Re: Angelic Layer #26(the last episode)
石崎です。
S. GOTOさんの<9vi7gt$fha$1@news.thn.ne.jp>から
>後藤です
こんにちわ。
年末の埋め立て地で行われる某行事関係ですっっかり遅くなってしまい、すい
ません。
>本スレッドは「機動天使エンジェリックレイヤー(以下、AL)」の設定
>を元に、「AL」「カードキャプター(以下、CC)さくら」のキャラク
>ターが繰り広げるラブコメ(多分)を、リレー妄想の形式でお送りしてい
>ます。
>また、別途「セーラームーン」ネタもあったりします。
>そういうのがお好きな方だけ、お付き合いください。
ということですので、宜しくお願いします。
>★☆せらむんネタ☆★
>
>あ、確かここ(T・A)、女学院ってくらいだから、カトリック系だった
>ですね。
第176話『ファイターの正体! 衝撃の超変身』で、シスターアンジェラこ
と具志堅あかねさんなんてキャラもいましたから、そうでしょう。
でも、神社の娘がそんな学校に通うの、良くお爺さんが許したな。
>ところで、クラスはどうだったんでしたっけ?亜美ちゃんだけ別クラス、
>というより理系コースだったような気もするし、違う気もするし……
>忘れてしまいました。
アニメ版であれば、高校一年生ですので、理系・文系の区別は無かった筈です。
ちなみに亜美ちゃんは1年5組でした。
>> 美奈子ちゃんなら読めるだろうという突っ込みは不許可ですか(笑)?
>
>そういえば、美奈子と付き合って英語の成績が上がったなんて話がなかっ
>たな。
きっと会話は出来ても文法はまるで駄目だったということなのでしょう。
>> 第108話「うさぎのダンスはワルツにのって」でも一番まともに英語喋っ
てい
>> ましたし(…でも、挨拶だけですが)
>
>帰国子女→英語ペラペラの図式がこれほどまでに活かされてなかったとい
>うのは珍しいというか。
セーラーVが英国に行っていたという話自体、消し去りたい設定なのかもしれ
ません。
#実際問題として、この設定を出す必要は無かった気がしますし。
>帰国子女→非処女っていう……<おいおい
美奈子は英国時代はカタリナお姉さまとラブラブなのでは(違)。
>★せらむんショート劇場「亜美ちゃんの決意」
>
>まこと「あたし、園芸部もあるし(?)、料理研究会もあるし(?)……
> うーん……」
えっと、アニメ版では第179話『敵? 味方? スターライツとS戦士』に
よると、まこちゃんは料理研究会に入ってはいるようですが、園芸部には入って
いなさそうな雰囲気です。
温室でまこちゃんが栽培していた苺を収穫するシーンがあるのですが、「園芸
部は今日みんな出かけてるって聞いたけど」とまこちゃんが言っていたので、彼
女自身は入っていないようです。
#でも、調べるまで私も園芸部員だと思ってました。
>亜美 「あ……ごめんなさい」
>まこと「あ、あ、い、いいんだよ、亜美ちゃん。まかせてよ、掛け持ちく
> らいできるさ」
やっぱり亜美ちゃんの言うことは何でも聞いてしまうまこちゃん。
まこ亜美ですね。
>亜美 「すごいわ、こんなにたくさん」
>
>しかし、みんな亜美ちゃん目当てのヤローばっかりでした。
ラブレターが来た位で蕁麻疹が出来てしまう位ですから、それまで亜美ちゃん
にアタックする男子は殆どいなかったのではと推測されますが、ALの地区大会
で優勝したことで、イメチェンに成功したという事でしょうか。
>応募者全滅と相成りました。
うさぎちゃん達の実力が実力ですから、亜美ちゃんも野郎共の実力にそれ程期
待していたとは思えないのです。だとすると、野郎共はちょっと厳しく言われた
だけで逃げ出してしまうようなヘタレだったのか…。
それとも、亜美ちゃんの選別が厳しすぎた?
