Re: C.C.Sakura The Sealed Card
日文です。
F.,Tomo wrote:
> > 3/25(日)夕刻に70話を放送して終わりですよね。
> 高校野球中継という難敵がいるので、試合展開によっては 3/25の放送は
> 休止になりそうです(かなり確率が高そう)。
……結局4月1日の18:00〜に延期になりましたね。
って、まだその日も高校野球期間中じゃなかったっけ?
さくら最終回、BSでは「肉」のカードで数分延長されてラストを見逃す人が
続出、今度も「汗」のカードで順延とは……
> 「雨」のカードを使ってほしいところですね(笑)。
関東には効いていたみたいなんですが>「雨」のカード。
ということで、妄想を働かせたら際限なくなってしまいました(笑)
知世「きゃあああっっっっっ!!!高校野球のせいで、さくらちゃんの
素敵なお姿のTV放映が延期になってしまいましたわ!」
桜「ちゃんと「雨(RAIN)」さんは使ったんだけど、友枝町には雨が
降ったみたいなのに、甲子園までは効かなかったみたい。やっぱり
私じゃクロウさんみたいに魔力を使いこなせないのかなあ……(涙)」
ケロ「くっそう「雨(RAIN)」め!せっかくわいがタコヤキたっぷり
食べて満タンにした関西パワーをわけてやったっちゅうのに、
関西に雨降らさへんで何の役に立つちゅうんじゃい!」
雨(があ〜ん……)
責任を感じた「雨(RAIN)」は、桜たちの前から姿を消した。
桜たちの懸命の捜索にも関わらず、「雨(RAIN)」のカードを
見つけることはできなかった。
桜「こんな時、小狼くんの羅針盤があれば、私が感じるよりも
ずっと正確に位置を特定できるのに……」
6年の1学期の始業式。5年2組はそのまま6年2組に持ち上がり、
担任はやっぱり寺田先生だった。というわけで実際の季節を鑑みて
70話直後が舞台だ。
教室に入るさくら。
みんな「さくらちゃんおはよう!」
桜「おはよう、知世ちゃん、利佳ちゃん、千春ちゃん、奈緒子ちゃん、
小狼くん、苺鈴ちゃん、エリオルくん……ってちょっと待って。
なんで小狼くんと苺鈴ちゃんとエリオルくんがここにいるの?」
そう、教室の片隅に、小狼、苺鈴、エリオルが佇んでいたのだ。
小狼「李家の占いに、さくらカードの一部が主を離れたって出て、
また日本へ行けって命じられたんだ」
実は「このすきに一枚だけでも主から分捕れ」という指示だったのだが、
それは黙っている小狼であった。
桜「そうそうなの、「雨(RAIN)」がどっかいっちゃったの。羅針盤持って
たら後で貸して。……で、苺鈴ちゃんは?やっぱり小狼くんについてきたの?」
苺鈴「(う……木之本さん、小狼が自分の事好きなの知っててこんなこと
聞くなんて、思ったよりイヤミな性格かも……なんてこと考えてない
わよね、このぽややんな木之本さんだったら)ううん、単なる作者の
趣味よ」
桜「ほえ?」
苺鈴「(知世に耳打ちして)木之本さんって、相変わらずのぽややんみたいね」
知世「(やっぱり小声で)ええ、実はケロちゃんに聞いたんですけど、クロウ
カードをさくらカードに変えるのにはとても大きな魔力が必要らしいんです。
そのせいでさくらちゃんは一回につき1%の知性を失ってしまうんですわ。
ああやって笑顔で隠してはいるものの、今のさくらちゃんには以前の半分の
知性も残ってないんですわ、お可哀相に……」
#単利:-P
苺鈴「まるで快傑の○てんきね。でもぽややんな具合は別段昔と変わっていない
ようだけど、これが『元から間抜けなら三倍間抜けになっても同じ』という奴
なのね」
ドガシュ!バキゲシャ!
