カードキャプターさくら さくらカード編妄想
C.C. SAKURA OriginalStory#12(最終回)

藤森@諏訪です。

再々放送クライマックス記念(?)、カードキャプターさくらの番外編小説です。
お好きな方のみお読み下さい。

#これで完全にネタ切れなので、一応最終回としました。
#1クール分(13話)には足りなかったかな・・・
#まあ、最近は1クール11話とか12話で終わらせるアニメもあるからいいか。(^^;
#元々、テレビアニメ「カードキャプターさくら」そのものが
#全70話という13じゃ割り切れない話数なんだし。
#(・・・それもあって放送がNHKだったのかも。)

前回のお話(#11『さくらと鏡と凸レンズ』)でアニメでは詳しく
描写されなかった4枚のクロウカードのさくらカード化エピソードを
お送りしましたが、そこでも残ってしまった最後のカード、
ツイン(双)のさくらカード化エピソードを妄想してみました。

なお、これまでの長編妄想や各カードがいつどんなタイミングでさくらカード化
されたかの詳細は、水野さんのホームページ「CCSF - Collected Creations,
 Selected Features」(旧カードキャプターさくらF)を参照して下さい。
http://ccsf.homeunix.org/

このページによるとさくらカード化エピソードがテレビで放送されなかったのは
鏡,移,創,抜,矢,双,地の7枚で、移と創に関してはDVD後期全巻購入特典
「知世のカードキャプターさくら活躍ビデオ日記2」に少し出ているそうです。

なお、本妄想の設定としては、第64話「さくらと吹雪のスキー教室」(1/18放送)
と第65話「さくらと雪兎と消えゆく力」(2/15放送)の間を想定しており、
この時期の話題といえばもちろん2/14バレンタインデー。(^^;

長編妄想と言っても、何も事件が起こらない前回のおまけエピソード
『さくらと知世のクリスマス』の続きみたいなもので、短いんですが。
とある人物に「ソフト絵炉同人小説以外の何モノでもない」と評された
前回のお話よりはエロくない・・・かな?

それでは・・・レリーズ!(封印解除)
風翔影水樹雨跳幻静雷剣花盾時力霧嵐浮消灯移闘輪眠歌小
鏡迷戻撃甘駆大創替凍火泡波抜矢秤雪声錠雲夢砂闇光双地+希望(無)


アニメ版妄想小説No.12『さくらの着せ替え撮影会』


★木之本家 さくらちゃんの部屋 夜 「もうすぐバテレンタイン?」

もうすぐバレンタインデーの土曜日。
パジャマ姿でベッドの上に寝転び、何やら悩んでいるさくらちゃん。
隣では、知世ちゃんのお母さん(おもちゃ会社社長)からさくらちゃんが
クリスマスプレゼントにもらったゲームに熱中しているケロちゃんの姿があります。

「う〜ん・・・」
「おらおらおらおらおら〜っ!これでどやっ!!」

今日、お買い物ついでにさくらちゃんが覗いたお菓子屋さんの店先には
チョコレートが山ほど並んでいて、バレンタイン商戦真っ只中だったので
さくらちゃんも雪兎さんにチョコを贈ろうか迷っているのでした。

しかし、去年のクリスマスの時には、お財布を贈った藤隆お父さんを始め、
雪兎さん、知世ちゃん、小狼君他10人近くにプレゼントしているので、
さくらちゃんにはもうあまりおこづかいがありません。
(カードさん達へのプレゼントは感謝の気持ちを込めて
 弾いたピアノ曲で安上がりだったのですけど。)

一応お年玉はまだ少し残っているものの、くまさんのぬいぐるみを贈る
のはともかく、バレンタインデーに雪兎さんへチョコレートを贈ったら
「好きです」と告白してしまったのも同然ですので、さすがにためらっています。

でも、さくらちゃん自身ホワイトデーでもないのに雪兎さんから時々キャンデーを
もらっちゃっていますから、気にする必要はないのかもしれません。

「雪兎さん・・・チョコレート、どうしようかな・・・」
「なんや?バテレンタインとかいうチョコ贈る日のことかいな。」
「バレンタインだよ。」

「チョコレート」と聞いてゲームをやりながら聞き耳を立てるケロちゃん。
ケロちゃんはゲームばかりではなくさくらちゃんが買った少女漫画も
読んでいますから、名前を間違えてはいても「バレンタインデー」が好きな
男の人にチョコレートを贈る日だということくらいは知っているのでした。

「今時、義理チョコくらい当たり前や!
 恥ずかしがっとらんと、ドーンと贈ったれ。」
「・・・う、うん・・・」
「んで、当然わいにも義理チョコを・・・」

ゲームパッドを放り出し、両手を擦り合わせ、
頬を赤らめてさくらちゃんに擦り寄るケロちゃん。
屋内プールにまでついていってさくらちゃんのクリームソーダを
横取りしたこともあるだけに、お願いする時はあくまで低姿勢です。

「んもう、ケロちゃんってば。」
「さ・く・ら・様ぁ〜っ。」
「・・・そう言えば、ケロちゃんって、男の子だったの?」
「んな!?え〜と・・・どうなんやろ?考えたこともなかったわ。」
(「不思議の国のアリス」の本の中では、「女王様」って言ってたけど・・・)
「チョコもらえるんなら男の子でええで!」
「じゃ、今度からお風呂は一人で入ってね。」
「え〜っ!んな殺生なあ!!」
「うそうそ。ちゃんとチョコレートもあげるってば。」

まくらを抱えてそっぽを向いたさくらちゃんは片目だけ開けて、うろたえている
ケロちゃんの方を横目でチラリと見やり、すぐ冗談だと訂正するのでした。

声の高さもあるでしょうけど、この仮の姿の時のケロちゃんはどちらかと言えば
女の子っぽくて、真の姿の時は男の人っぽいなとさくらちゃんは思います。

いずれにしろ、ケロちゃんのことを「ペットの小動物」に
近い感覚で捉えているさくらちゃんは、一緒にお風呂に
入っていても別段恥ずかしくなどなかったのですが。

「どんなチョコレートにしようかなぁ・・・やっぱり、手作りがいいかな・・・」
「まあ、ゆきうさぎに贈るんなら、とにかくでかいんがええやろな。」
「おっきいのって・・・作るの難しいんじゃ・・・?」
「そう言えば、クリスマスん時にもろたあのでかいケーキ、
 知世の手作りなんやて。」
「へーっ。知世ちゃん、すごいね。」
「ゆきうさぎにチョコ贈るんなら、知世にチョコケーキの
 作り方を教わったらどや?そん方がゆきうさぎも喜ぶやろ。」
「・・・う、うん、そうだね。」

もちろん、ケロちゃんは自分にもおすそ分けがあるものと思って
ケーキ作りを勧めているのですけど、知世ちゃんに教えてもらえば
手作りチョコすら初めての自分でも立派なチョコレートケーキが
作れそうだったので、さくらちゃんも賛成するのでした。

もっとも、あんまり凄いチョコケーキになってしまうと、どこからどう見ても
「本命チョコ」としか見えなくなってしまいそうで、恥ずかしいのですが。

「今年のバレンタインデーは月曜日だから・・・チョコレートケーキを作るなら
 明日の日曜日が最後のチャンスかあ・・・知世ちゃん、まだ起きてるかな?」

さっそく知世ちゃんからもらったPHSで電話してみるさくらちゃん。
さくらちゃんのバトルコスチューム製作で夜更かしすることが多い
知世ちゃんなら、まだ起きているでしょう。

