藤森@セイコーエプソンです。
さくらちゃんの長編妄想の全文を投稿しますね。
劇場版同様、アニメの第35話と第36話の間のお話です。

アニメ版妄想小説No.6『さくらちゃん、大人になる!?』

今日は土曜日。
バイトから帰ってきた桃矢兄ちゃんと晩御飯を食べているさくらちゃん。
そこで、テレビのニュースが入ります。

アナウンサー:
「ニュースです。本日、友枝町中央公園、通称ペンギン公園で遊んでいた
 子供3人が行方不明となりました。
 夕方になっても帰ってこないので家族が捜索願いを出したのですが、
 行方不明となった時間帯がバラバラなので誘拐の可能性は低いと判断され、
 公開捜査となりました。皆様からの情報をお待ちしています。」

「また、本日、同公園で子供服を着た老人3名が保護されました。
 行方不明となった子供と似た服を着ていたため、行方不明事件と関係が
 あるのではないかと調査中ですが、3名とも自分の名前も言えないほど
 衰弱しているので、調査は進んでいません。
 この老人3名についても、情報をお待ちしています。」

テレビ画面に、行方不明となった3人の子供の写真と名前、
保護された老人の写真が映し出される。

さくら:「ほえ〜。友枝町でこんな怖い事件が起こるなんて、珍しいね。」
桃矢 :「そうだな。運動会で花が山ほど降ってきたり、ペンギン大王が
     ひっくり返ったりする事件はあったけどな。」
さくら:「うっ...」
桃矢 :「それに、怪獣が友枝町を毎日走り回っていることに比べれば...」
さくら:「さくら、怪獣じゃないもん!」
桃矢 :「いいから、公園には近づかないようにしろよ。」
さくら:「はぁ〜い。」

晩御飯のお片づけをして、自分の部屋に戻ったさくらちゃん。

さくら:「ケロちゃん、どう思う?」
ケロ :「むっちゃ怪しいで。クロウカードの匂いがしよる。」
さくら:「...ケロちゃん、テレビで推理物見てたでしょ。」
ケロ :「とにかく、公園に人がおらんようになったら
     カードキャプターさくらの出動や!」
さくら:「ほえぇ〜っ!ひ、人気のない夜の公園〜っ!?」
ケロ :「なんや、これまで何度も夜の公園に出動しとるやないか!」
さくら:「で、でも、もしこれがおばけのしわざだったら...」
ケロ :「おばけもクロウカードも似たようなもんやろが。」
さくら:「はうぅ〜。」(泣)

結局行くことになってしまったさくらちゃんですが、やっぱり怖いので
知世ちゃんに電話して、いっしょに行ってもらうことになります。
また窓から抜け出して、木をつたって下に降り、公園に向かうさくらちゃん。
知世ちゃんは、例のコスチューム運搬車で公園の前に来ています。

さくら:「羽の付いた黒い服に、黒のスカート?」
知世 :「今回のコスチュームは、『夜の妖精』をイメージしてみましたの。」
ケロ :「こない黒いコスチュームやったらビデオ映り悪いんとちゃうか?」
知世 :「夜でも撮れる高画質ビデオカメラを持ってきましたから、
     だいじょうぶですわ。」

苺鈴 :「また変な格好して...」
さくら:「め、苺鈴ちゃん?」
小狼 :「お前も来ていたのか。」
ケロ :「小僧も来たんか。」
さくら:「李君が来たってことは、やっぱりクロウカードなの?」
小狼 :「ああ。気配はほとんどないが、羅針盤に反応があった。
     この公園のどこかにいる。」
さくら:「ほっ、よかったぁ〜。」
(おばけじゃないとわかって安心したさくらちゃん)

苺鈴:「何が『よかった』のよ!
    さっきまで、おまわりさんと野次馬ですごい人だったんだから。」
ケロ:「それを知っとるっちゅうことは、小娘も野次馬しとったんやな。」
苺鈴:「わ、私はひょっとしたらクロウカードかもしれないと思って...」
ケロ:「それはおいといてぇ、さくら、何やわかったか?」

