Kasumin #23 (3/16)
石崎です。
カスミン第23話『カスミ、尾行する』の雑感など。
カスミン第3巻を購入しました。カバー裏、見ない方が良かったかも(笑)。
では、改ページ。
^L
●外出が多い蘭子さん
カスミ「あ、あたしじゃ無いのよ。仙太郎さんって、家の芸術家」
買い物の途中で、染み抜きを買いに入ろうとした店頭で、口紅のポスターが目
に入ったカスミは、何故かそれを凝視する。
霞家に戻って来たカスミは、出かける蘭子とすれ違う。
最近蘭子は外出が多いというポトポット。しかし、その行き先を知る者は霞家
にはいないのだった。
#冬の口紅の新製品のポスター。目が写っていないとは言え、蘭子さんにそっく
#りなのでカスミは凝視していたのでしょうか。ホクロが無かったので、蘭子だ
#とは気付かなかったようですが。
#染み抜きを買う時、自分が汚したのでは無いと弁明するカスミ。自分が失敗し
#たと人に思われるのは嫌だという事なのかな。
#ところで染み抜きを購入する時、値段も聞かずに小銭を置いて、レジも売って
#ないのにとっとと店を出てしまっているのはちょっと変です。
●禁句
カスミ「龍ちゃん。女の子の顔を面白いって、それは言っちゃいけない事なのよ。
男の子は」
仙太郎に染み抜きを届けにアトリエに入ったカスミ。
仙太郎は鏡を前に、自画像を描いているのだが、相変わらず芸術していて、仙
太郎には見えないその絵に対し、自分の顔がそう見えるのと正直過ぎる感想を言
う。
仙太郎が落ち込むと、慌ててフォローするカスミは、今度はカスミンを描こう
かと言われると、また今度と慌ててその場を立ち去る。
自室にて鏡を前に何を思ったのか面白い表情を作っているカスミは、龍之介に
面白い顔をもっとやってと言われると、女の子に面白い顔と言ってはいけないと
注意するのだった。
#相変わらず前衛的な絵柄の仙太郎さん。今度は自画像ですか。顔が二つあるの
#ですが。
#カスミンをモデルに…。モデルと言えばやっぱり…(以下略)。ちなみにレオ
#タードで妥協は却下。
#フォローしつつも、やはり自分が芸術の題材になるのは嫌な様子のカスミ。そ
#の後で自分で面白い顔をしているのに、龍ちゃんにそう言われるのは駄目と言
#うのも矛盾した話です。
●親の都合
カスミ「あ…。な、なんであいつの事なんか思い出すのよ。もう寝る」
出かけたため、夕食の席に姿を見せない蘭子。
夜遊びとは不謹慎と言う仙左右衛門に、新しい恋人とかとカスミが推測を言う
と、仙左右衛門は今度は見合いをさせ、勝手な真似はさせないと怒り出す。
蘭子が可哀想というカスミに怒り出しそうな仙左右衛門。しかし、龍之介がお
かわりの為に割って入り、喧嘩は回避される。
夜、ベットの中で恋人について考えるカスミは、何故か霧彦のことを思い浮か
べるのだった。
#仙左右衛門の発言からすると、蘭子さんの結婚相手は親が決めた相手という訳
#でも無いらしい。
#恋人というキーワードで、霧彦のことを思い浮かべてしまい、慌てて否定する
#カスミ。ラブコメでは定番の展開ですが、ヘナモンが相手という点については
#疑問を感じていない様子。流石長靴兄弟との間でも妄想しただけはある。
●もちろんクイーンは最初から決まってます
かえで「ユリ、どうせ自分が選ばれているって思っているから、そんな事言うん
でしょう」
教室で何やら投票をしている様子の4年3組の男子生徒。
かえでとカスミが問い詰めると、学級新聞の企画として、クラスの女子生徒の
ナンバー1クイーンを選出しようと言うのだ。
それを知った女子は、シカオがやりたいならと言うユリを例外として一斉に反
発。女子達の怒りの前に、シカオ達はこの企画を没にせざるを得なかった。
#今回唯一のユリ様の登場シーン。何故か頬を染めていたり、シカオがやるのな
#らと、只一人クイーン選出に賛成していたのがナイス。
#こういう企画をやる時は、女子には見えない所でやるもんだぞ、シカオ。しか
#し文句をつけている女の子達はあんまりかわい…(禁句)。
#ユリ様はかえでから見て、男子に人気があるものと思われているらしい。しか
#しそんなユリ様の心を奪いつつ、全く気付かないばかりかカスミにまで暴言を
#吐くシカオは重罪。
#ところで投票結果はこのまま闇か? 後でこっそり数えていそうな気も。
●蘭子の変化
