Re: シスプリvsセーラーチーム[Re: シスプリキャラで野球]駄目駄目編(6回裏その3)
こん○○わ、PARALLAXです。
"S. GOTO" <goto.shinichiro@tx.thn.ne.jp> wrote in message
news:9er4vo$b92$1@news.thn.ne.jp...
> 後藤です
ども(^○^)/。では、続き。
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【突然妄想劇場】瀬戸内少女野球団 球魂一発 北の○○・南の××
炸裂! 女の意地が、マリンスタジアムに花開く
(6回裏 その3)
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◆18:35 6回裏 プロミストアイランドの攻撃 第4打者
春歌 「たのもー。」
爺や6「プレイ!」
ちびう「もう打たれないんだから!」
どう考えてもどっか勘違いしてるんじゃないかと言う一礼をしな
がら打席に入った春歌を迎えたのは、例え咲耶に打たれたにしても
ちびう「あ〜んなまぐれ当たりの一発なんかじゃ、判んないわよ!」
とゴリ押し状態のちびうさだった。どうやら本格的にピッチャー
しかやる積もりは無いらしく頑としてマウンドを動こうとしなかっ
たが、他のポジションに回しても碌に守れる訳はなし、ならば何時
暴走するか判らない美奈子とか間違いなく暴投するはるかに投げさ
せるよりはマシだと、セーラーチームは判断したのだ。
ちびう「ふっふっふ。今度こそ!
ぴーんくしゅがぁ、はーと・あたっくぅうう!」
春歌 「くるっくぅー、フランチェスカに打てて、はとぴょんに
打てない訳は無いですわぁ!」
かきーん!
しかし、あっさり初球攻撃。見事にPSHAを真芯で捉えた春歌
の打球は、これまた見事に咲耶の打球と同じコースを抜けた。躍り
上がる1塁ベンチだが、ひときわ躍り上がって喜ぶ人がいた。
鈴凛 「やったね!『ネタコン』経由で、打法のコピーに成功!」
今度は1塁コーチに付いている鈴凛がグッと拳を突き上げて喜ぶ。
どうやら前打席で見事にヒットを打った咲耶の打撃情報を、同じネ
タ元作品の繋がりで春歌に送り込む事に成功したようだ。ただ3浪
生を彼氏にしてしまい人生の悲哀を拳の振りへ昇華している東大生
女史とは違い、アイドル業務の傍ら怪しげな組織の中堅幹部をやっ
ていた程度の少女は矢張り非力であり、精々センター前へ転がすに
留まった。僥倖だったのは、既に咲耶の打球処理で必殺技を消耗し
てしまっていたみちるとレイが、これに手出しできなかった事だろ
う。本放送では1話あたりの使用回数は精々1回だったし。結果。
衛 「やったー! これで1・2塁だぁ!」
四葉 「すごいすごーい! あと1点、あと1点!」
あまりリードをとっていなかった咲耶が3塁まで進めなかったの
は惜しかったものの、それでも躍り上がって喜ぶ1塁側ベンチ。試
合の波に乗っている時は得てしてこんなものだろう。対して守備側
セーラーチームは如何にも元気が無かった。こうした時に耐えられ
るかどうかがチームの底力を示す筈だが、たかが草野球と思われて
いた試合に、其処まで求めるのは酷だろう。そして迎える第5打者。
鞠絵 「ふっふっふー、こぉの私に打てない球なんて無いわよー!