>美奈子ちゃんの考えをまともに受けてはいけません。
美奈子ちゃんは確かバレー部に入部していた筈なので、そちらの方も忙しいで
しょうから…と、好意的に解釈してあげましょう(笑)。
>しかし、亜美ちゃんの本当の考えは違いました。自分のことよりも、レイ
>ヤーを学校レベルでもっと普及させたかったのです。亜美ちゃんはうさぎ
>ちゃん達にレイヤーの指導をします。
だとすれば、部員がいなくなってしまったのは、集まった野郎共が悪いのです
ね。
>うさぎ「でもさー、これがクラブ活動なんて、面白いじゃん。何より、塾
> の時間まで亜美ちゃんと一緒にいられるからさ、宿題もばっちり
> だよ」
きっと、亜美ちゃんは見てくれるだけで、手伝ってはくれないでしょう。
>まこと「明日からは他校交流ってことで、レイちゃんも誘うか」
こうして結局、いつものメンバーになってしまう訳ですね。
では、せらむんショートショートの方に。
★☆せらむんショート劇場 『ほたるの決意』☆★
●都内某所
都内某所にある一戸建て。そこに停車した黄色いオープンカー。
乗っていたのは若夫婦と娘。しかし、若夫婦と娘の間には、血の繋がりは無い
のでした。
*
「ただいま」
「今、帰ったよ」
「お帰りなさい」
家に入って来た若夫婦達──はるか、みちるとほたる──を出迎えたのは、エ
プロン姿の冥王せつな。
「せつなママ。ほたる、お腹ぺこぺこだよ」
「はいはい。夕食は出来てますよ」
*
せつなの手によって、後は盛りつけるだけになっていた夕食が手早く整えられ、
せつな、はるか、みちるそしてほたるの一家は、楽しい夕食の時間。
「今日のお出かけはどうでしたか? ほたる」
「あのね、綺麗なお姉さんとお兄さんにエンジェリックレイヤーを教えて貰っち
ゃった」
ほたるは、今日PP社練習場で出会ったお姉さんとお兄さんに、エンジェリッ
クレイヤーの手ほどきを受けた話を聞かせました。
「そうですか。それは良かったですね」
「えへへ…」
そんなほたるを優しい表情で見つめるせつな。
「それはそうと、今日は何か手がかりになるような情報はありましたか。はる
か?」
「土萠教授の才能を欲しがりそうな企業を一通り回って来たけど、さっぱりだ」
「都内の病院も、親戚の家にも未だ姿を現していないそうよ」
ギャラクシア率いるシャドウ・ギャラクティカの策謀によりネヘレニアが復活
した後、都内の病院である見原台病院に入院していた土萠創一から、一旦は親元
に返していた土萠ほたるを再び預かったのは冥王せつな。
シャドウ・ギャラクティカの脅威が去った後、せつながほたると共に土萠教授
の元を訪れたところ、既に退院していた土萠教授は、行方をくらませていたので
した。
その日以来、はるか達は土萠教授の行方を追って、日本中、時には海外にまで
足を伸ばして行方を追っていました。
今日も、買い物ついでに土萠教授が立ち回りそうな場所を回ったのですが、成
果はありませんでした。
「大丈夫よ。きっと、何時かは見つかるわよ」
しょんぼりした様子のほたるに、みちるが優しく声をかけます。
「うん。きっと、見つかる…よね」
「そうですよ。だからほたるは、本当のパパと再会するその日まで、しっかりと
学ばなくては」
「はい。せつなママ」
そう答え、ほたるは食事を再開しました。
しかしほたるは思うのです。
はるかパパ、みちるママ、そしてせつなママ。
血は繋がっていないけれど、前世からの絆で結ばれているこの「家族」との生
活はとても楽しい。
だけど、ほたるの本当のパパは一人だけ。
自分と一緒に暮らすことの出来ない事情があるならそれで良い。
でもそれならば、電話や手紙位…。
「土萠教授、娘がどうしているのか心配じゃ無いんだろうか」
「普通であれば、心配しない筈は無いと思うのですが」
「この家で暮らしているのを知らないとか?」
「ここに転居する前に、病院に連絡はしているので知らない筈は」
どうして何も連絡してくれないの?
パパはほたるの事が嫌いなの?
それとも、ここに居るのをパパは知らないの?
