3日目その2 [半田〜小坂峠]

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走行日: 2009年8月3日(月)

[地図: 桑折〜小坂峠] [地図: 小坂峠]

いよいよ羽州街道への第一歩を踏み出します。街道巡りの旅となれば, 極力宿場町を観光して行きたいですね。まずは一の宿・小坂。その次は二の宿・上戸沢……ですが, その前に早速難所が待ち構えています。

写真コメント
[写真: 東北本線築堤]
(07:53)

藩政期の面影を現代に伝える羽州街道ですが, 道はすぐに東北本線・東北新幹線によって断ち切られてしまいます。この向こうにちゃんと繋がっているのですが……仕方が無いからちょっと迂回。

[写真: 溝渠]
(07:55)

少し北へ回ったところにあるこの溝渠で鉄道を潜ります。

[写真: 距離標識 小坂峠7.5km]
(07:59)

旧羽州街道の序盤は, 福島県道353号国見福島線となっています。ヘキサに番号でなく路線名を書くのって, 福島県の流儀なんでしょうか? 尤も, ここで重要なのはヘキサの下にある「小坂峠 7.5km」ですが。本当にすぐそこって感じです。まだ勾配は大したこと無いけど……

[写真: 佐久間橋]
(08:01)

半田の集落内で, 佐久間川を渡ります。かつての集落境だったんじゃないかな, 渡ってすぐに町が切れるし。

[写真: 益子神社]
(08:07)

北半田集落の中にある益子神社。この付近, 集落内にも関わらず, 唐突に傾斜が急でした。

[写真: 国見町]
(08:09)

普蔵川を渡ると, 福島県最後の自治体・伊達郡国見町となります。泉田集落です。ここから少し降り坂となります。……にしても, ますます雲が低くなってきたような。いやこちらが高い所に来ているのかな?

[写真: 距離標識 下戸沢9km]
(08:12)

下戸沢, というのは小坂峠を越えてから2つ目の宿場。上戸沢宿が現在小規模集落であるため, 国道との合流点でもある下戸沢がランドマークとして選ばれたんでしょうね。ところで, この距離標識の奥に, 先行きを考えさせる標識が建ってますが。

[写真: 小坂宿]
(08:14)

羽州街道第1の宿場, 小坂宿に到着しました。ここからは宮城県道・福島県道46号白石国見線となります。つまり主要地方道なのですが……さっきより道幅, 細いですよね(^^;;; 恐らく舗装されただけで拡幅・線形改良はほとんどされていない, 藩政期のままの道なんじゃないかな。

[写真: 伊達成宗墓所入口]
(08:16)

宿場の途中に, 伊達家12代成宗墓所入口の看板がありました。戦国前の人物は9代大膳大夫政宗くらいしか知らないのでぴんと来ませんけど。14代稙宗から17代藤次郎政宗までを認識しています。

[写真: 松蔵寺]
(08:18)

松蔵寺。ここを右折して少しで小坂の集落は終わり, 道は小坂峠へ向かって滝川の谷を登っていきます。

[写真: 萬蔵稲荷神社 小坂側大鳥居]
(08:41)

……ちょ, ちょっと待って……。陣馬街道の和田峠級に辛い登り坂なんですけど!? 荷物が重いという事も要因の一つでしょうが, とても走り続けられません。『宝船』なる釣り堀の廃虚で, 8:23から8:36まで休憩です。山の中に入って雲が近付いたためか, 気温は低いけど湿度が高くて汗が退かないんです。アームカバーとサングラスをここで外しました。これまた, 外してもなかなか乾かないですね……。

写真は再出発直後に通った, 萬蔵稲荷神社の大鳥居です。神社自体は峠の反対側にあります。

[写真: 中の茶屋跡 1]
(08:43)

鳥居を潜ったすぐ先で, ここまでほぼまっすぐだった道がヘアピンカーブします。ここが峠道の中間点, 中の茶屋跡です。

[写真: 中の茶屋跡 2]
(08:43)
[写真: 中の茶屋跡 3]
(08:44)
[写真: 産坂入口 1]
(08:44)