さくら:「...あっちの林の方から何か感じるけど...」
知世 :「おかしいですわ。あんな所に林はなかったはずですわ。」
ケロ :「なんや、すごい大木ばっかりやな。枯れかけてるんも多いで。」
苺鈴 :「看板が倒れてるわね。『平成10年記念植樹』...?」
小狼 :「これは、まさか...」

その時、大きな木の影から、ひょっこり子供が顔を出した。

苺鈴:「こんな夜中に危ないじゃない!坊や、お家はどこ?」
小狼:「苺鈴!そいつに触るな!」
苺鈴:「えっ?」(子供の頭をなでている苺鈴ちゃん)

木の影から全身を現わした子供は、服装からして明らかにクロウカードであった!
その時、苺鈴の体が発光し、姿が変わっていく。

苺鈴 :「きゃあぁ〜っ!」
さくら:「苺鈴ちゃん!」
小狼 :「だめだ、あいつは...」
ケロ :「あれは、時間系最後のカード、フューチャーや!」
さくら:「フューチャー?」
ケロ :「『現在』のタイム、『過去』のリターンと同じく時間魔法のカードで、
     『未来』を象徴するカードなんや。」

その場に倒れ込む苺鈴ちゃん。
どうやら体が大きくなっているようだが、どうもそれだけではない。

さくら:「苺鈴ちゃん?!ケロちゃん、苺鈴ちゃん、どうなっちゃったの?」
ケロ :「タイムは現在の時間を操れ、
     リターンは過去へと人を送り込めるんやけど...」
小狼 :「フューチャーは、生き物を未来の姿に変えることができるんだ。」
さくら:「未来の姿に?」
ケロ :「ようするに、年を取らせるわけやな。」

さくらちゃんに抱き上げられる苺鈴ちゃん。
しかし、その体は枯れ木のように細く、手はしわだらけである。
自分の手を見つめる苺鈴おばあさん...

小狼 :「苺鈴、だいじょうぶか?!」(苺鈴ちゃんに駆け寄ろうとする小狼)
苺鈴 :「いやぁ〜っ!小狼、来ないで!!」
小狼 :「苺鈴...」
苺鈴 :「こんな姿、小狼に見られたくないの...(泣)」
小狼 :「しっかりしろ、苺鈴!すぐ元に戻してやるからな!」
さくら:「よくも苺鈴ちゃんを!」

苺鈴ちゃんの体を木に預け、
封印の鍵を封印解除(レリーズ)するさくらちゃんと、剣をかまえる小狼。

ケロ:「子供の姿に惑わされたらあかんで!あいつは意地が悪うてなあ。
    若者を見ると老人にしたがるんや。」
知世:「行方不明になった3人の子供は、
    フューチャーのせいでお年寄りになってしまったんですの?」
ケロ:「そういうこっちゃな。この大木の林も、フューチャーのせいやで。」
知世:「去年植えた苗木が、枯れるほどの大木に成長したんですのね。」

ウィンディのカードを使って、フューチャーを捕まえようとするさくらちゃん。
しかし、フューチャーはひらりとよけて、さくらちゃんの横に回り込みます。

小狼 :「危ない!」
さくら:「ほえ〜っ!」
フューチャー:「キャハハッ!」

横からさくらちゃんにタッチするフューチャー。
とたんにさくらちゃんの体が発光し、大きくなっていきます。

知世:「さくらちゃんが、さくらちゃんが、お婆さんになってしまいますわ!」

しかし、さくらちゃんの肌にはいっこうにしわが現れず、
さくらちゃんの成長は途中で止まり、
そこに現れたのは大人になったさくらちゃんであった!