瞬間的な、空を裂くような鋭い打撃音。普通の人だとあまりに一瞬すぎて
気がつかない、よほどの武道家でも、それが5撃以上の打撃音だとは気が
つかないような、一瞬の音であった。
苺鈴が、床にドサリと倒れた。
知世「ああ、苺鈴ちゃん!どうなさったんですの!?衛生兵、衛生兵!では
なくって、保健委員さん、苺鈴ちゃんを保健室に連れていってください」
名前はおろか顔すら設定されているとは思えない男子保健委員が、苺鈴を
保健室に連れていった。
普段お嬢様を決め込む知世が、柔道合気道空手剣道古武術骨法少林寺
ムエタイ書道習字算盤ワープロ検定その他合計134段を数える武術の
達人であることを、その場にいる誰も知らなかった。しかし、魔法を使って
動き回るさくらに先回って激しい魔法合戦の中で常にカメラを安定させて
ベストポジションを保った彼女のことを思えば不思議とは言えまい。
桜「苺鈴ちゃん大丈夫かな……?」
知世「きっと香港からの移動があったのでお疲れになったのですわ」
桜「大事ないといいね。……で、エリオルくんは?なんで日本に来たの?」
エリオル「私は、日本でまたまた面白そうなことが起きそうだったから
ですよ、桜さん」
桜「ほえ?」
小狼「なに!?また何かするつもりか!?まさか、さっき苺鈴がいきなり
倒れたのもクロウの仕業……」
と、そこに寺田が入ってくる。
寺田「おはようみんな、席はとりあえず去年と同じ所に座ってくれ」
エリオル「先生、私と李苺鈴さんは同じ席を使ってたんですがどうしましょう。
李さんは保健室に行っってしまわれましたが、かといって席をその間に
取ってしまっては申し訳ありませんし」
寺田「ああそうか、すまんが柊沢は一つ右の席に移ってくれ」
エリオル「はい先生。……あれ、私の席以外にも右にもう一つ机が
ありますけど」
寺田「うん、新学期を迎えるに当たって、またまた転校生が外国から
来ることになった。今度はドイツからだそうだ。校長め、面倒な
ことは全部俺に押し付けやがる。生徒に手を出しているってあらぬ
噂があるもんだから邪魔者扱いしてやがるんだ。それは原作版の
俺で、アニメ版である俺には関係ないのに。くっそう、いっそのこと
本当に生徒に手を出してやろうか」
利佳「先生、心理描写を声に出してます」
そう指摘する利佳の顔は、心なしかほのかな期待を覗かせていた。
寺田「……ゴホン。とにかく、入りなさい犬飼くん」
声「はい先生」
廊下から低い声がしたかと思うと扉が開き入ってきた姿に、6年生に
なったばかりのクラスの面々は赤子に戻ったかのように言葉を失った。
声が大人の声だった、それもある。
背丈がどう見ても大学生くらいある、それも一因かもしれない。
ドイツ軍服のような服を着ている、それも無視はできない。
だが、それよりもなによりも全員を黙らせたのは、入ってきた犬飼くん
なる小学生に見えない男の顔を覆う、赤・黄・黒に塗り分けられた覆面
であった。
寺田「ドイツから転校してきた日系ドイツ人の犬飼黒男くんだ」
犬飼「シュバルツ・ブリーダーと呼んでください」
生徒1「先生、その犬飼くん」
犬飼「シュバルツ」
生徒1「……シュバルツくん、本当に小学六年生なんですか」
寺田「先生が同じ質問を校長先生に聞いたらな、『寺田くん、小学校教師
というのは苦労も多いがこれを失職するとこの不景気な世の中再就職は
難しいぞ』とだけ言われたよ」
生徒1はすごすごと引き下がった。
寺田「あ、君の席は最後列の前に向かって最も右の席だから」
無言で頷き席に向かうシュバルツを、生徒たちは黙って見守っていた。