中の茶屋跡は, 道中の休憩所・平場であると同時に, 新旧道の分岐点でもあります。この先は3代の道が存在するのです。旧街道(産坂), 幕末に拓かれた車道(慶応新道), そして現代の県道。慶応新道は既に車両が通れる状態ではないらしいので, 私は選択の余地無く県道を行かざるを得ないのですが, ちょっとだけ旧道を観光してみましょう。なお, 写真は産坂の入口で, 慶応新道は産坂(というレベルの坂道になるより手前)を少し登ってから分岐するそうです。

[写真: 杖]
(07:49)

まず, 『杖の利用を勧めます』っていうのが凄いですね。『産坂』の名の由来は, お産の苦しみにも匹敵する難所だからだそうですが, それは観光地化した現代に於いても変わっていないんでしょう。

[写真: 羽州街道・小坂峠観光案内板]
(08:49)

産坂入口の階段を登ると, 解りやすい観光案内があります。足元は玉砂利で, 自転車ではとても進めないでしょうが, 歩くには良いでしょう……あくまでも, 入口だけ。奥に続く産坂は, 鬱蒼と茂る森の中へと消えて行きます。

[写真: 産坂]
(08:49)
[写真: 中の茶屋跡ヘアピン]
(08:50)

観光案内のあるところから, 県道のヘアピンを俯瞰すると, こんな感じです。見事に180度ですな。この後も6〜8回ほど道が折り畳まれます。

[写真: 藤田]
(08:56)

谷の詰まりにある中の茶屋跡から車道を折り返し, 尾根に出たところで視界が開けました。地図から判断するに, 東北新幹線高架の背後に見えるのは, 国見町の中心地・藤田だと思います(藤田駅あり)。中央に見える大きな建物は, 公立藤田総合病院のようですね。

[写真: 作業小屋?]
(09:05)

5つ目のヘアピンの脇に, 地形図にも記載がある建物が建っていました(写真は振り返り撮影)。人の気配があるかどうかは微妙なところですが……木材加工の作業小屋, というか彫刻家あたりが隠棲していそうな感じです。

[写真: くものなかにいる 1]
(09:08)

その『5つ目のヘアピン』(標高370m前後)を過ぎたところから, とうとう雲の中に入ってしまいました。ぐっしょり濡れたりはしませんけど, 湿度の高さは限界に近いです。これで気温が高かったら即死モンですよ。R4バイパスに居た時点で19度でしたから, 今は時間経過と高度上昇とを合わせて, やっぱり20度前後かと思います。

[写真: くものなかにいる 2]
(09:16)

更に高度が上昇し, 雲は濃くなり, 視程までもがガタ落ちしてきました。視界は開けた筈なのに何も見えやしない, 観光の面では最低の状況です。タイミング, 悪かったですね。

[写真: 小坂峠]
(09:17)

ここまでずっと登って来た道が, 大きく降り始めました。しかし小坂峠は福島県と宮城県の県境なので, 峠に来たのなら何がしかの標識が出ている筈……

[写真: 宮城県白石市]
(09:19)

降り始めてすぐのところに県境標識がありました。宮城県白石市に突入です。つまり, 今の鞍部が小坂峠で間違いなかったんですね。小坂峠, 標高441mでした。

[写真: 萬蔵楽荘]
(09:20)

小坂峠の茶屋, 萬蔵楽荘です。まだ朝ですが営業中。

[写真: 小坂峠旧道解説板]
(09:26)

ここに中の茶屋跡で分岐した道が登って来ていました。確認はしていませんが, 産坂でも慶応新道でもある筈です。……ここから信夫平野が一望できる筈なんですけど, 御覧の有り様だよ。

[写真: 小坂峠産坂降り口]
(09:26)
[写真: 紫陽花 1]
(09:26)

紫陽花が綺麗に咲き揃っていました。9:30再出発。

ここまでの走行記録……走行時間: 1.11.01, 走行距離: 13.99km, 平均速度: 11.8km/h, 最高速度: 34.0km/h(泉田), 総走行距離: 5,928.6km。

[写真: 紫陽花 2]
(09:27)
[写真: 紫陽花 3]
(09:27)
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水野夢絵 <mwe@ccsf.jp>
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