#小狼が夢の中の映画で見たよりもさらに少し成長している感じで、
#撫子お母さんの16歳当時くらいになっています。

さくら:「ど、どうしてぇ?」
ケロ :「魔力があるもんは、時間魔法にある程度耐性があるんや。
     タイムで一日時間を戻された時も、戻されたんを覚えとったやろ?」

さくらちゃんが成長したせいで、スカートはミニスカートになってしまい、
上着もおへそが見える服になり、胸の部分は今にも張り裂けそうである。

さくら:「ほえぇ〜っ!!」
知世 :「さくらちゃん...ステキ過ぎて...気絶しそうですわ。」
さくら:「いや〜ん、撮らないでぇ〜っ!」
ケロ :「中身は変わってへんな。」
小狼 :「!!...」

あられもないお姿のさくらちゃんを見てしまった小狼は、
真っ赤になってそっぽを向いてしまいます。

さくら:「この〜っ!」

気をとりなおして、フューチャーを封印するべく魔法を繰り出すさくらちゃん。
しかし、ことごとくかわされてしまいます。
(小狼はまだそっぽを向いています。)

知世:「さくらちゃんの動きが全部読まれているようですわ!」
ケロ:「フューチャーにはな、ある程度未来を予測する能力もあるんや。」
小狼:「くそっ!こっちの動きは筒抜けか!」(そっぽを向いたままの小狼)

#コレクター・ユイに出てくる「アンティ」の能力ですね。

さくらちゃんをお婆さんにし損ねたフューチャーは、
再びさくらちゃんに触ろうと魔法を避けながら迫ってきます。

ケロ :「あかん!もっぺんやられたら、今度こそお婆はんになってまうで!」
さくら:「いやぁ〜っ!」

その時、そっぽを向いていたはずの小狼がさくらちゃんをかばって
フューチャーとの間に割り込み、さくらちゃんを押し倒す!

さくら:「李君!」
小狼 :「うわあぁぁっ!」

小狼がフューチャーの光に包まれ、その光が消えた時、そこには...

さくら:「り、李君...なの?」

そこには、大人の姿に成長した小狼が、
大人の姿をしたさくらちゃんの上に覆い被さっていたのでした。

知世:「まあ。(はあと)」(もちろん、撮ってます(^^;)
ケロ:「あれが小僧かいな。ま、今よりはちょいマシになるようやな。」

顔が接近したため、またまた真っ赤になった小狼と、
ほんのり赤くなったさくらちゃん。

さくら:(李君、大人になるとこんな風になるんだ。
     なんだか、雪兎さんとお兄ちゃんに感じが似てる...?)

小狼:「う、うわっ!す、すまん。」
(あわててさくらちゃんの上から飛び退く小狼)
さくら:「り、李君、あ、ありがとう。」

かっこよく成長した小狼だったが、式服は元のままなので、つんつるてん。
いまいち絵になりません。
しかも、飛び退いた拍子に...

ビリッ!(小狼の式服が破れ散った音)

さくら:「ほ、ほえぇぇ〜っ!!」
小狼 :「う、うわあぁぁっ!!」
知世 :「まあ。」(やっぱり、撮ってます(^^;)

ゆったりとした式服のおかげで、
かろうじてすっぽんぽんになるのは逃れられた小狼。
しかし、「セクシーな変質者」といったお姿になってしまうのでした。

ケロ :「フューチャーは、同時に二人の未来の動きを予測できんのやな。
     それで、小僧がさくらをかばうのが
     わからんかったっちゅうこっちゃ。」
さくら:「えぇ〜っ!?早く教えてくれればいいのにぃ!!」
ケロ :「ちょっと忘れとったんや。」
さくら:「それじゃ、私と李君で同時に魔法を使えば...」
小狼 :「フューチャーの動きを止められる!」

なんとか気を取りなおして、ウィンディのカードを取り出すさくらちゃんと、
フリーズのカードを取り出す小狼。
しかし、二人が同時にカードを使って攻撃する前に、
フューチャーはあきらめたようにうなだれて、
さくらちゃんの前に進み出るのでした。