煩いのはイギリスに押し込んだままだしカードキャプター
も居ないし道士のガキも居ないから、好き放題にやっちゃ
うわよー! さー来ーい!」
打席に入る前からすっかり憑依状態の鞠絵。何故か背中からはア
ゲハチョウの様な羽根まで飛び出ている。一目で某超絶人気番組の
第2シリーズ登場な使い魔である事が判り、すっかりゲンナリして
しまうセーラーチーム。どうやら完全に打法をマスターしているら
しく自信満々である事さえ判る。先の打者は春歌。栃木や群馬の峠
を登ったり降りたりしてタイムを競うCG満載のユーロビート啓蒙
作品か、先に千影ちゃん経由で猛威を振るった殷時代の中国を舞台
にした伝奇作品か。とにかく繋がりの多いこの二人の事、この自信
ありげな様子も満更はったりではないだろう。ならば。
亜美 「タイム、御願いします。」
主審に一声かけ、亜美はマウンドのちびうさに寄った。何事?と
内野陣の皆も寄ってくる。集まってきた皆をぐるりと見渡し、亜美
は先ずちびうさに口を開いた。
亜美 「ちびうさちゃん?」
ちびう「私・・・交代しないからね。」
うさぎ「ちびうさぁ!」
ちびう「だって! だってだって、まだ一人のバッターもアウトに
してないもん! こんなんじゃ、こんなんじゃ・・・」
下唇を噛み、ぎゅ、と小さな拳を握り締め、顔を伏せてこらえる
ちびうさ。大方、その瞳は涙でいっぱいだろう。敵の攻撃で凍りつ
いた30世紀から20世紀にたった一人でやってきて戦い抜いた、
その時と同じプライドが彼女を支えている。だが、だから、今は。
亜美 「うん、判るよ、ちびうさちゃん。」
ちびう「亜美ちゃん・・・」
亜美 「だから、私はちびうさちゃんに投げて欲しいの。」
レイ 「え、でも亜美ちゃん。ちびうさちゃんの球は・・・」
亜美 「えぇ、それも判ってるわ。だから皆にも手伝って欲しい。」
うさぎ「へ? 手伝う?」
みちる「・・・何を企んでいるのかしら?」
亜美 「企んでるなんて、そんな。ちょっと作戦があるだけです。」
まこと「へぇ、面白いじゃないか。聞こうよ、ちびうさちゃんも。」
ちびう「うん・・・。」
マウンド上に小さく纏まり、こそこそとミーティングするセーラー
チーム。流石にマナーにもとるとかで流石の鈴凛も盗聴器は用意し
なかったから、これはシスプリチームには伝わらない。しかし亜美
の説明を聞き進めながら、次第にセーラーチームの顔が引き締まり、
しかし口元には笑みが浮かんできたのは判った。流石に緊張して、
しかし何処となく楽しそうな表情を浮かべながら、みちるが問う。
みちる「・・・本当にそんな事、できると思うの?」
亜美 「判りません。タイミング次第です。でも、みんななら。」
うさぎ「でも亜美ちゃーん、私たち、そんな練習してないよぉ?」
まこと「いいじゃないか。ブッツケ本番で、どこまで出来るか?」
レイ 「面白い・・・面白いわっ。やってやろうじゃないのよ!」
ぴりぴりとした緊張感がマウンドで円陣を組んだ彼女たちの間に
漂う。互いに見交わす目と目。もう言葉は要らない。ぐ、と頷きあ
い、守備位置に戻る。それを確認して、マスクを被りながらキャッ
チャーポジションに戻ろうとする。と、其処へ。
ちびう「亜美ちゃん・・・」
マウンドのちびうさが、一人不安げな表情で網を見ていた。そう
言えば、幾ら強がりを言っていようとも、この子はまだ子供なんだ。
そう思い返し、亜美はマウンドへ取って返した。ちびうさの前に跪
き、互いの視線の高さを合わせる。不安げな視線で、じっと自分を
見るちびうさに、亜美はゆっくりと優しく語りかけた。
亜美 「大丈夫よ。ちびうさちゃんなら出来るわ。」
ちびう「でも・・・もし私が、最初に外したら・・・」
亜美 「それも大丈夫。今まで1球だって外した事は無いじゃない」
ちびう「でもでも、これが最初になるかもしれないじゃない。」
ふ、と亜美は何も答えず微笑むと、ぎゅ、と彼女を抱きしめた。
ちびう「あ、亜美ちゃん・・・」
亜美 「大丈夫。あなたなら出来る。あなたにしか出来ない。そう、
今は自分を信じて。御願い。」
ちびう「自分を信じる・・・自分を・・・」
亜美 「みんなそう。だからみんな、仲間を信じられるの。自分を
信じている人だから、人からも信じてもらえる。違う?」
ちびう「・・・・・」
亜美 「だから私たちは、マウンドのちびうさちゃんを信じてる。
大丈夫。あなたの周りには仲間がいる。みんなを信じて。」
ちびう「みんなを、信じる・・・」
亜美 「そう。みんなを信じて。だから思いっきり投げて。」
ちびう「・・・うん! 私、みんなを信じる!」
す、とちびうさから離れる亜美。其処には元通りに自信に瞳を
きらめかせているちびうさがいた。もう大丈夫。それを確信すると、
亜美は再びキャッチャーポジションに戻った。
亜美 「ありがとうございました。」
爺や6「プレイ!」
主審のコールが上がる。再びバットを構える鞠絵。
鞠絵 「あっはっはー! 何をどうして来ようとも無駄無駄無駄ぁ!
