Path: ccsf.homeunix.org!CALA-MUZIK!mmcatv.co.jp!newsfeed.media.kyoto-u.ac.jp!newsfeed.mesh.ad.jp!newsfeed2.kddnet.ad.jp!newsfeed2.kddnet.ad.jp!feed1.sphere.ad.jp!ngate02.so-net.ne.jp!so-net.news!not-for-mail From: =?ISO-2022-JP?B?GyRCN0hCUyF3GyhC?= Newsgroups: japan.anime.pretty,fj.rec.animation Subject: Re: Kamikaze Kaito Jeanne #40 (12/18) Date: Sat, 28 Jan 2006 13:00:29 +0900 Organization: So-net Service Lines: 295 Message-ID: References: NNTP-Posting-Host: news01d.so-net.ne.jp Mime-Version: 1.0 Content-Type: text/plain; charset=ISO-2022-JP X-Trace: news-fsa.so-net.ne.jp 1138420735 5465 192.168.20.14 (28 Jan 2006 03:58:55 GMT) X-Complaints-To: abuse@so-net.ne.jp NNTP-Posting-Date: Sat, 28 Jan 2006 03:58:55 +0000 (UTC) In-Reply-To: X-NewsReader: Datula version 1.51.09 for Windows Xref: ccsf.homeunix.org japan.anime.pretty:3100 fj.rec.animation:4944 携帯@です。 一週間空いてしまいました(汗)。 # 本スレッドは「神風怪盗ジャンヌ」のアニメ版第40話から # 着想を得て書き連ねられている妄想スレッドです。 # そういう2次創作物が嫌いじゃ無い方のみ、以下をどうぞ。 この記事は、第174話(その8)です。 Message-ID: にぶら下げる形となっています。 (その1)は、から (その2)は、から (その3)は、から (その4)は、から (その5)は、から (その6)は、から (その7)は、から それぞれどうぞ。 では、改ページ後にゲームスタート!! ★神風・愛の劇場 第174話『盲目の愛故に』(その8) ●桃栗町・オルレアン・まろんの部屋  温泉スパ桃栗で久々の再会を果たしたまろんと昨年来日した英国親善大使の娘、チェ リー。  その際に悪魔の攻撃を受けてしまいましたが、セルシアらしき助太刀もあり何とかチェ リー、そして何より都に気付かれずに撃退する事が出来ました。  温泉からマンションに帰って来て、まずは紅茶を飲んで人心地ついた二人。  何しろ朝急に出かけることになったので、夕食を何にするのか、まろんはあまり考えて いませんでした。  取りあえず大飯喰らいの同居人が──人ではありませんが──いる関係で、冷蔵庫に常 備している食材に不足はないものの、日本人の血を引いているとはいえ、英国人のチェ リーに何を食べさせたものか……。  冷蔵庫の中身を思い出しつつ、まろんは思案します。  その最中、玄関のチャイムがけたたましく連打されました。 「都?」  そのような乱暴なチャイムの押し方をする、唯一の人物の名を呼びつつ扉を開くと、果 たして当人が立っていました。 「あのさ、夕食まだだったら、家でどうかな? 母さんにチェリーちゃんのこと話したら、 一緒に夕食どうですかって」  挨拶抜きで、都は本題を切り出します。 「え? でも悪いよ」 「何よ今更」  断る理由もありませんが、一応遠慮してみせたまろん。もちろん都もその辺りのことは 心得たもの。  結局、何時ものようにまろんは都の提案を有り難く受けることにするのでした。 ●桃栗町・オルレアン・東大寺家 「いただきまーす」  都の家のダイニング。  桜、都、まろんにチェリー。それに加えて今日は都の兄、昴も食卓に座っています。氷 室は帰宅しておらず席にはいません。昨日の事件の後始末が未だ残っているとのことでし た。 