いや、桜と小狼はひそひそと話をしていた。
小狼「……おい、あれ、覆面はしてるけど……」
桜「……うん、そんなことありえないと思うんだけど、やっぱりあれ、
お兄ちゃんだよどう見ても……ねえ、知世ちゃん……知世ちゃん?」
知世「(うっとりしながら)素敵なファッションセンスですわあ。今度
さくらちゃんのバトルコスチュームを作る時には、あの覆面を取りいれて
みることを検討しなければいけませんわ」
桜「……と、知世ちゃん……」
小学生用の椅子に無理に座るシュバルツを、エリオルは含みがありそうな
笑顔で見ていた。
始業式が終わり、もう下校時刻。
「さようならー」「さよーならー」
声が飛び交う下校口。自然と桜、知世、小狼、苺鈴、エリオルが集まって
いた。苺鈴はおでこに大きなバンソウコウを貼っていた。
桜「苺鈴ちゃん、大丈夫?」
苺鈴「だいじょぶじょぶ、突然目眩がして倒れちゃっただけだから……」
知世「おうちまでお送りしましょうか?」
苺鈴「小狼がいるから大丈夫よ」
知世「(小声で)駄目ですよ苺鈴ちゃん、これから毎日さくらちゃんと
李くんをできるだけ二人っきりにする計画じゃないですか」
苺鈴「あっそうか、『桜小狼ラブラブ段階進行計画』ね、すっかり忘れてた!」
桜「え?私と小狼くんがどうしたって?」
慌てて口をつぐむ苺鈴だったが、すでに遅かった。だが、桜は全く
気にしてないようだった。どうやら知性を52%失ったのは本当の
ようだった。
と、後ろからシュバルツが現れた。
シュバルツ「おー、みんなお揃いだな」
振り返った苺鈴、ギョッとなる。ドイツ軍服コートに三色覆面の大男が立っていた。
しかも、コートの下に支給されたばっかの特別誂えの友枝小学校男子制服を着て
いた。もちろん半ズボンである。脛毛丸見えである。
苺鈴「ななななな何よこのドイツ仮面は!?」
桜「犬飼黒男くん」
シュバルツ「シュバルツ・ブリーダー」
桜「……くん。転校生だって」
苺鈴「……木之本さん、あなたって周囲に変わった人を引き付ける魔力も
持ってるんじゃない?」
シュバルツ「なんか随分と失礼なことを言ってるようだけど……まあ
いいや。俺、ここらへん詳しくないんだけど、うちはこの住所なんだ、
どのへんかわかるか?」
桜、シュバルツの出したメモを覗きこむ。
桜「あ、これならうちの近くだよ。一緒に帰ろう」
シュバルツ「おお、悪りぃな」
桜「ね、これから犬飼くんのこと、シュバルツくんって呼んでいい?」
シュバルツ「許可どころか、そう呼べって言ってるんだけど。俺もおまえの
こと、怪獣って呼んでいいか?」
桜「なぜ」
道を歩く桜、知世、小狼、苺鈴、エリオル、シュバルツ。
桜「あれ?エリオルくんのお屋敷はこっちじゃなかったよね?」
エリオル「ああ、クロウが住んでたあの家は売り払ってしまいました。
今は李くんが住んでるマンションの一室を借りてます。あれはマンション
全体が李家のものなので」
桜「そうなんだ……」
と、いきなり草叢から影が飛び出し、シュバルツに抱き着く。
奈久留「と・お・や・く〜ん!!会いたかったよ〜!!……あれ?」
奈久留が抱き着いたコートの下には丸太が。
苺鈴「か、変わり身の術!?」
と、シュバルツの声が響く。
シュバルツ「フハハハハハ!ドイツ忍法はこんなものではないぞ。
また会おう!」
奈久留「あ〜ん、桃矢くんってば照れ屋さんなんだから〜」
桜「シュバルツくん、ちゃんと帰れたのかなあ?」
奈久留の言動の意味にも気がつかない桜であった。
エリオル「ルビー……ここで何をやってるんですか」