『また事件ですの?!』
「ほえ〜っ!!」

たったワンコールで電話に出るなり、最近起こる変な事件がまるで
楽しいことのように嬉々とした声で知世ちゃんは応答してきます。

もちろん、さくらちゃんからの電話が嬉しいというのももちろんありますが、
事件でカードキャプターさくらちゃんの出動となると、バトルコスチュームを
着たさくらちゃんのりりしくかわいいお姿をたっぷり撮影できますから。

『さ、さくらちゃん?さくらちゃん、どうなされましたか?!』
「あ、えと、ち、違うの。ちょっと相談したいことがあって・・・」
『まあ、そうだったんですか。』
「あのね・・・」

少しがっかりした風な知世ちゃんにいきさつを話し、
チョコレートケーキの製作指導をお願いしてみるさくらちゃん。
とたんに知世ちゃんの声は元気を取り戻し、さくらちゃんのお願いを快く引き
受けてくれ、明日の朝から一緒にチョコケーキを作ることになるのでした。

『材料もわたくしが全部用意いたしますわ!』
「えっ?材料はもちろん私が用意するよ。何を持って行けばいい?」
『いえ、わたくしからもさくらちゃんにお願いがあるのです・・・』
「ほえ?」
『・・・ひそひそ・・・』
「うん、うん・・・うん、それじゃあ、明日ね。おやすみなさい。」
『おやすみなさいませ、さくらちゃん。』

知世ちゃんから変なお願いをされて少し不安になったさくらちゃんは、電話を
切るとケロちゃんに向かって知世ちゃんからお願いされたことを話してみます。

「・・・知世ちゃん、ケーキ材料じゃなくてカードと
 封印の鍵を忘れずに持って来るようにって・・・」
「なんや?ひょっとして、スイートつこて材料作ったりするんやろか?」
「あ、スイートね。それくらいなら、まあ・・・」

ミニスカートのサンタ服を着せられて、プレゼントの山を載せたそりに
乗って帰るはめになった去年のクリスマスの時のこともあるので、
なんだかいやな予感がするさくらちゃんですが、最近大食いがエスカレート
している雪兎さんが満足しそうなほど大きなチョコレートとなると、
材料代だけでもさくらちゃんのおこづかいでは及びもつきません。

それに、元々いつ何が起こっても大丈夫なように封印の鍵もカードも
プールに行く時にすら持って行ったのですから、いまさら念を押され
なくても持って行きますし、スイートなら去年ダッシュと一緒にさくら
カードに変えていますからいつでも使えるのですけど。

「カード使うんなら、カードの守護獣たるわいも行くで!」
(・・・ケロちゃん、ケーキつまみ食いする気なんじゃ・・・?)
「なんや言うたか?」
「う、ううん、なんでも。」

去年のクリスマスでは、桃矢お兄ちゃんにケロちゃんが食べた分の
ケーキを自分がつまみ食いしたことにされてしまったさくらちゃん。

さくらカードを使うのはともかく、ケロちゃんに雪兎さんの
ケーキを食べられてしまってはたまらないので、ケーキだけは
死守することを心に誓い、布団に潜り込みます。

「・・・もう電気消すよ?」
「あ〜っ!!も、もう少しでハイスコアやったのに・・・」

チョコレートに気を取られてケロちゃんが途中で放り出したゲームは、
しっかりゲームオーバーになっていたのでした。


★大道寺家 第二厨房 翌日の朝 「チョコレートケーキ製作開始!」

「おはよう。知世ちゃん、今日はよろしくね。」
「おはようございます、さくらちゃん。おまかせ下さい!」
「ケーキっ、ケーキぃ、チョコ・け・え・き〜っ!」

浮かれて空中で踊っているケロちゃんを含め、知世ちゃんの
家を訪れたさくらちゃんたちは広いキッチンに通されます。

そこは普段シェフやメイドさんが忙しく働いている場所でしたが、
ケロちゃんがついて来ることを予想していた知世ちゃんは厨房メンバーに
お休みしてもらったり別の厨房へ移ってもらったりしていたのでした。

「ほえ〜!学校の家庭科室より広いね・・・!」
「さあ、今日は三つのチョコレートケーキを作りますので大変ですわよ。」
「ほえ〜っ?!み、三つも?」
「一つは月城さん用、一つはケロちゃん用・・・」
「そや!そうこなきゃあかん!」
「そして、最後の一つはさくらちゃん用ですわ。」
「えっ?わ、私?」
「わたくしからさくらちゃんへ・・・と、さくらちゃんから
 お父様とお兄様へ義理チョコとして分けてさしあげて下さい。」
「あ、うん・・・お兄ちゃんもかあ・・・」

さくらちゃんを怪獣呼ばわりする意地悪お兄ちゃんにまであげるという所に少し
引っかかったさくらちゃんですが、藤隆お父さんにあげるのには異存ありません。

それでも丸いケーキを四等分してケロちゃんを除く家族三人で分けたら一切れ
余るので、それをさらに半分にしてクリスマスの時ピアノを弾いてもらって
お世話になったエリオル君と、クロウカード以来変な事件が起こるたびにいつも
お世話になっている小狼君にも義理チョコとしてあげようかなと思うのでした。

知世ちゃんとしては本来さくらちゃんだけに贈りたい所ですが、
自分の本当の気持ちをさくらちゃんに気付かれてしまっては
いけませんので、さくらちゃんの家族への義理チョコに紛れて
さくらちゃんにも食べてもらおうという意図があるのです。

そのためにも、甘い物にはうるさいケロちゃんには、
ケロちゃん専用のケーキを渡しておかないとなりません。

クリスマスではケロちゃん専用として直径三十センチ級の三段重ねお好み焼き
ケーキを与えたのに、「ケーキと言えば甘いもんや!」とさらにイチゴの
デコレーションケーキまで半分食べられてしまっていますから。

「では、まずケーキのスポンジを作りましょう。」

知世ちゃんがさくらちゃんを案内したキッチンのシンクの横には、
小麦粉を始め純ココアや割チョコ等ケーキ材料が山と積まれていました。

(ほえ?スイートのカードは使わないのかな?)

黒板をチョコレートに変えたり、元々甘いケーキをもっと甘く
できたりするスイートだが、甘くない小麦粉は出せないだろうし、
ケーキ材料にはスイートが苦手としている塩もある。

だからあらゆる材料をスイートに出させるのは無理があると思われ、
第一フラワーに出してもらった花と違い、魔法で出した
チョコレート等は数日もしたら消えてしまうかもしれない。

それでスイートを使わないことに説明がついても、それならなぜ知世ちゃんは
カードと封印の鍵を持って来るように自分へお願いしたのだろう?

それより、こんなに材料を用意してもらった上に作るのを手伝ってもらっては、
できたチョコレートケーキはほとんど知世ちゃんから雪兎さんへのプレゼントも
同然なのではないだろうか。

「と、知世ちゃん、やっぱりこんなに用意してもらったら悪いよう。」

ケーキ三個分にしても多すぎると思われる材料の山を見てたじろぐさくらちゃん。
この量では、さくらちゃんのおこづかいをはたいても材料代には程遠そうだ。

「これはもちろんさくらちゃんへのプレゼントも含まれているからですわ。
 お気になさる必要はありません。」
「で、でも・・・」
「その代わり、後でわたくしのお願いも聞いて下さいね。」
「・・・お、お願いって・・・?」
「たいしたことではありませんわ。おほほほほほ。」
(や、やっぱり、また知世ちゃんの服を着て撮影されちゃうのかな・・・?)

