ども、みやこしです。

「PROJECT ARMS」(TV大阪にて9/5深夜放送分)、「騎士−ナイト−」の
感想などです。原作を知っているため、ストーリーより作画などの
演出面に偏っていますが、ご容赦を。

・作画
 いや、今回は良かった(^^) 前回は、レッドキャップスに対して、
「笑う牝豹」こと美沙ママ・武士ペアの闘いや、兜刑事の率いる藍空市
警察の反撃、恵がユーゴーに初めて心を開く場面など、見所が多い話にも
かかわらず、作画がもう…(;_;) 特に、武士がヒギンズの部下達を
「思いっきり蹴飛ばす」ところなんて、原作のスピード感が全く表現されて
なくて悲しかった。

・美沙ママ&武士ペアの闘い
 前回の続きです。玄関前のレッドキャップスを、文字通り「蹴散らした」
2人は、階段やエスカレータを固める敵を尻目に、ビルの真中の吹き抜けを
武士のARMSの力で一気に飛び上がります。美沙ママは階段の防御に、武士は
屋上の特殊爆弾(って言ってますが、原作では中性子爆弾ってことになって
いますね。「アルジュナ」でも原子炉の事を反応炉と言い換えてたりして
いましたが、何か核に対する規制があるのでしょうか…?)を守る敵を一気に
倒します。そこに、攻撃ヘリ部隊を率いて現われるヒギンズ。「飛ぶ事しか
能が無い」武士は、この空中の敵とどう闘うのか?

 …って、原作を知っている方にはわかりきっていることですが(^^;
いやぁ、この屋上での武士の闘いは、スピード感があって良かったです。
屋上のドアが開いた瞬間に、叩き込まれる銃弾(それも多少避けられても
当たるようにわざと周辺に分散させて撃ち込んでいる所が芸が細かい)。
それすら回避して、上から襲いかかる武士。その後も、美沙ママが評した
ように、まさに「ひきがねを引く暇も無い」スピードで敵兵をなぎ倒して
いく。それが、止め絵でなく、ちゃんと動きで見せてくれました(^^)
毎回、こうだといいんですが。

 美沙ママもいいですね。仇名の通り、常に口元に笑みを浮かべながら
闘い、武士の能力を最大限に引き出して彼に自信をつけさせる。いやぁ、
作画が良いと、非常にひきたちます(^^)

 あと、原作には無い、ガウスに対するヒギンズの蔑みみたいな心情が
描かれていましたが、これはちょっと余計だったんじゃないかなぁ、と
思います。原作通りの展開だとすると、それが生かされるような場面は
ありませんし…。

・隼人達の闘い
 こちらは、前回の兜刑事達の活躍により危地を脱した隼人達。おとりと
して敵の目をひきつけつつ、涼と合流しようとします。

しかし、その前に現われたのは、キース・レッド。怒りに燃える隼人は、
キースに斬りかかりますが、あっさり受け止められた上に串刺しにされて
倒されます。アルの怒りも、キャロルのテレキネシスも受け付けないキースの
前に、十三爺さんが立ちはだかりますが、キースは彼らも殺して涼のジャバ
ウォックを引き出すための餌にしようとします。

その時、彼らを「守りたい」という隼人の強い想いに、ついに彼のARMS
「騎士」が覚醒します。完全形態となった「騎士」に対し、キースも自分の
ARMS「グリフォン」を発動させます。

 …ついに、完全形態となったARMS同士の闘いに突入しました。
この辺も良いですね。キースに出会った時、隼人の左腕からARMSが弾ける
ように膨らみ、鋭い刃が十数本も伸びて勢い余ってガードレールを切り裂き、
その後収斂していつもの形に戻る描写。
隼人を無感動に串刺しにし、キャロルのテレキネシスでぐしゃぐしゃに
曲げられた腕を何も無かったかのように復元し、アル達まで殺してジャバ
ウォックを引き出そうとする、キースの強さと冷酷さの表現。
覚醒した「騎士」に共振して、今までになく暴走しているかと思えるほど
過剰に反応する涼達のARMS。これらが実に上手く描かれています。

 ただ、初めて「騎士」が隼人に語りかけ、完全に覚醒するまでのあの
お耽美的な隼人の描き方はいったい…(^^; やろーの裸なんて見たかねー(^^;
しかも、直前には「シスタープリンセス」の燦緒が来る話。二連荘は
勘弁して(^^;

 あと、原作では、隼人がキースに倒されたとき、アルが拳銃でキースを
撃つのですが、アニメでは素手でとびかかろうとするだけになっていました。
流石に、子供が銃を撃つシーンはまずかったと見えます。でも、キャロルが
「曲げる」のはいいのでしょーか(^^;

・その頃の涼達
 前回、ユーゴーの提案で、レッドキャップス兵士を気絶させて情報を得る
事にしたのですが、今度は、そこで力を使い果たしたユーゴーの方も気絶
してしまいます。そのために、隼人達の危機を他のチームが知ることが
できなかったのですが(何せ、あらゆる電波が妨害されているため、互いの
連絡はユーゴーのテレパシーだけが頼り)。しかし、その介あって、
敵の司令部の位置を掴んだ涼達は、前進を再開します。

 今回、あまり活躍の場面が無かったこのチーム。原作の、涼におんぶされた
ユーゴーが、「あ、あの…」と顔を真っ赤にする所を楽しみにしていたの
ですが、そーゆー表現があまりなくて残念(^^;

・騎士 VS グリフォン
 道路を抉り、自動車を吹き飛ばし、ビルを倒壊させ、2体の完全形態ARMSが
激しく闘いを繰り広げます。剣のみの「騎士」に対し、超振動で広範囲を破壊
できる「グリフォン」が有利に闘いを進めます。そして、近くに居合わせた
少女(前々回で父親を撃ち殺された、あの熊のぬいぐるみ少女なんですな、
これが)を隼人がかばった所をキースにつけこまれ、追い詰められます。
しかし、「騎士」はついに本当の力「ミストルテインの槍」を発動させるの
でした。

 初めて描かれる、完全形態のARMS同士の戦いですが、迫力、スピード感とも
見事です。ただ、原作ではいっぱい居た市民達が全くいなくて、少女一人に代表
させていたのがちょっと残念かも。あれで、周囲への被害を全く考慮しない
キースに対し、他人を庇いながら闘う隼人&「騎士」との差がより明確になって
いたと思うのですが。まぁ、この辺は作画パワーと演出との兼ね合いなんで
しょうが。

 さて、「騎士」の声は、小杉十郎太さん。実直な感じで、いかにも義に生きる
「騎士」に相応しいキャスティングだと思います。「ジャバウォック」の
池田秀一さんも悪くは無いのですが、いかんせん、シャアのような「キザな
二枚目」のイメージが強すぎて、「ジャバウォック」の持つ荒々しい獣のイメー
ジに少し合ってないような気がしています。

 残りは、武士の「白兎」と恵の「ハートの女王」ですが、キャスティングは
誰でしょうね。「白兎」は、割と軽やかなイメージがありますので、案外若手から
選んでくるかも。「ハートの女王」はどうかなぁ。ベテラン勢からとすると、
榊原良子さんか、小山まみさんあたりがいいなぁ(^^;

・次回
 次は武士の「白兎」の番ですね。作画は大丈夫か?

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宮越 和史@大阪在住