奈久留「だってえ、桃矢くんも月城くんも大学に進んじゃったけど、
大学の学籍まで偽造してないからヒマだったんだもん。だから
桜ちゃんをおもちゃにしようと思って。元気してた?桜ちゃん」
桜「は、はい。奈久留お姉さんもお元気そうですね」
奈久留「そうなの一度はイギリスにエリオルとスッピー連れて帰ったの。
久しぶりのイギリスだーって嬉しかったんだけどねー、でもよく考えた
らあっちの食事ってまずいのよー。エリオルが家にいると作ってくれる
んだけどねー、毎食ってわけにはいかないし、でも私は面倒だしスッピー
が作ってくれるわけないし、だから外食するんだけど、日本の味付けに
なれちゃったから電車に乗って日本食を食べに毎度毎度行ってたら、
突然エリオルが怒りだしちゃってね、で私も言ってやったのよ……」
奈久留のマシンガントークから桜が解放されたのは、夕方、小雨が
降り出したころだった。
夕刻から降り出した雨は、友枝町に猛烈な集中豪雨となって襲い掛かった。
誰も外出できないような豪雨の中、いくつかの影が走っていた。
小狼「間違いない、羅針盤はこっちを指してる!」
ケルベロス「わいにもわかるで。「雨(RAIN)」のさくらカードの気配や、
ビンビンしよるぜ」
月「しかし、この気配は変だ。どうやら主以外の者の支配を受けて
しまっているようだ」
苺鈴「ねえ、さっきから気になっているんだけど、この羽根が生えてる
変な人、誰?」
桜「そっか、苺鈴ちゃんは会ったことないんだよね。カードの審判者の
月さんだよ」
知世「クロウカードを全てさくらカードに変えてしまい、当分カード
キャプターさくらちゃんの出番を撮影できるチャンスはないと思って
いたのにこんなに早くまた撮影できるなんて、幸せ絶頂ですわ〜」
彼らが魔力のもっともつよい場所――ペンギン公園につくと、
そこに3つの影があった。
エリオル、ルビー・ムーン、スピネル・サンだ。
桜「エ、エリオルくん!?」
ケルベロス「なんや、またクロウの仕業やったんかいな人騒がせな」
エリオル「いいえ、私たちも今魔力を感じてやってきたんです」
と、彼らの目の前に現れたのは……
桜「シュバルツくん!」
シュバルツ「フハハハハ、ここを探し当てるのにこんなに時間がかかる
とは、日本のカードキャプターとやらも未熟者だな。おかげでこの
通り、「雨」のカードはすでに俺のものだ」
桜「えっ!?」
驚く桜の目の前に、「雨(RAIN)」の精霊が現れた。が、シュバルツ同様の
覆面をしていた。
レイン「今の私はドイツのカード……」
#ええそうです、今までのはすべてこの一言のための前振りです。
#っていうか雨=レイン・ミカムラネタは前にも使っただろ>日文
シュバルツ「カードに戻れ、「雨」!」
シュバルツの言葉に、「雨」の精霊は、カードに戻った。そのカードは
赤・黄・黒に塗りたくられ、一番下には……
「TOYA(II)」のサインが。
桜「とやいいって何?」
さあ、桃矢2ことシュバルツはやっぱり桃矢のクローンなのか?
エリオルは本当に黒幕でないのか?教室での彼の笑顔は、単に
面白がっていただけなのか?シュバルツの課した修行で、錆びた
「剣(SWORD)」でさくらは「木(WOOD)」を切らねばならない
のか?知世の作ったコスチュームは金色に光るのか?格闘ものを
元ネタにしたのは苺鈴を活躍させるための策略か?寺田は本当に
利佳に手を出すのか?桜の知性は取り戻せるのか?
続かない。
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