さーあ、イギリスまで飛ばしてエリオルの気取った頭に
ブツケちゃおうかなあ!」
背中の蝶羽をぱたぱたと揺らしながら鞠絵が声高らかに呼ばわる。
自信満々の彼女へ、僅かに緊張しながらちびうさが投球した。
ちびう「ぴーんくしゅがぁ、はーと・あたっくぅうう!」
鞠絵 「だっから無駄だって言ってるでしょ!」
かきーん!
どうやら鈴凛特製「憑依因子転換器」による打撃情報のコピーは
完璧の様だ。第3打者の咲耶、第4打者の春歌と全く同様に、鞠絵
はいとも簡単にPSHAを打ち込んだ。そう、全く同様に。
亜美 「来た!うさぎちゃん!」
うさぎ「ムーンヒーリング、エスカレーション!」
マウンドのちびうさの直ぐ脇を鋭く抜けようと転がる打球へ、
1塁のうさぎが自分の必殺技を振るった。転がるようにマウンドか
ら降りたちびうさをかすめ先の打者の打った打球同様にセンター方
向へ向かおうと転がっていた打球が、うさぎの必殺技を喰らいほぼ
直角にベクトルを変え、3塁のまことが構えるグラブに向かう。
ぎゅん! ばし!
ベースに足をめいっぱい伸ばし、うさぎの必殺技が上層された打
球をグラブで殺すまこと。が、その衝撃に苦しむのを後回しにした
まことがくるりと体を入れ替え2塁に向かう。
まこと「スパークリング、ワイドプレッシャー!」
ぎゅん! ばしっ!
まことの後期型必殺技の勢いのまま、まことが投じたボールが、
2塁に走りこんだみちるが構えるグラブに決まる。こちらもベース
に脚を伸ばしていたみちるはグラブのボールをしっかりミリ秒の間
掴むと、それを僅かに自分の目の前へ浮かせた。体を入れ替える間
すら惜しんだみちるが、傍らに控えていたレイへ叫ぶ。
みちる「レイちゃん、御願い!」
レイ 「ファイアー・ソウル!」
3塁に向かって体を向かせていたみちるが僅かに仰け反り、その
前へ浮かんでいたボールへ、此方は2塁脇で1塁に向かって構えて
いたレイが自分の必殺技を振るった。光線と見紛うばかりの衝撃波
が全てボールに直撃し、今度は1塁ベースに足を置き構えるうさぎ
のグラブに向かう。そして。
ぎゅん! ばしっ!