はるかパパ達に任せきりで無く、ほたるもパパを捜したい。
でもどうすれば…。
「そうだ!」
「どうしたの? ほたる」
「あ、ううん。何でも無い。それより…」
「何だい?」
「あのね、ほたるも今度のエンジェリック・レイヤーの大会に出たいと思って」
「え? でも、買ったばかりなのに…」
「どうしても出たいの!」
突然のお願いに、唖然とした様子のはるか達。
その時、ほたるの脳裏には、エンジェリック・レイヤーに興味を持つ人であれ
ば、誰でも知っているある人物に関する逸話があったのですが、その事をエンジ
ェリック・レイヤーにさほど詳しくないはるか達は知る由も無かったのでした。
●エンジェリック・レイヤー社 研究所
萩子とのデートで目的を果たすことが出来ずに、しょんぼりとした様子で研究
所に戻って来たいっちゃん。
尾形に八つ当たりしようと思ったのですが、既に帰宅した後でした。
そんないっちゃんに、研究員が一人近寄ってきました。
エンジェリック・レイヤーの研究では無く、その技術を応用した(実際は逆な
のですが)義肢の研究の方に携わっている研究員でした。
いっちゃんは、当然の事ながら、こちらの方の研究にも関わっていたのです。
年はいっちゃんより年上。とは言っても30代後半程度。
ただし、痩せ気味なのと髪が全面白髪であるために、実際よりも老けて見える
のでした。
「チーフ。例の実験データですが…」
「おう。後で見とく。そこに置いといてくれや」
いっちゃんが言うと、研究員は書類の山をいっちゃんの机の上に置き、一礼す
ると部屋から退出しようとしました。
「あ、そうや」
「はい」
「あんたの娘、保護者と一緒に今日ウチの本社に訪ねて来たらしいで」
「え…」
「もちろん、約束通りウチの会社にはおらん。そう答えさせた」
「すいません」
「娘にどうして会うてやらんのや?」
「娘と私は、会わない方が幸せなんです。あの忌ましい出来事を思い出させたく
ない」
「研究所の事故の事か? あれは…」
「それだけじゃ無い。私は…」
それきり、絶句してしまう研究員。
「判った。もうええ。悪かったな。嫌なこと思い出させて」
「いいえ」
そう言うと、その研究員──土萠創一──は、いっちゃんの研究室から出て行
くのでした。
(「ほたるの決意」おしまい)
…と言う訳で、土萠教授とせつなさんを登場させてみました。
#ちなみにセーラームーンの原作を知らないと、どうして土萠教授が義肢の研究
#に関わっているのかは判らないかも。アニメでは悲惨すぎるためか省かれた設
#定ですので。
★☆AL2ネタ☆★
>あそこに描かれていた相関図、かなり認識が違うような気がしました。
>特にみさきちと鳩子(笑)
みんなみさきにらぶらぶと書いてある辺り「判っている」という気はするので
すが(笑)
みさきちと鳩子、みさきちと珠代、みさきちと最、最と楓は取り敢えず色が間
違ってます(笑)。
>それでいて、岬了の持っていた3体目のエンジェルはいいらしいから、不
>思議だ。
ドリル(笑)。公式パーツで出ていたのでしょう。それで多分、破壊力が控え
目に設定されているのでは。
>鳩子 「みさき、『夫婦間の営み』ってなあに?」
>みさき「こ、子供は黙っとき……大人になれば分かる……」
>鳩子 「私、子供じゃないわ!」
>
>といって、みさきちの顔を真剣に見つめる鳩子ちゃん。まるで恋人に訴え
>ているかのよう。みさきちの手をギュッと握って、
あはははは。でも、鳩子ちゃんだったら…。
鳩子 「ひょっとすると、あれのことかしら」
鳩子は、みさきの耳に何事か囁きます。
みさき「な! 鳩子ちゃん、どうして…」
ちょっと赤くなるみさきち
鳩子 「だって、虎太郎のベットの下に、沢山置いてあったもの」
そう言うと、鳩子は虎太郎のベットの下(そう、ここは虎太郎の部屋だったので
す)から、その手の雑誌を取り出しました。何冊も。
虎太郎「わ〜〜」
みさき「な…な…」
虎太郎が止めるのも間に合わず、その雑誌を開いて見てしまうみさきち
みさき「………」
ジト目で虎太郎を見ているみさきち
珠代 「虎太郎ちゃんの……えっち〜〜!」
虎太郎「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
その雑誌を後ろから覗いた珠代ちゃんは、今まで自分達がやっていた行為であ
ることも忘れて、真っ赤になって虎太郎をぶっ飛ばしてしまいます。
ご免なさいご免なさい。
>ルビーとユエ、というか奈久留と雪兎でやらせてみようかと。無理か。
すっぴーと奈久留は当然として、ケロちゃんは雪兎さんですか。成る程。
当初知世ちゃんで考えていたのですが、ケルベロスとのコンビということで考
えれば、そちらの方が納得です。
ただ、雪兎さんはケロちゃんの存在、知ってましたっけ?
