7回裏[2]
◆19:48 7回裏 プロミストアイランドの攻撃(?)
〔これまでのお話〕 第2次スーパーロボット大戦 シナリオ1
「地場衛の野望」 (大嘘)
> チーーーーム・マモルガンダム! ヴァーサス!
> チーーーーム・ヤマダガンダム!
> バトルモード1123! レディーーー、ファイッ!」
>
> かーーーーーーん!
美奈子「うわわぁ! ジャッジマンの承認が出ちゃったよ!」
まこと「やばい! とっとと逃げよ、とっとと!」
ちびう「え、え、でも7回裏はどうなるの?」
レイ 「そんなもん、勝った方がポイント稼いで賞金貰うに決まっ
てるでしょ! モード1123の無制限バトルだからポイ
ントがっぽり賞金ウハウハよぉ!」
亜美 「レイちゃん・・・何故そんなに詳しいの?」(^^;)
とるもとりあえず、皆で手分けして気絶中の仲間を引っ担いで
こちらも3塁側ベンチから逃げ出すセーラーチーム。必然的に球場
は、2台のガンダムのみが睨み合う砂塵渦巻く荒野となる。
兄ちゃ「・・・・・そんなバカな。」
あ、訂正。1塁側ベンチに残されている者、約1名。
ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
唐突にRX-78-2ガンダムが額脇のバルカンを連射し、姿勢を低くし
た。狭い球場ではビームライフルは返って邪魔だ、と判断したパイ
ロットが右手のライフルを投げ捨て返す手で背中のサーベルを抜く。
山田 「けっ! この俺に剣で勝とうってか! 鉄砕牙ぁ!」
それを見て取ったGF13-011NCドラゴンガンダムが、何時の間にか
右手に持っていたボロボロの赤鏥刀を振った。瞬間、白く輝く巨大
な、まるで大妖怪の牙で作った様な刃へと変化した刀で、襲い掛か
るRX-78-2ガンダムのビームサーベルを受け止める。
がきぃぃいいん!
ビームが打ち合わされている筈なのに何故金属音?と疑う間もな
く、ドラゴンガンダムが相手のサーベルを打ち払いながらくるりと
姿勢を回し、そのままRX-78-2ガンダムの胴体を蹴り上げた。
山田 「見たか! 早乙女流拳法をナメんじゃねぇ!」
が、その蹴りは碌に効かなかった様だ。何時の間にか上半身をグ
レーのチョバムアーマーで覆われているゴツい印象に変わったガン
ダムが、その蹴りを物ともせずに両腕に仕込まれたバルカンをドラ
ゴンガンダムに向け、殆ど接射で乱射する。
美奈子「そんな! ガンダムが変わる!」
レイ 「これはRX-78NT1ガンダムアレックス!進化している!?」
亜美 「い、いくらなんでもロボットが!?」
レイ 「いえ、でも・・・まさか!DG細胞に侵されているの!?」
ベンチ裏で出会ったシスプリチームごと自分たちの抱える仲間た
ちを4回裏に島を吹き飛ばしたときに利用した沖合いのクルーザーへ
セーラーテレポートで避難させた内惑星系4戦士は、流石に試合の
行方が気になり再び球場上空へやってきていた。そのまま上空で滞
空しながら、巨大ロボットが轟音と金属騒音を蹴立ててぶつかり合
う様相を見守る。当然、既に野球でも何でもない事を気にしている
者なぞ居ない。と言うか勝敗の決着さえつけば何でもアリか(^^;)。
ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
RX-78NT1ガンダムアレックスの両手バルカンが至近距離でドラゴ
ンガンダムの上半身に叩き込まれる。これをクロスアームブロック
でかわしたドラゴンガンダムが、今度は掌から光の球を打ち出して
重装甲ごと空中へ打ち上げてしまう。
山田 「このノインに無粋な銃弾なぞ食らわせるとは無礼な!」
打ち上げられたガンダムは当然バラバラ…いや、元々装甲は外部
を覆うだけだから、これを爆発ボルトで強制的に排除している。中
から現れたのは見た目にもスマートな、矢張りトリコロールカラー
のガンダム。但し背中には巨大なマルチアングルのブースターポッ
ドが生えている。自在にブースターを稼動させ、空中で姿勢を捻る。
美奈子「えーとー、レイちゃん、今度は?」
レイ 「RX-78GP01FbガンダムGP01フルバーニアンよぉ! さすがに
球場の様に狭い所では核攻撃は出来ないし、デンドロビウム
の零距離射撃も難しいと判断したのね!」
まこと「はいはい」(^^;)
月面上ながら高機動型モビルアーマーのヴァルヴァロでさえ翻弄
したRX-78GP01FbガンダムGP01フルバーニアンが空中を跳ね回りなが
らドラゴンガンダムに襲い掛かった。流石に頭を押さえられては、
もう屈するしかないか?と思われた、その時。
ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
上空から襲い掛かるRX-78GP01FbガンダムGP01フルバーニアンより
上空から、逆落としでバルカンの連射を喰らわせる機体が登場した。
きらり、と光るシルエットからすれば現用戦闘機、それもF14トム
キャットにしか見えない機体が垂直降下してくる。機体背面に大型
のポッド、それも片方がミサイルポッドで片方が2連の大型ビーム
砲塔を背負った機体がRX-78GP01FbガンダムGP01フルバーニアンに
上空から急降下して、激突・・・か!?