しっかりボールがうさぎのグラブに収まった。おそるおそる、と
言った表情で自分のグラブを覗き込み、それを傍らの塁審に見せる。
3塁爺「アウト!」
2塁爺「アウト!」
1塁爺「アウト!」
主審爺「スリーアウト! チェンジ!」
鞠絵のバットが快音をあげてから、3秒と経過していない。ほん
の僅か2塁から離れただけで呆然としている咲耶。1塁のうさぎか
ら3歩と離れていない春歌。鞠絵などまだバットすら置いていない。
可憐 「そ、そんな・・・でも凄い・・・」
春歌 「嘘です・・・・・始めて見ました・・・」
それほど見事な、セーラーチームのトリプルプレイだった。
美奈子「やーったやったやった! すごいすごーい!」
3塁ベンチの美奈子が歓声を上げ、それで漸く我に帰ったセーラー
チームが躍り上がって喜ぶ。その様子を見ながら、ほっとした様に
微笑む亜美。マスクをとって、皆を見る。
鞠絵 「見事でした、亜美さん。」
どうやら憑依が解けたらしい鞠絵が亜美に微笑みかけた。素直に
これへ応じる亜美。
亜美 「何とか、上手くいったみたい・・・。」
鞠絵 「やっぱり、読まれていましたか。」
亜美 「そうね。2本までなら兎も角、3本も続けば、ね。」
鞠絵 「完敗ですね。やぁれやれ。」
亜美 「そんな事は無いわ。今回は偶々よ。」
鞠絵 「うそ。私たち、其処までセーラー戦士の皆さんを甘くは見
ていません。特に、たった2球で鈴凛ちゃんのシステムの
欠陥を見抜いた亜美さんを、ね。」
それは亜美が「どんなに出来が良くても、コピーはコピーでしか
ない」と皆を説得した結果だった。1回目の咲耶の物と全く同じコー
スを飛んだ2回目の春歌の打球。こうまで完璧に打者のマトリクス
をコピーする「憑依因子転換器」の能力は確かに脅威だが、それは
同時に「全く同じ要素に対する完璧な動作コピーは、誤差を無視で
きるほどに同じ結果を齎す」事をも意味する。これを見抜いた亜美
は、ちびうさにこれまで通りの投球を要求し、同時に内野陣のセー
ラー戦士が持つ衝撃技系を集大成したボールトスによるトリプルプ
レイを計画した。尤も確かに初回のデモンストレーションで壮絶な
ボールの遣り取りをしたセーラーチームだったが、あれは事前の練
習があってこそ。しかも高速で転がり抜けようとする打球を自分の
必殺技で打ち、構えるミットへ送り込む事など考えた事も無い。流
石にしり込みするセーラーチーム(特にうさぎ)だったが、亜美は必
死で彼女らを説得した。そう仲間を信じて。今は素直に信じられる。
亜美 「やっぱり、みんなで戦うのがベスト・・・ね?」
先ほどの沈みきったムードは何処へやらで、笑いさんざめきなが
らセーラーチームの仲間達が帰ってくる。呆然としていた咲耶や春
歌も、目の前で見られたセーラー戦士達の大技に感動しながら、自
分がアウトになった事も忘れて興奮し浮き立ちながら1塁側へ帰っ
て行く。これら大技を目の前で見られた彼女らをしきりに羨ましが
り、根掘り葉掘りその様子を聞こうとしているシスプリチームなど
このトリプルプレイをすっかり忘れているかのようだ。皆が気持ち
良くたった今のプレイを振り返っていた間に、白雪の声が響いた。
白雪 「みなさーん! ここでディナーに致しませんかー!?」
これで余計に浮き立つ両軍。
まこと「お!嬉しいねぇ、丁度ハラが減っていたんだ。」
四葉 「わぁ、まことさんったら、もうデスか?」
うさぎ「えっへっへー、わたしもぺっこぺこ。」
花穂 「うさぎさん、まだ食べるんですかぁ?」
レイ 「うさぎちゃんの胃袋を甘く見ちゃいけないわよぉ?」
衛 「わー、こりゃ負けそうだなぁ。」
きゃらきゃらと笑いながら、夫々のベンチ裏へ消えてゆく少女達。
その満足げな後姿を、真っ赤な夕日が染めていた。まるで再びこの
戦場へ立つ、彼女たちを祝福しているように。
そしてその未来を、暗示しているかのように、赤く、赤く・・・。
■6回裏 終了 |1|2|3|4|5|6|7|8|9|− ■
■Sailors|0|0|1|1|0|0| | | |2 ■
■Sisters|2|0|1|0|0|2| | | |5 ■
■NEXT:はるか・みちる・せつな(?) ◆ マウンド 千影(?)■
脅威の技連続炸裂は、決して書き手が試合運びを急がせた所為では
(あんまり)ありません(爆)。 では。
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