カスミ「たく。何よ。大体ルックスだけで女の子の価値を決めつけるなんて、間
違ってるじゃない。たく頭に来ちゃう」
クイーン選出の件で怒って帰宅のカスミは、外出の前に化粧中の蘭子の部屋に
入る。
カスミは蘭子に恋人がいるのかについて訪ねようとするが、蘭子は出かけてし
まう。
後をつけたカスミは、転んだ拍子に蘭子を見失ってしまう。
蘭子の変化は外出の増加に留まらず、野菜ばかりの食事や、入浴時間の増加な
どにも現れていた。
カスミはそんな蘭子の様子に、恋心を抱いているのではと感じるのだった。
#勝手に部屋に入ったカスミに対しての表情や仕草が、以前の話に比べて柔らか
#い感じがするのが印象的です。
#カスミの頬を掴んで柔らかくてすべすべという蘭子。きっとユリ様はもっと…
#(ぉぃ)。
#蘭子を追いかけて見失った後のカスミを回り込みで映す描写。凝ってますね。
#蘭子さんの入浴シーン…曇り硝子越しなのがちょっと残念かも。しかし脱衣所
#でずっと覗き込んでいるカスミ。その様子は中からも見えていただろうに、蘭
#子に何も言われないのはひょっとすると、蘭子さんに色々とご奉仕するために
#何時も待機しているからとか(嘘)。
●禁じられた恋路
カスミ「でも、あんなに一生懸命なんて、きっと素敵な相手なんだなぁ。蘭子さ
ん綺麗だし、どんな人かなぁ?」
龍之介「人じゃないよ」
蘭子の部屋を覗いていると側に立っていた龍之介を引きずって行くカスミ。
蘭子が初恋したのかなと言う龍之介に、初恋の意味を教えるカスミは、またも
霧彦の姿を思い浮かべる。
蘭子の相手がどんな人かと想像するカスミに、人とヘナモンは一緒になれない
と龍之介は言う。
それを聞いて、蘭子が人間との間に許されざる恋に落ちたのでは無いかと妄想
してしまったカスミは、眠れない夜を過ごすのだった。
#人間とヘナモンは一緒になれないと言うのは、カスミにあれだけ懐いている龍
#之介ですら知っている事実らしい。龍之介はカスミが蘭子の相手を「人」と言っ
#たことに対して「ヘナモン」と修正したかっただけだと思われるのですが、カ
#スミは蘭子の相手が人間である可能性を感じてしまった様子。霧彦と自分の関
#係を思い描いて眠れないというよりは、少女が妄想しそうな悲恋を感じて、気
#になって仕方が無かったのでしょうね。
●井戸と言えばやはり…
マリ子「いえいえ。ここは色んな所に繋がった、ヘナモンだけが知っている道な
の」
朝から出かける蘭子の後をつけるカスミ。
だが、蘭子は門から出ようとするところで姿を消してしまう。
そこに現れた白樺マリ子から、井戸を下ったところにヘナモンの道があると教
えられる。
実際に下へと続く階段が井戸の中に出現しているのを見たカスミは、色々な所
に繋がっているらしいその道にマリ子の黙認のもと、足を踏み入れる。
#「今日もとても白いのね」マリ子さんの扱いも堂に入ってきました。
#井戸と言えばやはり戦国時代への抜け道…(違)。開いている音がしたという
#ことは、普段は普通に井戸なのでしょう。
●小中脚本と言えば変なヘナモン(偏見)
ヘナモン「そりゃあ霞家の有名なバツイチ…ゴホゴホ」
階段を下り始めた途端、入り口は閉ざされてしまい、カスミはランプと蝋燭で
照らされたヘナモンの道を歩き始める。
走り去る地下鉄や街の雑踏を横に見つつ歩くカスミの前に、一本足で上下方向
に回転する頭部を持ったヘナモンが現れる。
そのヘナモンはカスミの姿を見て人間ではと疑うが、カスミは自分もヘナモン
だと言い何とか切り抜け、そのヘナモンから蘭子の行き先を聞き出す。
ヘナモンが教えてくれた行き先はただの壁。だがしかし、その壁はカラクリ扉
となっていて、その向こう側には上へと続く階段があるのだった。
#小中脚本と言えばこれでしょう。不思議なヘナモンの登場です。回転する顔。
#どちらが上側でも顔として通用する不思議な頭部は、頭の上がどちらかによっ
#て喋る口も異なっているということは、ひょっとすると二ヘナモンで一ヘナモ
#ンな存在なのかも。
#第8話で龍王城まで行った時は、自分が人間だと言い張ったカスミですが、今
#回は自分で自分のことをヘナモンだと言っています。しかしあれだけ聞いても
#「ベチャポンテン」の単語を覚えていなかったのか、カスミは。
#蘭子さんの離婚のニュースはヘナモン界ではわりと有名らしい(笑)。