ケーキ作りを始める前にさくらちゃん用のふりひらエプロンを用意して目を
キラキラさせている知世ちゃんを見て、ジト汗を流すさくらちゃんですが、
知世ちゃんの「お願い」を結局断れないのもいつものことです。

少しため息をついたさくらちゃんは、あきらめてかわいいエプロンに
袖を通し、知世ちゃんに教えてもらいながらチョコレートケーキの
スポンジ生地を作っていくのでした。

#ケーキ作りの描写は、さくらカード編エンディングでイチゴのデコレーション
#ケーキを作っているさくらちゃんたちと同じような絵を想像してみて下さい。
#さくらちゃんがつまづいてトレイをひっくり返しちゃったり、つまみ食い
#しているケロちゃんが怒られてたり・・・はお約束ということで。(^^;


★大道寺家 第二厨房 「知世ちゃんのお願いって?」

生地の中に練り込むココア紛を撒き散らしてしまったりしたものの、
悪戦苦闘の末にようやく完成したチョコレートケーキのスポンジ生地。
さくらちゃんは生地を三つに分けて型に流し込み、知世ちゃんは
生地をパン屋さんにあるような巨大なオーブンに入れて扉を閉めます。

・・・バタン・・・

「・・・ふう。」
「よっしゃ!これで焼き上がるんを待つだけやな!」
「いえ、スポンジが焼けても熱い内はデコレーションできませんので、
 さめるまで待つとかなり時間がかかります。」
「え〜っ・・・」

さくらちゃんたちがスポンジ用の生地を作っている間に、
ケロちゃんは勝手に割チョコの袋を開け、つまみぐいしていました。

材料の量が多いのは、ケロちゃんがつまみ食いする分をあらかじめ
見込んであったからなのでしたが、散々チョコを食べ散らかして
おきながらケロちゃんはケーキの完成が待ち切れないようです。

「その間、ケロちゃんは別室に置いてあるわたくしが
 試作したチョコレートケーキを試食してみて下さい。」
「なんやて!そういうんがあるんなら早よ言わんか〜い!」
「わたくしたちはチョコレートを湯煎で溶かして、
 スポンジに塗る準備をいたしますが・・・」
「どこや?どこにあるんや!?チョコケーキぃ〜っ!!」

知世ちゃんの話が終わる前に、ケーキがどこに
置いてあるかせっついて聞くケロちゃん。

しかし、知世ちゃんは大鍋にお湯を入れて弱火にかけ、巨大な
ステンレスのボールに割チョコを山盛りにしながら頬をほんのり
赤く染めて、さくらちゃんに「お願い」の話をします。

「これだけの量のチョコレートですと溶けるのに時間がかかりますし、
 スポンジも焼き上がるまでにたっぷり時間がありますから、
 その間さくらちゃんにわたくしのお願いを聞いていただきたいのです。」
「さっきも言ってたけど・・・何?」
「確か、少しづつなら何もなくてもさくらカードに
 変えていいというお話でしたわよね?」
「そ、そやな。あんま無茶しよるとダッシュん時みたくカードが暴走するやも
 知れんけど、さくらの魔力も上がっとるし、一枚や二枚なら問題ないはずや。」

既に完成したチョコレートケーキがあると聞いてそわそわしている
ケロちゃんはろくに知世ちゃんの話を聞いていません。

もっとも、ケーキに気を取られたケロちゃんが反対しないであろうことは
知世ちゃんのもくろみ通りですし、さくらちゃん撮影にお邪魔なケロちゃんを
ケーキを餌に引き離すのも知世ちゃんの作戦の内なのですが。

「それでは、ぜひさくらカードに変えて使っていただきたい
 カードがあるんですが・・・」
「ほえ?」
「ツインさんですわ。それと、もうさくらカードになっていますがミラーさんも。」
「ツインとミラーで何するんや?」
「もちろん、超絶かわいい四人のさくらちゃんズの着せ替え撮影会ですわ〜っ!!」
「ほええ〜っ!!」

去年のクリスマス前、太陽光を集光して攻撃してくる巨大
凸レンズに襲われた後で、ミラーさくらちゃんとさくらちゃんを
着せ替えては撮影をしたことがある知世ちゃん。

その時はさくらちゃん本人が魔力の使い過ぎで眠ったままだったので、
「ちゃんと起きているさくらちゃんとミラーさくらちゃん、それに
ツインさんも使って四人になったさくらちゃんの着せ替え撮影会」は
それ以来ずっと「知世ちゃんの夢」になっていたのである。

「なんや、んなことなんか。他ならぬ知世のお願いや。さくら、やったりい。」
「で、でも・・・」
「だめですの?(うるうる)」

すっかりケーキで買収された形になっているケロちゃんが承認し、
知世ちゃんにうるうるお目々で「お願い」されては、
さくらちゃんに断ることなどできようはずもありません。

フラワーでお花を出してひいおじいさんに贈ったこともありますから、
カードを使うこと自体はいいのですけど、ど派手な服を着せられて
ビデオに撮られてしまうことが恥ずかしいのです。

しかも、今度はミラーさくらちゃんも合わせて
四人になるわけですので、恥ずかしさも四倍。

三つのチョコレートケーキの材料と、ケーキ作り指導の対価として高い
ものについているかどうかは、さくらちゃんの恥ずかしさと知世ちゃんの
幸福度からして、強欲な次元の魔女すら「高い」と思うかもしれませんが。

「う、うん・・・いいよ。」
「ありがとうございます!さくらちゃん!!」
「はうう〜っ・・・」

さくらちゃんの答えを聞いたとたんに満面の笑顔となり、
感極まってエプロン姿のままさくらちゃんに抱き付いてしまう
知世ちゃんと、滂沱の涙を流しているさくらちゃん。

「んなことより、ケーキや、ケーキぃ〜っ!!」

ケロちゃんの方は、知世ちゃんのエプロンの裾を
引っ張り、「早よ教えてんか」とせがみます。

カードの守護獣のくせに、カードと御主人様をほおっておいて
甘い物に走るその姿は、アル中(アルコール中毒患者)ならぬ
アマ中(甘い物中毒患者)そのものでした。


★第二厨房隣室 「ここはケーキ工場?」

「おおっ!こ、こりゃまた・・・」

ケロちゃんが知世ちゃんに案内されて入ったのは第二厨房の
隣の部屋で、だだっ広い部屋に大きな黒いテーブルが並べられ、
むせ返るようなチョコレートの匂いが充満しています。

いえ、黒く見えたのはテーブルの色ではなく、その上に所狭しと並べられた
チョコレートケーキの色で、見渡す限り黒茶色の物体が並ぶその部屋は、
ケーキ屋さんどころかまるでチョコケーキ工場のようなありさまでした。

前日の夜にさくらちゃんからの電話を受けて、かねてから熱望していた
「着せ替え撮影会」の開催を思い立った知世ちゃんは、時間がなかった
こともあり自分が作るケーキだけではケロちゃんを長時間足止めするには
不足だと考え、第一から第五までの全厨房パティシェを総動員して徹夜で
チョコレートケーキを作らせていたのです。

