに画面狭し
と動き回ってくれました。無理な可愛らしげの高音を作ってはいな
い川上とも子さんの演技もこのキャラのお騒がせっぷりに良くハマ
っていたかと思います。身長約10cmしかないキャラを魅力たっ
ぷりに動かすのは主人公が日常的に使う小道具との対比を描くのが
最も手っ取り早い方法なのですが、この辺りも「主人公が差し出し
たベルギーワッフル」「シチューを掬うスプーン」「寝床になった
植木鉢のパンジー」「カーテンのひだ」などで実に巧みに表現され
ていたかと思います。「リスキー&セフティ」や「とんがり帽子の
メモル」にも充分に伍するかと思えました。
また音楽にも力が入っていたかと思いました。作品中に流れるサ
ウンドトラックは言うに及ばず、各妖精が奏でる曲も上質なサウン
ドで表現されています。どうやら本作のメロディラインは徹底して
クラシカルな室内管弦楽で統一されるらしいと思えましたが、それ
が本作の背景である如何にも欧州らしい石造りな古都市の美術と、
実によくマッチしていました。この美術も、Edのテロップに拠れ
ばどうやら欧州の都市に協力を取り付けている程の物の様です。
と言う訳で褒める一方になってしまい、ならば5段階評価の5を
くれてやっても良さそうな物ですが、1点だけ危惧しています。そ
れは「TBSが安定したアニメ作品の送出に責任を持つか」にあり
ます。確かに土曜午後5時代の枠は確保されていますが、新規のア
ニメ枠が幾つも竜頭蛇尾に終わってゆく姿には良く泣かされました。
水曜午後7時台とか日曜午後1時台とか金曜午後7時台とか。何れ
も出来が良い作品ばかりであっただけに、残念に思ったものです。
そして今回の深夜枠。上述の通りに快調な滑り出しを良い出来で
見せてくれただけに、せめてこの出来を維持してグランドフィナー
レを迎えて欲しい。今はそれだけを只願っています。 では。
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P A R A L L A X [ parallax@mbc.nifty.com ]
P.S. 処で、CMやOpで奏でられるオルゴールのメロディ。あれは
Winkのデビュー曲である「SUGAR BABY LOVE」でしょうか?(爆)
素直に THE RUBETTES のカバーであると言わんか>自分。(^^ゞ
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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