「名古屋君も呼べば良かったのに」 「呼んだんだけど、もう稚空は夕食作っちゃったんだって。それも、よりにもよってドラ イカレー」 「あらあら」  セルシアのご飯を作らなければならないのでここには来られなかったであろう稚空。心 の中で両手を合わせ、ごめんねと呟くまろんなのでした。 「チェリーちゃん、お味はどう?」  都が「よりにもよって」と言った理由。それは、この日の夜の東大寺家の夕食のメニ ューがカレーライスであったことに理由がありました。  そのお陰で、予定より食卓に人数が増えても対応出来る訳ですが。 「美味しいです。家でもたまに母が作ってくれます。家のはこれより肉や野菜が小さいん ですけど」  そう言いつつ、心の中ではちょっと甘いかなと思うチェリーです。 「ま、具を大きく切ったので、煮込んでも残るだけなんだけどね」  自分で作った訳でも無いのに都は言います。 「あれ、まろんさんは食べないんですか?」  まろんのカレーが余り減っていない様子を見て、チェリーが言いました。 「ちょっと、お腹があまり減って無くて。それに、ねぇ」  正直、今日はもうカレーなど見たくない。あの大盛りカツカレー早食い勝負を見せられ た後となっては、まろんはそう感じていたのです。ですが…。 「(都、良くカレーを食べられるわね)」  都の方は、そんな影響など微塵も感じさせず、ぱくぱくと美味しそうにカレーを食べて いるのでした。 「日本のカレーって、イギリス風なんだよね? 本当にそうなの?」 「家ではわざわざ日本のカレールーを買って来て母さんが作ってたんですよ。外でカレー を食べる時はインド料理店が多かったですね。なのでインド風」 「そうか、お母さんは元々日本人なんだよね」 「それもあって、親善大使に任命されたらしいです」  …など、暫くの間はチェリーの話題で盛り上がっていました。 「そう言えば、今日は何で昴お兄さんがいるんですか?」 「おぃおぃ。いちゃ悪いかよ」 「そうじゃないけど、研究で忙しいと聞いていたから」  本当は、大和達と何やら怪しい活動をしているらしいので、その関係ではないかと探り を入れたまろん。 「兄さんは、明日この近くで仕事なんだって」 「仕事? 確か、地震の研究でしたっけ」 「そうそう。本業はそれだが、実は急な仕事が入ってね」  昴はズボンのポケットの中から折り畳んだ紙を取り出すと、テーブルの上に伸ばして広 げました。 「何でも温泉スパ桃栗で陥没事故があったらしく、地下の調査を依頼された」 「確か、温泉のくみ上げ過ぎで地盤が陥没したんでしたっけ」  万が一でも真相に昴が気付かないよう、ダイアナから聞いた話をまろんは繰り返します。 「何だ、知っていたのか」 「それは私達が」 「事故のことを噂で聞いたのよ」  チェリーの言葉を遮るように、都が大きな声で言いました。 「そうそう。チェリーちゃんと一緒にバスの中で聞いたんだっけ?」  都の態度から、今日温泉に出かけたことは隠しておきたいのだと察したまろん。  きっと、新体操の練習に行くとでも嘘をついたに違いありません。  まろんは慌てて、都の発言のフォローに回り、チェリーに目配せします。  するとチェリーも小さく肯いてくれました。  何を考えて肯いたのかは判りませんが。 「それが、良く聞くと温泉の汲み上げすぎが原因とは限らないらしいのだ」 「え!?」 「確かにあの場所は温泉が出るそうだが、当初の見込みと違って湯量が全然足りなかった そうだ。それで余所から温泉を引いて今ではそちらを主に使っているらしい」 「そんな面倒なことしなくても、お湯足したりとかすれば良いのに」 「100%天然温泉を唱っているだけに、嘘はつけなかったんでしょ」 「ま、職員ですら知らない者がいるそうだから、都達が知らないのは無理も無いがな」 「何か、騙された気分」 「一応本物の温泉なんだから問題ないでしょ。それで兄さん、本当の原因は何なの?」  自分が目撃した出来事であるだけに、都は熱心に聞きました。 「それをこれから確かめに行くのだ。本当は別の教授に調査の依頼があったのだが、私の 関心事項とも関連があったので、調査に混ぜて貰った」 「関心事項って?」 「つまり、桃栗町の地下に何かが棲んでいるという話さ」 「(ひぇ〜!!)」  心の中でまろんは悲鳴を上げました。 「そう言えば何か兄さん、この前姉さんが来た時、稚空達にそんなこと言っていたそうね。 