おかげで、「お嬢様は超甘党で超大食いの想い人が複数できたらしい」とか、
「好きな方が御学友の中にいるのだが、照れ隠しのため御自分で作られたケーキは
その方に渡し、残りはカモフラージュの義理チョコとして学年の全員に配る
らしい」とか変な噂が立ってしまいましたけれど、まさかそのケーキがこうして
お邪魔虫の足止めのためだけに使われているとは誰も思わなかったことでしょう。

元々パーティー会場として作られた部屋の、十台以上のテーブルの上に
並ぶチョコレートケーキの総数は、ミニケーキ、ショートケーキや
ロールケーキ、それにデコレーションケーキを含め百個以上。

ケーキ屋さんを数軒買い占めたかのような、甘い物好きには
夢のような光景ですが、実際食べる段になるとその量は凶器です。

「・・・相手にとって不足はあらへん!わいが全部食うたる!!」

さしものケロちゃんも全部チョコケーキだということにたじろいでいたのですが、
勇躍手近なテーブルの上に飛び乗り、そのテーブルの中央に置いてある
ウエディングケーキのように巨大なデコレーションチョコレートケーキに挑みます。

「いっただっきま〜ふっ!!」

カーン!

ばくっ!

心の中にゴングの音を響かせて、まるで大食い
選手権のように張り切って食べ始めるケロちゃん。

知世ちゃんから「わたくしが作ったケーキを当ててみて下さい」と
言われていたにも関わらず、もうそんなことは気にしないで片っ端から
チョコケーキをほおばり始めるケロちゃんなのでした。


★エリオル家 同時刻 「脱落する覗き魔達」

「うっぷ・・・き、気分が悪くなりました・・・」
「ねーねーエリオルぅ、私もケーキ食べた〜い!」

何もしなくてもクロウカードがさくらカードに変換されそうだと、監視を口実に
相変わらずさくらちゃんたちの様子を魔法で覗き見しているエリオル家の人々。

しかし、チョコケーキの山とそれをむさぼり食べるケルベロスの姿を見て、
「甘い物が苦手」だと言い張るスピネルは映像だけで酔いそうになり、
もうとても見てはいられないと別室で休むべく部屋を出て行きます。

そして、おいしそうにケーキをほおばるケルベロスを見て奈久留ちゃんの方は
かえってケーキが食べたくなり、エリオルにおねだりするのでした。

「・・・見た通り、チョコレートケーキは作るのに時間がかかりますよ。」
「え〜っ!?そんなあ、今すぐ食〜べ〜たぁい〜っ!」
「そうですね、お金をあげますから、買って来てはいかがですか?」
「わ〜い!エリオル、ありがと〜っ!!チュッ!」
「!!・・・」

思いがけず奈久留ちゃんにほっぺたにキスされて、複雑な気分になるエリオル。
今エリオルが好きなのは観月先生ですが、前世でユエが好意を寄せて
くれていたのは知っていますし、別に男が嫌いだというわけでもなく、
自分が創った奈久留ちゃんに思い入れがないはずもありません。

しかし、今生では実年齢十一歳にしか過ぎない自分が、自分より大きくて実年齢
三歳の無邪気な娘にキスされたんだかお馬鹿な息子にキスされたんだかわからない
という微妙な気分、これもまた転生前には予知できなかった事象でした。

「ケーキっ、ケーキぃ、チョコ・け・え・きぃ〜っ♪♪」

エリオルからお金を受け取り、ケルベロス作の「チョコレートケーキの歌」を
口まねして、スキップしながら部屋を出て行く奈久留ちゃん。
バレンタインの前日なので、ケーキ屋さんにもチョコレート
ケーキがいっぱい置いてあることでしょう。

知世ちゃんがケロちゃんの足止め用としてチョコレートケーキの買い占めに
走らなかったのは、今日チョコケーキを買うのを楽しみにしていた女の子達の
夢を奪わないようにとの配慮だったのです。

「・・・これからがいい所なのですが・・・」

こうして、結局さくらちゃんの「着せ替え撮影会」を
覗き見しているのはエリオルだけとなるのでした。


★大道寺家 メイン衣装室 「知世ちゃんのタンス」

「ほえ〜っ・・・」

さくらちゃんの驚きの声が、周りから「ほえーほえーほえー」と
山彦のように帰ってくる。

「あ、私の声が反響してる・・・」

そこは、まるで体育館かと思えるように広く天井が高い部屋で、
ケロちゃんが通された部屋に似た幻想的な光景が広がっていた。

その巨大な部屋には百体以上のマネキンやボディトルソが
並んでいて全てが違う衣装を纏っているばかりか、周囲の
衣装掛けには数百着もの様々な衣服がかけられていたのである。

そう、知世ちゃんがさくらちゃんと出会った日から連綿と
作り続けてきた膨大な衣装の成果がそこにはあった。

中には縫製や仕立て、デザインの参考用として買った衣装も
含まれているし、既製服を仕立て直して作った服もあるが、
半分以上は知世ちゃんが自らデザインし製作したコスチュームである。

もちろん、バトルコスチュームとしてすぐ使えそうな服や知世ちゃんが
気に入っている服はコスチューム運搬車に搭載されているから、ここに
あるのはさくらちゃんの成長により微妙にサイズが合わなくなってしまった
服や、知世ちゃん自身が「失敗作」として封印した服も多いのだが。

・・・ゴーッ・・・

かすかに天井からファンモーターの音が響いてくるその部屋の
空調には、埃を防ぐためにIC工場並みのフィルターが使われており、
剥き出しの衣装群にはチリ一つ付いていない。

また、防虫剤の匂いが服に付くことをいやがった知世ちゃんの希望で、
中に人がいない時は超音波式の虫除け装置が作動していたのである。

「それでは、お願いいたします、さくらちゃん。」
「う、うん・・・」
「お恥ずかしいようでしたら、わたくしもお脱ぎいたしますから、
 ここをお風呂とでも思っていただいて。」
「そ、それもなんか恥ずかしいよう。」

いつもお着替えしているコスチューム運搬車内とはあまりにも違う
広さに、まるで体育館の真ん中で着替えているような気分になり、
耳まで真っ赤になってエプロンから服を脱いでいくさくらちゃん。

まずミラーさんのカードを使うのだが、さくらちゃんの姿を写したミラーさんが
知世ちゃんの作った服にお着替えするためには、魔法で出した服を着ている
状態ではなく、素っ裸の状態で出てきてもらわねばならない。

そのためには、さくらちゃん自身があらかじめ裸になっておき、その状態で封印の
杖を振るって、ミラーさんのさくらカードを使わなければならないのである。

「はう〜っ・・・」

エプロン、上着、スカート、それに靴下とシャツやパンツも脱いで
素っ裸になり、さくらちゃんは封印の鍵とカードだけ手にして、
カメラを構える知世ちゃんの前に立つ。

知世ちゃんと一緒にシャワーを浴びたりお風呂に入ったりしたこともありますし、
バブルのクロウカードの時には裸同然の姿で封印の杖を振るったことも
あるけれど、やっぱり素っ裸でカードを使うのは恥ずかしかった。