美奈子「きゃー!」
レイ 「心配要らないわ!ほら!」
なんと激突寸前、その戦闘機は一瞬でロボットに変形し、そのま
まRX-78GP01FbガンダムGP01フルバーニアンに組み付いた。たまらず
姿勢を崩す両機体。轟音の金属衝突音が響く。
まこと「な(に)!」
レイ 「ストライクバルキリー!機体カラーは一条ヒカル機ね!」
亜美 「だからレイちゃん・・・なんでそんなに詳しいの?」(^^;)
身を捩ってバトロイド形態のバルキリーを振り落とそうとする
RX-78GP01FbガンダムGP01フルバーニアン。が、そのために目の前の
ドラゴンガンダムへの注意が疎かになった。そこへ!
山田 「航!離れろ!顔面セーブしたいか!?」
兄ちゃんが操るバルキリーがGP01Fbに振り落とされる様に離れ、
山田 「ヒノキが居ないから出力半分だけどな!
喰らえ! シナプス、弾撃!」
ドラゴンガンダムが握り締める両拳が光り、上空のフルバーニア
ンに突き刺さる。上がる爆煙で機体が包まれ、消える。元々装甲の
薄いフルバーニアンだからひとたまりもない・・・と思われたが、
爆煙から突然、まるで機体全体が翼の様な、大型のウェーブライダー
機が飛び出す。出力に任せてバルキリーの追撃を振り切り、今度は
その機体が上空から地上のドラゴンガンダムへ逆落としの攻撃を掛
ける。激突する!と思われた瞬間に矢張りこの機体もロボット、い
やガンダムに変形し、勢いを殺さずドラゴンガンダムへ組討を掛け
る。たまらず地上を転がる両機体。
美奈子「今度は何ー!」
レイ 「MSZ-006Zガンダム!そんな!ならばRX-178ガンダムMk-II
は使わないと言うの!折角のお父さんの機体なのに!」
亜美 「だからレイちゃん、本当なんでそんなに詳しいの?」(^^;)
が、今度ばかりはZガンダムの方に分が無かった。元々高精度の
変形かつ飛翔能力まで求められたMSZ-006Zガンダムは、この様な
泥臭い格闘戦には向いていない。たちまちドラゴンガンダムの打撃
の餌食になるMSZ-006Zガンダム。
山田 「ウソップハンマー!ウソップハンマー!ウソップハンマー!」
流石のPMX-003ジ・オとぶつかった時でもこうは酷くなかったろう、
と思われるほどにMSZ-006Zガンダムがボロボロになってゆく。さぁ
とどめ!と思われた時、またガンダムが猛烈な爆煙を上げた。
美奈子「で、レイちゃん。今度は何になるの?」
レイ 「判らないわよ、MSZ-006Zガンダムは開発系譜が多岐に分か
れちゃうから。でも結局はRGZ-91リ・ガズィかなぁ?」
亜美 「だからレイちゃん、どうしてそんなに詳しいのよ?」(^^;)
と、爆煙がいきなり膨れ上がり、その中からひときわ大型らしい
モビルスーツの両腕がドラゴンガンダムへ伸びた。どうやら元々超
大型の機体へ諸々に武装を貼り付けているらしい、ファッティと呼
ぶには語弊があり過ぎる重装甲重武装大型モビルスーツらしいシル
エットが浮かび上がる。そのシルエットの頭に6本のアンテナを見
た瞬間、レイが悲鳴を上げた。
レイ 「きゃーっMSZ-010ZZガンダム! しかもフルアーマー!」
美奈子「ど、どどどうしたのレイちゃん!」
レイ 「逃げなくっちゃ! 波動砲3発は喰らいたくないでしょ!」
何を言っているか判らないもののそれは一大事、と滞空するセー
ラーチームが球場から大きく距離をとった瞬間、FA-010B フルアー
マーZZガンダムは額・胸・腰に装着されたメガ粒子砲を、組み付い
たドラゴンガンダムを目の前に掲げたまま、殆ど零距離で斉射した。
