秋山@電通大です。
 今日観てきました(映画の日だったので)。とっても良かったです!。
 惜しむらくは、この映画、もう上映終了してしまう劇場があるのです
よね……。
 #別の劇場に移るだけかも知れませんが……。

JI-TAN wrote in message <7qgg5b$g4c$1@news01.iij4u.or.jp>...
>じーたんです。「劇場版カードキャプターさくら」の感想です。


 こんにちは。


>はっきり言ってオススメです。僕的にはこの「StarWars E.1」「ウテナ」を越
>えるこの夏最大のヒットでした。
>#ウテナもなかなか良かったですけどね。


 娯楽作ということでは、アキハバラよりはるかに綺麗にまとまった
作品となっていたと思います。
 #まあ、アキハバラは細かいところで見せていましたけど、
 #話的なまとまりではこちらの方が断然上。

 画的にも、大画面一杯に描かれる香港の街並みと、その中を縦横
無尽に駆け回るさくら達には、映画ならではの良さがありました。

 特に動きという意味では、『翔』のカードでの飛行シーンが、宮崎
アニメを思わせる浮揚感を感じさせてくれました。

 #もちろん細かい芸でも見所はたくさん。


>はにゃ〜ん属性な方は勿論、そうでない方にも是非劇場で観て欲しいですね。


 私もそう思います。
 もっとずっと子供向けな内容を予想していたのですが、丁寧な作りに
目を奪われました。


>それもできるだけ大きくて音響が良さそうなところがいいと思います。

 いや、これすっごく重要です。臨場感を出すための音響の配慮に
並々ならぬものがあったと思います。
 こういうところが、丁寧だっていう要因なんですけどね。

 ちなみに私は、偶然、画面に向かって左側の席だったのですが、
そっちの方向からさくらちゃんが語りかける場面が多くって、すぐ
そばのスピーカーから声が流れるので得した気分でした(^^;。


>但し小さなお子様に紛れて劇場に入る勇気は必要ですが…(^^;


 夏休みももう終わり、今日は大きいお友達ばっかりでした(^^;。

 #真面目な話、この映画はあと二週間、せめて一週間早く公開
 #して欲しかったと思います。
 #もっと子供達に観る機会を作ってもらいたかったな。
 #夏休みラスト二週の公開では……。


>てなわけでネタバレにつき改頁です。

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>まず注目したいのはさくらの表情です。冒頭の通知票を覗き込むシーンをはじ
>め、遊覧船での「かもめさん×3」そしてラストの遠くを見つめる笑顔、どれ
>をとっても生き生きしていてこっちまで思わずはにゃ〜んと…(あ、いかんい
>かん。これを書いてるうちにまたはにゃ〜んとなってきた)。


 パンフにも「影の付け方について、TV版よりも細かい陰影をつける
ことを心がけた」とありましたね。
 さくら以外のキャラクターでも、知世ちゃん、小龍、桃矢と、みんな
表情の演技が豊かでした。

 #雪兎さんについてはあんまり印象が残ってないなあ……(-_-;。
 #飲茶シーンの幸せそうな表情くらいか。

 あ、そうそう、ついでにパンフについてなんですけど、このパンフ、
妙に凝った作りじゃありません?。
 600円と安価で、パッと見も子供向け〜って感じなんですけど、
声優インタビューの量がかなり多かったり、特にスタッフの談話、撮影
監督・色彩設定・音響監督といった、普段あまりピックアップされない
ような方々の部分が充実してるんですよね。
 しかもそれが、全部ひらがなルビつきというこのアンバランスさ……(^^;。

 対象年齢設定が複雑なアニメなんだなあと思わされました……。
 #あるいはもしかして、これは最近のお子様向けアニメに共通した
 #傾向なのでしょうか……?。


>香港の街の描写も素晴らしい。特にバードストリートの存在感は見事です。さ
>すがロケハンしただけのことはありますね。思わず実際に香港に行ってみたく
>なりましたですよ。それにクライマックスでの香港上空決戦は絶対劇場の大画
>面で観て欲しいですね。


 香港の夜景の描写の美しさと、その中を飛び回るさくらの浮揚感は
大画面ならではだったと思います。


>今回のテーマだったという「水」の描写もなかなか。ウテナの逆さ薔薇園もCG
>ならではの迫力がありましたけど、さくらの方はセルなのに立体感を失わず、
>透明感もうまく表現できてたんじゃないかと思います。