「・・・そのビデオ、誰にも見せちゃだめだよ?」
「もちろんですわ。」

まあ、元々さくらちゃんが魔法を使うシーンを他の人に見せられるはずもないし、
これまでに撮影したビデオもほとんど知世ちゃんの秘蔵の品となっている。

モデルだった撫子お母さんも、まさかヌードモデルまではやったことがないだろう
なあと思いつつ、さくらちゃんは恥ずかしさをこらえて封印の鍵を構えるのでした。

#デジタルデータのバンクシーンだと、いろんな服を着せ替えできるように
#元データのさくらちゃんは素っ裸か下着姿だったりして・・・
#ビデオ,LDのおまけに付いているさくらちゃんや知世ちゃんの
#着せ替えセットで、本人が下着姿なのと同じように。(^^;

「星の力を秘めし鍵よ、真の姿を我の前に示せ。レリーズ!」

やむを得ず、服を脱いですっぽんぽんのまま星の鍵を封印解除するさくらちゃん。

巨大凸レンズに襲われた際、「素っ裸でカード使用」というのはやったことが
あったさくらちゃんですけど、その時は服の代わりに知世ちゃん自身を身に纏って
いましたし、見ていたのはいつも一緒にお風呂に入っているケロちゃんだけでした。

しかし、今度は知世ちゃんの目の前で、しかも知世ちゃん自身が
撮影しているビデオカメラの前で、靴も靴下もない生まれたまんまの
姿で封印の杖を振るわなければなりません。

一応部屋の中なのですがあまりにも広すぎて、学校の屋上で裸になって
しまった時と、恥ずかしさでは大して違いがないような気もします。

それでも、全身さくら色に染まったまま、さくらちゃんは
封印の杖を振るってミラーさんのさくらカードを使うのでした。

「我の姿を映し、もう一人の我となれ!ミラー!」
「ああっ!素っ裸で決めポーズをとられる全身真っ赤なさくらちゃん・・・
 な、なんて美しいのでしょう!!・・・くらっ・・・」

またもめまいを起こした知世ちゃんですが、
こんな超絶美麗な光景を前に倒れてなどいられません。
さくらちゃんの頭上に掲げられた封印の杖の先、ミラーのさくらカードから
魔力が流れ出して固まり、巨大な鏡が出現する光景も余さずビデオに撮影します。

そして、さくらちゃんの前に現れた鏡からさくらちゃんの姿を映したミラーさんが
出てきますが、その姿もやはり裸であるだけではなく全身さくら色だったのでした。

「・・・ごめんね、ミラーさん、こんなことで呼んじゃって。」
「い、いえ。」

少し困ったようなやさしい顔で、にっこり笑うミラーさくらちゃん。

クリスマスの時に、ミラーさんはさくらちゃんへカードたちの総意として
「私たちにできることがあったらいつでも呼んでください」と伝えて
いますので、着せ替え撮影会のために呼ばれても嬉しいですし、鏡の
特性から映した御主人様と自分の姿が裸であっても気にしないのです。

ミラーさんが気を悪くしていないようだと知って少し安心した
さくらちゃんは、続いて足元に置いておいたツインのクロウ
カードを拾い上げ、さくらカードへの変換呪文を唱えるのでした。

「クロウの創りしカードよ、古き姿を捨て、生まれ変われ!
 新たな主(あるじ)、さくらの名の元に!ツイン!」

知世ちゃんに頼み込まれ、「四人のさくらちゃんと二人の知世ちゃんで
着せ替え撮影会」をするために裸でミラーとツインを使うさくらちゃん。

しかし、その着せ替え撮影会には、エリオルですら
予知できなかった悲喜劇が待っているのであった。
エリオルは何もしていない(覗いてはいる)のに、
さくらちゃんを襲うとんでもない試練とは・・・?


★アイキャッチ入りま〜す★

#既にさくらちゃんもミラーさんもすっぽんぽんですけど・・・
#後半の展開は「裸より恥ずかしい」かも。(^^;;


★大道寺家 メイン衣装室 「ツインのさくらカード」

「我らを増やせ!ツイン!」

さくらカードとなったツインから、魔力の帯がカメラを構える知世ちゃんと星の
杖を掲げるさくらちゃん、それにミラーさくらちゃんへと伸びて繭のように包む。

しばらくすると大きな三つの魔力の繭が閃光と共に破れ、
中から複数の人影が現れた。
しかし、その人影は、一つの繭に対して二つづつではなかったのである。

『あら?』
『ほ、ほええぇぇ〜っ!!』
『・・・?』

完全にハモってはいるものの、知世ちゃんの声の源も
さくらちゃんの叫び声の源も二つではなくなんと八つ。
ミラーさくらちゃんはまるで合わせ鏡を見ているかのように、
八人の自分と顔を見合わせ、小首をかしげているのであった。

知世ちゃんは二人になったさくらちゃんと、同じく二人になった
ミラーさくらちゃんの四人を自分自身二人になって撮りまくる
つもりだったのですが、さくらカードとなってパワーアップした
ツインは、何でも二つに増やすだけではなく二つに増やしたものを
さらに何度か二つに増やすことができるようになっていたのです。

それで、さくらちゃんと知世ちゃん、それにミラーさくらちゃんの
三人は、ツインの魔力の繭の中で、一人が二人、二人が四人、
四人が八人と、倍々ゲームで増えしまっていたのでした。

『ああっ!これこそわたくしが夢にまで見たシチュエーションですわ〜っ!!』

そう、まさしくこれは知世ちゃんが夢に見た光景。
ドリームのクロウカードの時に見た知世ちゃんの予知夢、「バトルコスチュームを
着たさくらちゃんがいっぱい」そのものを実現できる状況だったのです。

さっそくビデオカメラを置いて部屋中に散り、思い思いの衣装を選んで
十六人の裸のさくらちゃんズに着せようとする八人の知世ちゃんたち。

元が同じ人間なのだから考えることも全く同じで、八人が同じ
衣装の所に殺到するかと思いきやそうでもなく、なぜか全員が
配色もデザイン傾向も全く異なる衣装や下着を選んでいる。

これは、ツインが知世ちゃんたちを増やす際、増やすにつれてその性格は完全に
元の通りとはいかずに元の性格の極一部だけが分裂して一個の人格を形成したり、
元は完全に隠れていた性格が分裂して一個の人格を形成したりしたためで、
八人の知世ちゃんが全員微妙に異なる性格となったせいであった。

もちろん、八人のさくらちゃんも、八人の
ミラーさんもその性格は元のままではなく・・・
その結果、着せ替え撮影会がどうなってしまったかというと・・・!
(ツバサクロニクルのモコナ風アオリ(^^;)


★「阿鼻叫喚、酒池肉林、狂喜乱舞の着せ替え撮影会」

「ほええぇぇぇ・・・」(泣)
「きゃはははっ!」
「やめてぇ〜っ!」

元のいたずらっ娘の性格が出てしまったミラーさくらちゃんにスカートを
めくられて泣いてしまっている泣き虫さくらちゃんと、そのいたずらっ娘
ミラーさんを抱き止めてやめさせようとしている正義感さくらちゃん。

「うふっ。」(はあと)
「素晴らしいですわ!さくらちゃん!」

みずから少しスカートをめくり上げ、胸元を開けてポーズをとっている
「ちょっと変な」さくらちゃんに、それをかぶりつきで撮影している知世ちゃん。

「うふっ。」(棒読み)