●カスミ、モデルになる
カメラマン「ああ、すまんね。失礼だったかな。お嬢さんに面白い顔だなんて」
カスミ「ううん。あたし、言われ慣れてるもん。面白い顔って」
階段を昇って行ったカスミは、建物の中に出ている事に気付く。
その中を歩き回る、衣装を着た人達を見てヘナモンの世界へ来たのかと感じる
カスミは、写真のモデルの一人と間違えられて、化粧をさせられた上で衣装をつ
けられ、他の子役と共に写真撮影に参加する羽目に。
言われるまま、引きつり笑いをするカスミに、面白い顔と言うカメラマン。
それを聞いたカスミは、漸く自然な笑いを見せるのだった。
#子役モデルに間違えられたカスミ。しかし一人だけ衣装が色違いという事は、
#ひょっとして主役級? どこの事務所と聞かれて4年3組と答えてしまったり、
#他のモデルさん達の衣装を見てヘナモン世界と勘違いしてしまうのは、普段芸
#能の世界に関心が無いことを現しているのかな。
#カスミよりは年上らしい他のモデルさん達が可愛らしいです。
#龍ちゃんに面白い顔と言われて怒り、シカオ達のクイーン選出の話に怒ってい
#たカスミですが、ここでは怒りませんでした。写真に撮られる対象となること
#で、自分も人から美しく見られることもある存在だということに気付いたから?
#ところでこれをきっかけにカスミンアイドルデビュー…という話には絶対にな
#らないのでしょうね。
●蘭子の秘密
蘭子 「それと、あたしの写真をどこかで見てくれる人が居るかなあって。あた
しの事を思い出してくれるかなぁって」
カスミ「誰のこと?」
蘭子 「あたしの初恋の人」
何とか撮影を終了したカスミは、カメラマンが蘭子の名を呼ぶのを耳にする。
そこでカスミが見たものは、蘭子が白いドレスを着てモデルとして撮影されて
いる姿。
蘭子もカスミの存在に気付き、微笑みかける。
ショーモデルをやらないのかと言われても、それには関心が無い蘭子は、ヘナ
モンの道を通っての帰り道、カスミにこの仕事をしていることを家族には内緒に
するように頼む。
ショーモデルには興味が無く、写真に撮られるのが好きという蘭子は、自分の
写真がどこかで自分の大切な人に見て貰えるのでは無いかと思い、この仕事をし
ているのだが、それが誰なのかについては話さなかった。
蘭子の仕事を知り、口紅のポスターの女性が蘭子だと気付いたカスミは、この
ポスターが蘭子さんが見て欲しいと思っている人の近くにもあると良いなと思う
のだった。
#Aパート末尾近くでの龍之介とカスミの会話で、ヘナモンが他者の存在を口に
#する時「人」という言葉は使わない事が明らかにされているにも関わらず、こ
#のシーンでは蘭子さんは「人」と言っています。人間界で仕事をしていた事だ
#けでなく、この事一つを取ってみても、蘭子さんの初恋の人は人間で、その事
#をカスミも気付いたのかな。
●全体を通して
カスミが蘭子の後を尾行するということで、蘭子の秘密を探ろうとしながらも
結局は秘密が判らないという展開なのかと思いきや、直接的には一切語っていな
いとは言え、意外にストレートに蘭子さんの過去について描いてきたなという印
象を受けます。
この回で明らかになった情報を総合すると、蘭子さんは人間に好意を持ったけ
れど、人間とヘナモンの間で二人が結ばれることは無く、彼の事を忘れようとし
たのか適当なヘナモンと結婚はしたけれども長続きせず、今でもその人の事を思
い続けている蘭子さんという図が浮かんで来ます。
何だか悲しいですが、あんまり悲しい気分にならないのは蘭子さんの性格故か。
後の話で霧彦とカスミの関係が進んで行く時に、このエピソードが効いてくる
のでは。そんな印象を受けました。
●次回予告
「あたし、カスミ。霞家にやって来た時に拾った鍵。その鍵を使う時が。扉の向
こうには、何があるの? 次回『カスミ、扉を開く』こんじょだ、根性!」
いよいよ、クライマックスへ向けて一直線?
霧の者との全面対決なのでしょうか。
では、また。
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Keita Ishizaki mailto:keitai@fa2.so-net.ne.jp
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