 このあたり、「今年の夏映画は『水』対決か!」と思ってしまいました。
 セル表現なのにCGに負けていないというのは全くその通りでして、
質感の面で劣るのを、動きでカバーしていたと思います。

 透明感などの点で気に入ったのは、開いた本から水があふれ出し、
水中に飲み込まれた途端、異界にシフトしている場面。この演出も
すごいのですが、部屋の様相の変化が非常によく描けていたと思い
ます。


>最後に魔導士が消えるところとかも、なかなか。

 あの「涙のように消えていく」表現も、やるなあと思わされました。

 ところでテーマ的な話をちょっと。
 クロウの「水は流れゆくものです」という台詞が何度もリフレイン
されていましたよね。あれって、「水の流れ」は「時の流れ」の隠喩
でもあると、まあ、月並みながら思ってしまったのですが、作中でも
パンフでも、そのことに関してはあまり触れられていませんでしたね。
 そのあたりを感じ取るかどうかはこちら側に委ねられていたって
ことでしょうか。

 普通、こういう作品だと、ちょっとでも説明したくなってしまうもの
だと思うのですけど、そこを敢えてしなかったのかな、と気になり
ました。


>ストーリーについてですけど、最近よくある風呂敷を広げ過ぎて収集がつかな
>くなってしまうようなこともなく、いい意味でTV版の延長線上にあるといった
>感じで僕は素直に楽しめました。

 いかにも大川七瀬好みのラブストーリーでしたね〜。
 TV版とくらべて、ちょっと大きめの話といった感じで観られました。


>ラストはもうちょっとクロウカードを駆使し
>たバトルを観たかったような気もしますが…、さくらの世界観を考えればあれ
>でよかったんですかね。


 この辺もラブラブなストーリーならではってことで。
 カードに関しては、物語冒頭で得たアイテムをラストで使うという、
映画的王道スタイルを踏襲していたわけですし。

 でもこの魔道士の恋情という設定を、ちゃんとさくらちゃんに
シンクロさせている、ラストの船上のシーンはなかなかうまいと
思いました。
 CLAMP作品って時々趣味の世界が空回りするから……。


>あと声といえば魔導士役の林原嬢はこわもてリナって感じでしたが、僕的には
>夜蘭役の井上喜久子さんがヒットでしたね。EDロール見るまで誰だか気づいて
>ませんでしたが、2回目を観て、はまりまくりでした。


 喜久子さんのあれ系の声って、個人的には久しぶりでした。ほんと、
エレクトラ以来くらい。
 

>ついでに敢えて言うなら、「さくら」の後に「CLOVER」をやるのは、ちとどう
>かと思いましたです。せっかくほえほえはっぴぃな気分で劇場を出ようと思っ
>てたところへ、いきなりあの残酷描写ですから…。特にお子様達が心配でした。


 これこれ、すっごく思いました。もうちょっと、『X』のイメージクリップ
みたいに音楽主体のものを予想してたんですけど、あそこまで救いの
ない、しかも残酷描写込みのフィルムを観ちゃうと……。『さくら』の
余韻が台無しです。

 『CLOVER』単体で評価しますと、結城氏の絵は、CLAMPの作品と
相性がいいと思っていたのですけど、正直言って今回はちょっと
ミスマッチだったと思います。
 原作のあの繊細な感じが、大味になっちゃった気がして……。

 『X』のときはさほど違和感なかったのですけどね〜。『CLOVER』は
CLAMP自身も、それまでと違う絵柄で勝負している作品ですし……。

 『CLOVER』、原作が好きなだけに、ちょっと残念でした。


>ってなわけで、これから観る人は先に前の回の「CLOVER」を観てから「さくら」
>を観ることをオススメしますよ。ってここまで読んだ人ならたぶんもう観た後
>だと思いますが(^^;


 絶対、逆に流すべきだと思います。
 #それとも『CLOVER』を観ずに帰れるように、って配慮かな。

 あと、しょうもない突っ込み。
 香港ってそんなに暑いのでしょうか?。

 いえ、「冬休み」って設定の割に、陽光燦々、みんな夏服で元気そう
だな〜、と思ったものですから……。
 失礼しました〜。

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 電気通信大学 電気通信学研究科 情報工学専攻 博士前期課程二年
 計算機応用学講座 阪田・小田研究室所属
          秋山 智律
  E-mail : akiyam-t@shinano.cs.uec.ac.jp