そのちょっと色っぽい姿を真似して、自分もスカートをめくり上げて
ポーズをとっている「鏡の本能が強く出た」ミラーさくらちゃん。

「ふ〜っ・・・」
「ひやあん!と、知世ちゃ〜んっ!」
「や、やめて〜っ!」

さくらちゃんを着替えさせながら、いたずら心を起こしてさくらちゃんの耳に
息を吹きかけて反応を楽しんでいる、「ちょっと変な」知世ちゃんと、真っ赤に
なりながらそれをやめさせようと抱き付いている恥ずかしがり屋さくらちゃん。

「ペロッ!」
「ほえっ!な、何?」
「チョコレートが付いていますわ。ペロペロ・・・」
「ひ〜ん、くすぐったいよう!」

お着替えしているさくらちゃんのほっぺたにちょっぴりチョコレートが
付いているのを見つけ、それを拭き取るのではなくわざと舐め取ってしまう
「隠されていた願望が強く出た」知世ちゃん。

「ああっ!幸せ絶頂ですわ〜っ!!」
「・・・はあっ・・・」
「・・・こ、これは・・・ぜ、絶好のアングルですわっ!」

あまりの幸福感からめまいを起こしてふらふらしている知世ちゃんと、
既に倒れている知世ちゃん、倒れながらも床の上でカメラを構え、
超ローアングルからスカート姿のさくらちゃんを撮影している知世ちゃん。

パシャッ!パシャッ!パシャッ!

「お〜っほほほほほほ・・・」
「次はこれ、その次はこれ、そしてまたその次はこのお衣装ですわ〜っ!!」

ビデオカメラが足りず、やむを得ず普通のカメラでパシャパシャ撮影している
知世ちゃんに、さくらちゃんズのお着替えに夢中になっている知世ちゃん。

「こ、これが・・・!これが噂の『裸エプロン』なんですわね〜っ!!」
「・・・?」

さくらちゃんが脱いだふりひらエプロンを裸のままのミラーさくらちゃんに
着せて、狂喜乱舞している「ちょっとオヤジが入った」知世ちゃん。

(・・・お兄様に、見ていただきたい・・・)

部屋の隅で隠れるようにさくらちゃんの姿から元の自分の姿に戻り、
桃矢お兄様からもらったリボンと似合いそうな服を自分で選んで着て、自前の
姿見の前で頬を赤らめ物思いに耽っている「恋愛感情が強く出た」ミラーさん。

「あ、真ん中のさくらちゃんはこういうポーズ、
 左のミラーさんはこんなポーズをしてみて下さい。」
「ほ、ほえ?」
「は、はい。」

さくらちゃん二人とミラーさくらちゃん三人に、「さくらピンク」
「さくらレッド」「さくらホワイト」「さくらクリムゾン」
「さくらスカーレット」の5色の戦隊物コスチュームを着せ、
嬉々としてポーズ指導をしながら撮影している知世ちゃん。

もちろん、戦隊物と言っても顔を隠す仮面はなく、どちらかというと
某水兵服チームに近いミニスカートコスチュームなのだが、
コスチュームの色は違えど全員同じ顔なので少し不気味でもある。

「さくらちゃん、お待ちになって下さい!!」
「ほええぇぇぇぇ・・・」
「まあ。」(真っ赤になった知世ちゃん)

中でも、試作してはみたものの知世ちゃん自身が「さすがにこれは
ちょっとまずいですわね・・・」と封印していた「真っ赤な紐パン」と
「黒のレザーブラ」を持ち出して両手にぶら下げ、着るのを恥ずかしがって
裸のまま逃げ回っているさくらちゃんを追いかけている姿は、
撮影しているもう一人の知世ちゃん本人まで赤面するシーンであった。

逃げ回っているのは変な下着をいやがっているだけで、裸であることは
あまり恥ずかしがっていない「子供っぽい」さくらちゃんである。
ベビーパウダーをいやがって素っ裸のまま走り回る、
お風呂上りの幼女とメンタリティ的にはなんら変わらない。

「こ、こうですか?」
「ああっ!超絶美しいですわああぁぁ!!」

で、他人の姿なので恥ずかしいなどとはいささかも思わないミラーさくらちゃんは、
その二つとセットだった「真っ赤な紐ブラ(乳首しか隠れない)」と「黒のレザー
パンツ」を身に着け、知世ちゃんのカメラの前で笑顔でポーズをとってあげている。

しかも、ブラジャーの着け方を知らないどころか紐ブラを「赤い紐」
としか認識できなかったミラーさくらちゃんが着けたブラはずれまくり、
肝心な所を何も隠せていなかったばかりか、レザーパンツも
ずり落ち気味でかわいいお尻がはみ出していたのであった。

もしさくらちゃんとミラーさくらちゃんの見分けがつかない小狼がこの光景を
見ていたら、水蒸気爆発の後、まさしく鼻血の海で溺死か失血死していたであろう。

そう、体育館のような広さの衣装室には、半裸・全裸含めてさくらちゃん八人、
ミラーさくらちゃん八人、知世ちゃん八人の合計二十四人が織り成す阿鼻叫喚の、
もとい、知世ちゃんにとっては酒池肉林(?)の、とっても
「幸せ絶頂最高潮ですわあ!」な光景が繰り広げられていたのである・・・

#なお、それぞれ数えてみて「八人より多い!」とか「少ない!」とかいう
#苦情は受け付けませんのであしからず。
#多い方に関しては、同じ人物の時間系列描写もあるということで。(^^;


★「饗宴の終わり」

「はううぅぅ〜っ・・・」(@o@)

さくらちゃんの魔力が切れてツインがカードに戻り、増えていたさくら
ちゃん達がだんだん融合していくとその間の記憶も一人に融合し、しばらく
記憶の混乱でふらふらしていたさくらちゃんは、自らスカートをめくり上げ
たりしていたことを思い出して恥ずかしさから真っ赤になってしまう。

知世ちゃんのビデオカメラも融合した結果テープにはごちゃごちゃの映像が残る
ように思われたが、知世ちゃんはこれあるを予想して、ツインによって増えた
ビデオカメラではなく予備のビデオカメラを総動員して撮影していたのだ。

その結果、元々着ていた服ごと分裂していた知世ちゃんは、一人に
戻った時八台近くのカメラを抱えていることを除いて服は一人分。

それに対して八人分近くの下着とコスチュームを重ね着している
格好になってしまったさくらちゃんは、まるで十二単の着物を
着させられたかのように暑苦しく、しかも下着のさらに下に上着や
スカートという組み合わせまであって脱ぐのも一苦労である。

そしてミラーさんがカードに戻った所には、やはり
八着分近くの下着と衣装が山と積まれていたのでした。

「ああっ・・・素晴らしい映像が撮れましたわ・・・」

夢のような時間が終わってしまったことに名残を惜しみ、
余韻に浸りながら、抱えているビデオカメラと一眼レフ
カメラにいとおしげに頬擦りしている知世ちゃん。

「ほえ〜、きっ、きつくて脱ぎにくいよう・・・」

さくらちゃんの方は二枚のカードを使っただけですから魔力の消耗はそれほどでも
ないものの、精神的には疲労困憊(ひろうこんぱい)していました。

「そろそろスポンジも焼き上がり、チョコレートも溶けた頃ですわ!
 さあ、ケーキ作りを続けましょう!」
「ちょ、ちょっと待って・・・」

まるでラッキョウの皮剥きをしているかのように、
脱いでも脱いでも衣装が出てくるさくらちゃん。
これでは、元の普段着とエプロンに着替えられるのはいつになることやら。