>> >> 第8話『さくらと京子と反則バトル!』
>
>本当はいい娘なんですが、行動が奇形化したのも確かこの場(f.r.a)では
>なかったかと。
確かにf.r.aの妄想の中でどんどん変になっていったのは事実ですが(笑)。
同人誌やWebページで読む妄想小説でも十二分に変人ですから問題無し(笑)。
>> > 第9話『さくらとはじまりの予感』
>
>特に描写はなかったようですが、「封印されたカード」で王子様の役を譲
>ってやってたので。
そんな話もありました。あれは本当に山崎君は可哀想でした。
#もっとも、番外編の方では活躍していたから良いや(違)。
>> シリーズ構成公認のカップリングですから、問題なし(笑)。
>
>鳩子の要求がだんだんとエスカレートして、あせるみさきち、という展開
>を。
だんだんとエスカレートというと、やっぱりABC…(以下略)
>> まずは草の根大会からでしょうか。
>
>友枝町内会からですね。
そう言えば、友枝町ってどこにあるんだろう。
>> ★機動天使エンジェリックレイヤー2nd 第10話
>> 『さくらと素敵な王子様』
>
>そのうち、レイヤーのことなんか忘れそうだな、この2匹。
大丈夫です。シリーズ構成の都合で今回は話から外れて貰いましたが。
>「黒髪のおかっぱ頭」でわかっちゃいました。年齢はどのくらいでしょう
>か?鳩子よりも年下とみました。でも、「サトゥルヌス」を言える年齢で
>ないといけないから。
>T教授も出てくるとか?
実は最初から最後まで名前を出さずに終わらせようと思ったのですが(笑)。
セーラースターズの後という設定にしていますので、大体小学校低学年位とい
う設定です(故に、鳩子ちゃんよりは年上です)。年齢に比べて頭脳明晰な筈で
したので、サトゥルヌスも命名出来たのでは無いかと。
#本当はプーが教えた。
>> 「(この娘、ただ者ではありませんわ)」
>
>いずれ、鳩子のライバルになりそうな伏線かも。
出会うとすると、東京都大会ですね。
#はるか達は何区に住んでいるんだろう?
>最と楓も、「愛の劇場」しないといけないですね。
みさきちに惚れる最に嫉妬する楓とか(笑)。
>★機動天使エンジェリックレイヤー2nd 第11話
> 『さくらと小狼の再会』
>
>●PP社 恵比寿支店
>前日までは小狼に会える事を楽しみにしていたさくらちゃん、しかし、さ
>きほど一緒に練習の相手をしてくれた王二郎のことが、次第に自分の中で
>大きくなっていったのです。
自分で振っておいて何ですが、案外あっさりと王二郎になびきましたね(笑)。
>その様子を見て、さくらちゃんの心の乱れを感じ取った知世ちゃん、彼女
>もまた、親友を思う心と、親友ではなく恋愛の対象としてさくらちゃんを
>思う心とが交錯していました。
やっぱり知世ちゃんはこうで無くては。
>さらにこの日、恵比寿支店には鳩子ちゃんが来て、レイヤーの練習をして
>いました。随分イライラしているようですが、どうしたのでしょうか?