何か、これまでに成果とかあったの?」 「うむ。未だ確たることは言えないのだが、観測データを詳細に分析してみたところ、桃 栗山の山麓辺りの地下で微少な震動が特に多発しているようだ。今回の事故は場所は離れ ているので直接の関係は無いかもしれないが、一応確認はしておかんとな」 「あら、どうしたのまろん? 何そのポーズ。お祈り?」  都に突っ込まれ、まろんは我に返ります。  顔を上げると、都がジト目でこちらを見ていました。 「ううん。何でも無い。ちょっと、考え事を…」  アハハ、と誤魔化すまろんなのでした。 *  夕食の後、ご馳走になったので何時ものようにまろんは片づけを手伝います。 「チェリーちゃん、お風呂にお湯入れたから入って行きなよ」  テーブルの上のお皿を集めて持って来たチェリーに、お皿を洗っていた都は話しかけま した。 「でも、家にもお風呂あるし」  皿を拭いていたまろんが口を挟みます。 「なら、まろんも一緒に入ってく?」 「え?」  思わず、都、そしてチェリーと一緒にお風呂に入っている光景を想像したまろん。  頬に痛みを感じて現実に引き戻されました。 「痛〜い! 何すんのよ都」 「よだれ」  都に耳元で囁かれ、まろんは真っ赤になって手でごしごしと口元を拭います。  そんな二人の様子をチェリーは不思議そうに見ているのでした。 ●桃栗町・オルレアン・まろんの家  結局のところ、お風呂は借りずに二人で家に帰って来たまろん。  取りあえず、お風呂にお湯を張ります。 「チェリーちゃん。着替えは?」 「あ、この中に」  リビングのソファの脇に置いてあった大きなバッグから、チェリーは寝間着、そして下 着の替えも取り出しました。 「それじゃあ」  一緒に入ろうかと言いかけたまろんの脳裏に、都の言葉が思い出されます。 「チェリーちゃんに変なことしたら承知しないから」  東大寺家をお暇する際に、確かに都は耳元でそう囁いたのです。  そんなに私、信用無いかなぁと思うまろん。  とは言え、都への恐れの方が自分の欲望を上回りました。 「チェリーちゃん、先にお風呂に入ってて良いよ。あ、使い方判るかな。判らなかったな ら…」 「あ、判ります。日本には何度も来ているので」  判らなかったら、一緒に入ろうかと言おうとしていたまろん。  しかし、そんなまろんの願いも知らず、チェリーはあっさりとそう言いました。 「(一緒に入りたかったな…)」  チェリーがお風呂に入っていった後で、心の中で呟くまろん。  クッションを抱えて、ソファの上をごろごろと転がるのでした。 ●桃栗町・桃栗山の麓 「ミナ。帰ったよ」  家までついて来かねない様子だったツグミを何とか追い返し、結界を通過して宿営地へ と帰って来たレイ。  しかし、ミナは未だ眠り込んだままでした。ミナの額には汗が浮かんでいて、彼女の身 体が自己修復中であることを示しています。レイは、自ら彼女の身体を拭いてやりました。 「失礼します。あ…」  レイがミナの身体を拭いている様子を見て硬直してしまった部下。 「何事か」  レイは毛布をミナの身体にかけてやりながら言いました。 「はぐれ悪魔が神の御子と交戦、返り討ちにあったとの報告がありました。詳しくは、こ ちらの速報に」  折り畳まれた書類を部下の兵が差し出し、レイはそれを広げて一読します。 「ご苦労。下がって良い」 「はっ」  レイ達の邪魔をしてはいけないと思ったのでしょう。  部下はもの凄い勢いで去って行きました。  レイはミナの身体を拭くのを再開します。 「今日、瀬川ツグミに会った。私達は彼女から、神の御子を奪おうとしている。本当に、 私達はそんなことをして良いのだろうか? そう思った。多分、ミナもそう思うんじゃな いのかな? 私達は、どうすれば良いんだろう」  眠り続けるミナからはもちろん、返事はありません。 「(大丈夫。ミナを迷わせたり悲しませたりはしない。全ての罪も苦悩も、私が一人で背 負うから。だから貴方はただ待っていて。そして、全てが片づいた後は二人で…)」  すっかり身体を拭き終え、ミナの服装を元通りに整えたレイは、そう心の中で呟くと、 自分の部屋から持って来た過去の戦いの報告書類を改めて読み始めるのでした。 (つづく)  やっと3月4日が終わった。^^;;;; # 考えてみれば、この2年で2日しか話が進んでいません。  では、また。 −−−− 携帯@ mailto:keitai@fa2.so-net.ne.jp