「まあまあ。お手伝いいたしますわ!」
「と、知世ちゃん、元気だね・・・」

知世ちゃんに手伝ってもらいながら、ジト汗と暑さによる
汗を流しつつ、さくらちゃんは何重にも重ね着してきつく
なってしまっている服や下着を脱いでいきます。

ケーキ作りはまだ一番重要なデコレーション作業が残っていますし、
できれば今日中に雪兎さんにできたてのチョコケーキを渡したい。
となるとさくらちゃんの仕事はまだまだ残っているわけですから、
疲れたなどと言ってはいられません。

知世ちゃんの方は、パティシェさん達と一緒にケロちゃんの足止め用
ケーキ作りで徹夜同然だったのですけど、あまりにも素晴らしい
着せ替え撮影会のおかげでかえってハイになっていたのでした。

(次はチェンジさんも使っていただいて、さくらちゃんの体に入ったわたくしが
 さくらちゃんを撮影し、その光景をさらにわたくしが撮影するなんてのは・・・
 ああっ!なんだかとっても素晴らしそうですわ〜っ!!)

さくらちゃんの服を脱がしながら、数十人のさくらちゃんとミラーさくらちゃんと
知世ちゃんが、さらにチェンジで体を入れ替えて入り乱れながら撮影したり
されたりという乱交パーティーのような状況を妄想してしまう知世ちゃん。

もはや収拾がつかないようなとんでもないことになりそうなものですが、
知世ちゃんの妄想は留まる所を知りませんでした。


★エリオル家 エピローグその一「予知できなかった展開」

「ケーキぃ♪ケーキっ♪チョッコ・け・え・きぃ〜っ♪♪」

どうやら家に帰るまで待ち切れなかったらしく、途中で
チョコケーキをつまみ食いした奈久留ちゃんがご機嫌な様子で、
大きなケーキの箱を抱えてエリオルの部屋に入ってきます。

しかも、口の周りにくっ付けたままのココアパウダーやチョコレートクリームを
某ケーキ屋さんのマスコットキャラクターのように舌を出して舐め取りながら。

「?エリオル、どしたの?」

いつも座っている椅子から転げ落ちたらしい
エリオルを上から覗き込む奈久留ちゃん。
エリオルは持っていた杖も取り落とし、左手で鼻を
押えていますが、その指の隙間から血が滴っていました。

「あ〜っ!エリオル、鼻血ぃ〜っ!!」
「椅子から落ちた時にぶつけたのですか?」

ようやく気分が回復したスピネルも部屋に戻って来て、
心配そうに下からエリオルの顔を覗き込みます。

「だいじょうぶぅ〜?あっ、ティッシュティッシュ・・・」
「だ、大丈夫です。」

普通の女の子ならすかさず自分のポケットティッシュを出しただろうが、
いかんせん奈久留ちゃんは普通でも女の子でもない。
エリオルはティッシュをさがしに行こうとする奈久留ちゃんを制し、
自分でポケットからティッシュを出して鼻を押さえるのでした。

(さ、さすがに今回の展開は予知できませんでしたよ・・・
 なかなかやりますね、知世さん。)

20世紀最強の大魔導師クロウ・リードの生まれ変わりたる
この自分に血を流させるとは、侮れない相手だとエリオルは思う。
まあ、予測できないことが起きるからこそ、この世界は面白いのではあるが。

なお、素っ裸のさくらちゃんを覗き見していてもあくまで平静を保てていた
エリオルが椅子から転げ落ちてしまったのは、知世ちゃんが作ったりコーディ
ネートしたりしたきわどい衣装がエリオルのツボに入ってしまったからである。

裸エプロンか、黒の革パンツか、赤フンドシ風の超ハイレグ紐パンか・・・
いずれにしろ、長く生きてはいてもとにかく昔の人なので水着といえば
ウエットスーツのような袖の長いものという古い感覚の持ち主だったため、
現代の過激なデザインには耐性がなかったのだ。

クロウカード編の封印の杖はバトルコスチューム姿のさくらちゃんを予知し、
それに合わせて羽をモチーフにした「思い切った」デザインにしていたのである。

「あっそうそう、はい、スッピー、チョコケーキ。」

床の上に置いた大きなケーキ箱の蓋を持ち上げ、
中をスピネルに見せる奈久留ちゃん。
中身は1/4ほどつまみ食いされている、歯形が
付いたままの大きなデコレーションチョコレートケーキ。

奈久留ちゃんは某グラサンお馬鹿高校生のように、
丸いケーキを三人で分けるには、四等分しておいて
あらかじめ一個食べてしまえばいいと考えたのでした。

「!!ミギャーッ!!」

チョコレートケーキの山の映像を見るだけで気分が悪くなっていたのに、
「これ以上甘い物を食べたら、自分もケルベロスのような『アマ中
(甘い物中毒患者)』になってしまう」と思い込んでいるスピネルは
ケーキを見て脱兎のごとく逃げ出します。

「んもう、スッピーったら、せっかく買ってきたのにいらないのぉ〜っ?
 それじゃ、私がスッピーの分も・・・」
「いえ、全部ルビーが食べていいですよ。」
「えっ、ほんと?わーいっ!!ブチュッ!」
「!!!」

奈久留ちゃんの歯形が付いているケーキを見てエリオルも
遠慮したのですが、喜んだ奈久留ちゃんはチョコクリームが
くっ付いたままの口で再度エリオルにキスしてしまいます。

おかげでせっかく遠慮したのにエリオルのほっぺたにまでチョコクリームが
くっ付いてしまい、エリオルは深いため息をつくのでした。


★第二厨房隣室 エピローグその二「燃え尽きた挑戦者」

「・・・あ、あかん・・・も、もう入らへん・・・」

お腹が膨らみ、風船のようになってチョコケーキが並ぶテーブルの上に
転がっている黄色いお風呂スポンジことケロちゃん。

さすがのケロちゃんも、百個以上の高カロリーチョコレートケーキに
敗北を喫し、「もう入らない」どころか飛び上がることも
動くこともできなくなってしまっていたのです。

しかも手作りケーキが完成したさくらちゃんが帰ろうとする時まで
その存在は忘れ去られてしまっていた上、せっかくのさくらちゃんの
お手製チョコケーキすら、見ただけで「ウップ!」と口を押さえた
ケロちゃんは、鬼の形相(ぎょうそう)となったさくらちゃんに
「ケ〜ロ〜ちゃ〜ん〜っ!!」と追い回される羽目になったのでした。

空を飛べずにコロコロ転がって逃げ回るケロちゃんを微笑みながら
見守った知世ちゃんは、ケロちゃんが食べ残した五十個以上の
チョコケーキをどうするか思案します。

結局、そのケーキは知世お嬢様から大道寺家のスタッフに義理チョコとして
配られることになり、感激したボディガードのお姉さん達やメイドさん,
執事さん達を始め、知世ちゃんの人気は益々高まりました。

もっとも、「お嬢様は想い人にケーキを渡す前にお振られなさったのだ」とか、
「半数は御自分でヤケ食いなさったらしい」などというはなはだ不本意な噂も
ごく一部流れてしまったのですけど。