鳩子ちゃんが苛ついているのは、みさきちが王二郎とデート中で一人きりだっ
たからですね(笑)。
>●大道寺家
>
>小狼 (この気持ち、あの人(雪兎)とは違うよな…………
> でも、さくらに対して感じた気持ちとも違う………………)
さくらちゃんと同様、きっと、「綺麗なお姉さん」に対する憧れのようなもの
なのでしょう。
>●(おそらく)恵比寿の繁華街
>珠代 「今日こそは決めてくれるわよね、王二郎さん」
>虎太郎「そ、そう……かもな……」
付き合わされている虎太郎も良い迷惑だ(笑)。
虎太郎も昔(ひょっとしたら今でも)好きな人がデートしている光景なんて見
たく無いだろうし、今の好きな人が自分を無視してみさきちのおっかけをしてい
ることも面白く無いだろうし…。
>いっち「え……い、い、いや、何でも……
> あ、あの、それより、あの2人、いや、みさきちゃんが心配や。
> 何かあるといかんから、後つけな」
>萩子 「そ、そんな、だめよ、邪魔しちゃ」
邪魔しちゃなどと言いつつ、ちゃんと後はつけているのですね(笑)。
>さらにさらに、横浜からこの2人が遊びに来ていました。
>珠代ちゃんは、最さんと楓さんのカップルが近くに来ていることに気づき
>ませんでした。さらに、その2人に気を取られているうちに、みさきち達
>にも気づかれてしまったのです。
そりゃあ喋りながら見張っていれば、いつかは気付かれますがな(笑)。
>しかし、立ち直りが早い彼女は
>
>珠代 「お、お、お、王二郎さん、決闘よ!!」
立ち直りが早いというか、気が早いというか(笑)。
>●大道寺家
>
>昨日までは会えて嬉しかったはずの2人ですが、すごい気まずさを感じて
>しまいます。
この気まずさは、まるで浮気をした後に出会ったカップルのようだ(笑)。
>苺鈴 「おかしいわよね。いつもだったら大道寺さん、木之本さんをずっ
> と録り続けているのにさ。何か知ってるんでしょ?ね、情報交換
> しない?」
この二人が真相を知ったら、どう出るのかな?
>
>●テーブル
>誰も食事をとらなくなったため、ケロ助が独り占めしてしまいました。
ラブコメとは関係無い人(?)が、ここに…(笑)。
では、こちらも本編に。
★機動天使エンジェリックレイヤー2nd 第12話
『さくらと小狼のすれ違う想い』
●PP社 恵比寿支店
今日も今日とて「シマ」の管理のために練習場へとやって来たさくらちゃん。
ただし、今日は昨日と違って、ついて来るメンバーが大勢です。
「ごめんね、小狼君。もっとちゃんとした所にしようと思ったんだけど…」
「さくらが行く所なら、どこでも良い…」
ぎこちない様子のさくらと小狼。
それは何時もの光景にも見えましたが、互いを意識するあまりぎこちなくなっ
ている以前のそれとは異なり、今のぎこちなさは、他に意識している人が居るが
故。
そのことに、このカップルの片割れのことをそれぞれ愛しているこの二人はし
っかりと気が付いていました。
「もう。小狼ったらぼーっとして。そんなんじゃ木之本さんに逃げられちゃうわ
よ」
「本当に…」
相変わらずビデオ撮影をしながら、いつもとは違う様子のさくらに、知世は溜
息を一つ。
「小狼さんにさくらさんをお任せしたのは、間違いだったのかしら」
「え?」
「このままだと母の二の舞ですわ」
「はぁ?」
知世の発言の意味が判らず、聞き返す苺鈴。
苺鈴は、知世のさくらへの想いの深さについては気が付いていませんでしたし、
ましてや園美の撫子への愛情について知る筈はありません。
「今日こそ決着をつけたるで」
「望むところです」
知世の鞄の中から、スピネルとケロちゃんが顔を覗かせてヒソヒソと話してい
ました。
昨日のゲーム対戦では、結局決着がつかなかったのです。
「しかし…」
「なんや」
「この店では対戦をしたくても出来ませんね」
「何でや」
「人間の目が多いこの場所で、私たちがファイトを出来ると思っていたんです
か?」
「それは…」
「大道寺さんの家であれば対戦も出来るそうですから、そちらで我慢するしか」
「ギャラリーが少ないのは寂しいけどな…」
「大丈夫ですわ」
知世が、二人(?)の会話に割って入りました。
「何か良いアイデアあるんか。知世」