さくら:「ほえ?な、なんで?」
ケロ :「どうやら、自分がカードに戻される未来を予測したようやな。
     それであきらめたんやろ。」
小狼 :「なんだか拍子抜けだな。」
ケロ :「未来が見え過ぎてもろくなことにならへんのやな。
     さぁ、さくら、封印や!」
さくら:「汝のあるべき姿に戻れ!クロウカード!」

フューチャーを封印するさくらちゃん。
とたんに、回りの大木は小さくなり、さくらちゃんと小狼、
それに苺鈴ちゃんは元の子供の姿に戻るのでした。

しかし、破れた上にすっかりゴムが伸び切った小狼のズボンは...

ズリッ...ストン!(小狼のズボンがずり落ちた音)

さくら:「ほ、ほええぇぇぇ〜っ!!!」
小狼 :「う、うわああぁぁぁっ!!!」
知世 :「まあ。」(それでも、撮ってます(^^;)

顔を真っ赤にした小狼は、ズボンをずり上げながら逃げるように退散。

苺鈴:「ま、待ってよ〜!シャオラ〜ン!」
(見てしまったため、顔を赤くしながらも小狼を追いかける苺鈴ちゃん)

さくら:「...ふう。た、大変な目にあっちゃったね。」
(こちらも、見てしまったため顔が赤くなっているさくらちゃん)
ケロ :「まったく、小僧のヌードなんてこっちから願い下げや!」
さくら:「そ、そういう意味じゃなくて...」

知世 :「さくらちゃん、おけがはありませんか?」
さくら:「だいじょうぶだけど...あっ、知世ちゃんの作ってくれた
     コスチューム、破れちゃった...ごめんなさい。」
知世 :「いえ、そんなことより、さくらちゃんが李君の前で
     裸になってしまわれなくて良かったですわ。」
さくら:「う、うん...」(ますます赤くなったさくらちゃん)

知世 :「それに、大人になったさくらちゃん、とってもステキでしたわ!」
さくら:「そ、そう?」
知世 :「次は、大人になったさくらちゃん用のコスチュームを作りますわね。」
さくら:「と、知世ちゃん...」
知世 :「大人に変身するのは魔法少女のお約束ですもの。」
ケロ :「そりゃええなあ。大人になれば、人前でも正体を隠したまま
     カードキャプターとして活躍できよるな。」
さくら:「はうぅ〜。(泣)」

知世 :「今度、さくらちゃんが大人になった時の寸法を計らせてくださいね。」
さくら:「い、いいけど...」
知世 :「大人になったさくらちゃんには、
     どんなコスチュームが似合うかしら...楽しみですわあ。」
さくら:「はうぅぅぅ〜。(泣)」


翌日の日曜日。
保護された老人の収容された病院から、
行方不明になった3人の子供が無事見つかりました。
その代わり、保護されたはずの老人3名が行方不明になったのですが、
「元気になって、自分の家に帰ったんだろう」ということで
落ち着いたのでした。

で、ここは小狼のマンション。
ふとんをかぶって、自分のベッドから出てこない小狼。

苺鈴:「シャオラ〜ン、いいお天気なんだから、どこか出かけましょうよう!」
(ふとんの上から小狼を揺り動かす苺鈴ちゃん)
小狼:「...」
苺鈴:「何よ、私たちはいっしょにお風呂にも入った仲じゃない!」
小狼:(それは、もっと小さい頃の話だ!それに...見られたのは...)
苺鈴:「んもう!小狼のバカぁ!」
ウエイ:「苺鈴様、小狼様はいったいどうなさったのですか??」

...月曜日までに小狼が立ち直れたかどうかはさだかではない...

#こうして、以後「カードキャプターさくら」は
#普通の変身魔法少女物になっていったり...はしません。(^^;

#小狼のズボンがずり落ちた時、パンツがすでに破れ散っていたかどうかは、
#読者の御想像にお任せいたします。(^^;;

おしまい。
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 ooξξ 藤森英二郎 セイコーエプソン株式会社
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