そして、その日の夕方、さくらちゃんはケーキ作りそのものの
苦労とは別の、大変な苦労の末に完成した大きなデコレーション
チョコレートケーキを雪兎さんの家に訪れて贈ります。
(知世ちゃん謹製勝負服と撮影もお約束。(^^;)

寝ぼけまなこをこすりながら出てきた雪兎さんは、くまさんの
ぬいぐるみを贈った時同様喜んで受け取ってくれましたが、
「本命チョコ」と受け取られなかったということで少し安心したような
がっかりしたような気持ちになってしまうさくらちゃんなのでした。


おしまい。


●少し後書き

ボンデージ風漆黒のレザーパンツやら勝負パンツ風の真っ赤な紐パンやら、
とんでもない衣装が出てきますけど、これで最後ということで大サービス。(^^;

アニメ第62話「さくらと不思議なおみくじ」で知世ちゃんが
引いたおみくじは大吉、しかも「望み事叶う」でした。

知世 「ということは、あの衣装を着た、あんなさくらちゃんを
    撮影する機会に恵まれるということでしょうかぁ。
    ほぅ〜(幸せの溜め息)」
さくら(ど、どんな衣装?)

この会話と、ドリームのクロウカードの時の知世ちゃんの予知夢
「バトルコスチュームを着たさくらちゃんがいっぱい」というのを
掛け合わせて今回のお話を妄想してみたのですよね。

知世ちゃんが望み事にするくらいすごい衣装で、これまで恥ずかしがっては
いてもちゃんと全部着てくれていたさくらちゃんが本気でいやがるような
衣装というのを考えてみたんですけど、筆者が妄想するとやっぱりHっぽい
衣装とか露出系の衣装しか思いつきませんでした。(^^;;;

黒のボンデージ風革パンツあたりだと、さくらちゃんには
「変なパンツ」くらいにしか認識できないでしょうけど。

セーラー戦隊服くらいなら一応着てくれそうだな。
ほたるちゃんのコスプレをしたさくらちゃん・・・はにゃ〜ん・・・


本妄想は、原案ではタイトルが『さくらと31人のさくら』でした。
しかし、さすがにそんなにたくさんの恥ずかしいシチュエーションを
考え付けなかったということで『さくらと15人のさくら』に減らし、
さらにタイトルだけで内容が想像できてしまうのはまずかろうと
いうことで『さくらの着せ替え撮影会』に変更しています。

ちなみに、五人の戦隊物コスチュームが出てくるのは、「なんとか
人数を増やさなければ!」と32人に挑戦していた頃の名残だったり。(^^;
おかげで、中途半端に人数が多くなってしまいました。
(ひのふの・・・あれ?数えてみると多いのは知世ちゃんだけ?)


こうして、バレンタインなのにチョコレートケーキを贈っただけで告白は
しなかったさくらちゃんですが、次のアニメ第65話「さくらと雪兎と
消えゆく力」でとうとう雪兎さんに告白する決意をします。

それ以後は最終回まで切ないシリアス展開が続きますので、
こういうコメディ話はその前に入れておかないとね。(^^;


それにしても、半裸,全裸のさくらちゃんズのみならず、「オヤジが
入った」知世ちゃんとか、とんでもないお話を妄想してしまったぞ。
「二次創作なら何やっても許してもらえる」だろうか・・・?

ざっざっざっざっ・・・(大道寺私設秘密警察部隊の足音)

「うわ〜っ!あ、あそこは、あそこに飛ばされるのだけはいやだ〜っ!」

・・・ちゃんちゃん。

以下、少しおまけ。
最終回ということで、筆者がちょっとだけ妄想していた
アニメ版最終回以後のお話のプロットです。(^^;


★カードキャプターさくら2★
〜カードクリエイター編〜

さくらちゃんの涙から生まれた「名前のないカード」同様、さくらちゃんの
感情が高まるたびに創り出されてしまう新しいさくらカード達。
中にはいきなり暴走して、とんでもない悪さをするものも・・・

そして、増えたさくらカードの守護者としてさくらちゃんが知らぬ間に
創り出してしまった新たな守護者、星(セイ)と桜(チェリー)。
彼らは暴走するさくらカードすら守ろうとし、
時には主であるはずのさくらちゃんとも敵対する。

さくらちゃんが魔力をちゃんと制御できるようになり、新たなさくらカードが
暴走しなくなった時、彼らはさくらちゃんを主と認めるのであった。

エリオル:
「そういえば、私もまだ未熟な頃は勝手にクロウカードを
 創り出してしまい、封印するのに難儀したものです。」
「デザインが気に入らなかったり、面白くなさそうなカードは
 封印した後、そのままにしてしまったような・・・」
「そろそろクロウ・リードの魔力が弱まっているでしょうから、
 各地に封印されているクロウカード達が暴れ出すかもしれませんね。」

各地で暴れ出すクロウカード、新たにさくらカードを創り出し対抗するさくら。
そうして創り出したカードの中にもまた暴走してしまうカードが・・・
で、結局さくらちゃんは世界中を飛び回って活躍することになってしまうのでした。

エリオル:
「さくらさんは20世紀と21世紀最強の魔道士になりそうですね。
 いや、史上最強の魔道士になるかもしれません。」


〜ダブルキャプター編〜

エリオル曰く「史上最強の魔道士」、カードキャプターさくら。
しかし、それでもさくらカードを受け継ぐ新たな主がいなければ、
カード達はいつか魔力が切れて単なる紙切れとなってしまう。

自分の次のカードの主(あるじ)として、自分の子供に
さくらカードを継がせようと考えたさくらちゃん。

ケロ「一人じゃ子供は作れんからなあ。」
さくら「そうなの?」

さくら「小狼君、私と子供を創って!」

どっか〜んっ!!

友枝町に響く爆発音。小狼の頭から発生した巨大なキノコ雲。
(もちろん、さくらちゃんは本来の子供の作り方など知らない。)

紆余曲折を経て魔力で創られたさくらちゃんと小狼の子供、「小桜」ちゃん。
弱いながらも自ら光り輝く「星」の属性を持つこの子は、
魔力が切れることなく存在し続けられる。

しかし、生まれ立てで弱い魔力しか持たないこの子がさくらカードを
使うと、必ずといっていいほど暴走させてしまうのであった。


〜トリプルキャプター編〜

回復系の無かったクロウカードに対し、新たなさくらカードに多い回復系カード。
ついにお母さんを生き返らせることに成功したさくらちゃんですが・・・

さくら「お、お母さん?!」
撫子「私も、カードキャプターってやってみたかったの〜。」

さくらの手違いで16才くらいまで若返って生き返ってしまった撫子お母さん。
生来の天然ボケのため、撫子お母さんがさくらカードを使うと、以下同文。

撫子「さくらちゃんの創りしカードさん、お願い聞いて?」

こうして、とうとうさくらちゃんは親子三代で
カードキャプターをやるはめになってしまうのであった。
(親子三代と言っても、16才,11才,0才?)

なお、知世ちゃんが大喜びで撮影し壊れ切っているのは、全編共通である。

#だめだ、ドラゴンボールみたいになってきたぞ。
#やっぱ無理矢理続けると面白くないなあ。


以上、カードキャプターさくら関係で筆者が妄想し、
とりとめもなく書き留めていたメモ書きより。(^^;

それでは、皆さんお元気で、さようなら〜。~~\(^o^;