「ええ」
そう言うと、知世は鞄の中からケロちゃん達専用ヘッドセットを取り出すので
した。
*
「さぁ! 今日は特訓だよ! みさきち!」
「特訓と言ったかて。そんなにすぐに強くなれる訳やあらへんし…」
「あたしはすぐに強くなりたいの! 王二郎さんと決闘なんだし」
騒々しく店内に入ってきたのは、みさきと珠代。
後から、虎太郎と鳩子も入って来ます。
みさきと鳩子の姿に気付いた何人かが、「お」という表情を見せますが、取り
立てて大騒ぎはしませんでした。
この店に有名人が来るのは、それ程珍しいことでも無かったからです。
早速レイヤーセットを一台占有し、練習を始めるみさきの「ヒカル」と珠代の
「アントニオ(仮)」
本当はみさきの家にも練習用のレイヤーセットがあったのですが、やはり練習
場のそれとは大きさが違います。
虎太郎の家で若干練習をしてはいたのですが、やはり珠代の実力はみさきとは
天と地ほどの違いがあり、まるで話になりません。
みさきが来ているので集まっていたギャラリーも、すぐに飽きて他に行ってし
まいました。
「珠代の奴、まるで駄目じゃん」
「本当にそう思う? 虎太郎」
「鳩子?」
「良い所まで、行けるかもしれない」
そう呟く鳩子でしたが、虎太郎には珠代のエンジェルがそんなに強いようには
見えないのでした。
*
「小狼君。前の大会のチャンピオンの鈴原みさきが居るよ」
「知ってる…」
「後ろにいるのは小林鳩子ちゃんで…」
そう言いかけて、さくらは気付きました。
小狼の目が、みさきと連れのファイトでは無く、みさき自身のことをじっと見
ている事に。
「小狼君?」
「え? ああ、何でも無い」
「うん…」
肯いたさくらですが、何とも言えない不安な気持ちになるのでした。
*
レイヤーセットを一台借りた上で、こっそりとヘッドセットを入れ替えた知世。
もちろん、裏で店の許可を取っていることは言うまでもありません。
エンジェリック・レイヤー社は知世の母が経営する大道寺グループの一員。
その子会社であるPP社の練習場でも、こうして無理が利くのでした。
「行くでぇぇぇ」
「望むところです」
スピネルとケロちゃんは、それぞれ知世とさくらの膝に乗って、ファイトを始
めようとしていました。
小狼とさくらもヘッドセットをつけていて、傍目からはさくらと小狼が対戦を
しているようにも見えます。
ちなみに知世がレフェリーをしています。
「とりゃあああああああ…」
「それそれそれっ」
かけ声は勇ましいのですが、お互いに初心者。
肝心な所でずっこけて、お互いに有効打をなかなか与えられません。
「なかなかやるな」
「そちらこそ」
そして1ラウンド目が互角のまま終了した時です。
「楽しそうだね」
「あ…」
三原王二郎が、さくら達を覗き込んでいました。
慌てて、ただの縫いぐるみに戻るケロちゃんとスピネル。
「お、王二郎さん」
「そ。確か、木之本さくらさんとか言ったよね」
「は、はい!」
何故か顔を赤らめているさくらの表情を小狼は見逃しませんでした。
「(なんでコイツはさくらの名前を知っているんだ?)」
ジト目で小狼は王二郎のことを睨みましたが、王二郎はそのことに気付かずに、
暫くさくらと話し続けているのでした。
●都内某所 とあるデパート
「桃矢く〜〜〜〜ん!」
売場の向こうから、見た目は美少女にしか見えない人外の者が駆けてきて、桃
矢にひしと抱きつきました。
「な、奈久留。日本に来てたのか」
「そ。桃矢君のことが忘れられなくて〜」
「俺は忘れたかった」
「そんな〜つれないこと言わないで」
奈久留に頬をすりすりされながら、桃矢はこれから毎日来るつもりじゃ無いだ
ろうなと思うのでした。
(第12話 完)
ご免なさい。続く話のネタ振りばかりの展開となってしまったような(笑)。
そろそろ、こちら側でも大会を始めましょうか。
--
Keita Ishizaki mailto:keitai@fa2.so-net.ne.jp
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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