山田 「ふっ! 彼の様な粗雑な攻撃で、このアルスラーンが仕留
められると思うてか!」
殆ど島半分を吹き飛ばすほどの閃光の中に、ドラゴンガンダムか
ら発信されたと思われる声が消えてゆく。漸く収まった閃光と爆煙
を見れば、きっちり球場から向こうを真平らの焼け野原にしたFA-010B
フルアーマーZZガンダムが全身から重武装を除装してゆくのが見え
る。さしもの多芸多才なドラゴンガンダムも光に消えたか、と思わ
れた瞬間。薄れ行く爆煙を蹴散らして、再びチャイナ風ガンダムが
姿を現した。勢いを殺さずZZガンダムに襲いかかる。
山田 「ロボはそんな攻撃なんかへっちゃらさ!いけ!ロボ!!」
別に「ま"!」とは叫ばなかったが、島の半分を吹き飛ばすほどの
攻撃にきっちり耐えた上、今度は此方もXXXG-01Sシェンロンガンダム
に進化して再度FA-010BフルアーマーZZガンダムに襲い掛かる。どう
やら同じ中国系のよしみで、世紀を越えて借りてきたらしい(謎)。
美奈子「なんで衛さんのおっきいガンダムは動かないの!?」
レイ 「メガ粒子砲の反動よ。発射直後は機体さえ動かせないほど
に消耗してしまうの。だからフルアーマーにしてあったの
に、衛さんったら斉射なんかするもんだから・・・」
亜美 「だからレイちゃん、どこからそんな知識を得てくるの?」(^^;)
そしてXXXG-01Sシェンロンガンダムが持つ反則ギミックの数々に
切り刻まれるMSZ-010ZZガンダム。
山田 「この東国丸健多朗!女生徒を苛む悪人へは容赦しない!」
さぁ今度こそ!と思われた瞬間。MSZ-010ZZガンダムの肩にある
反応炉が突然水蒸気爆発を起こした。また煙に包まれるガンダム。
また航空機状態の影が直ぐに煙の中から飛び出したが、今度はその
まま上空へ飛ばず、距離をとった所で変形しガンダムに戻る。機体
全体を包んでいたシェルが、まるで鳥の翼のようにガンダムの周り
へ広がる。その美しさに思わずほぅと溜息をつくセーラーチーム。
亜美 「綺麗・・・。」
美奈子「素敵・・・ねぇレイちゃん、これは?」
レイ 「XXXG-00W0ウイングガンダムゼロ。どうやら衛さんは全ての
シリーズを肯定した様ね。」
まこと「・・・何の事だよ?」(^^;)
そのまま両脇に抱える長大なビームライフルを目の前で打ち合わ
せ、2銃身の超大型ビームライフルにして構えるXXXG-00W0ウイング
ガンダムゼロ。XXXG-01Sシェンロンガンダムのギミックが狙うもの
の、矢張りTVシリーズの前半の機体と後半の機体ではポテンシャ
ルが違う。オマケにゼロには「あの」ゼロシステムがある。悠々と
襲い来る攻撃をかわしながら、次第に凶暴性を滲ませてくるXXXG-00W0
ウイングガンダムゼロ。みれば十分に距離をとり、XXXG-01Sシェン
ロンガンダムどころか球場全体、いや残った島半分すらを標的に収
めようとしている。だが。
山田 「けっ! そんなチンケな鉄砲が、このZENKI様に通用
するかよ! 喰らえっヴァジュラーーーー!」
なんと励起状態の砲口へ真っ直ぐ突っ込むシェンロンガンダム。
当然、ウイングゼロは躊躇無く撃った。また閃光の中に消える2機、
そしてプロミストアイランド。思わず目を瞑ってしまったセーラー
チームが再び恐る恐る目を開けた時・・・
水野夢絵 <mwe@ccsf.homeunix.org>
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