真木子です。

『犬作戦』は episode 01 を観損ねましたが、 episode 03 まで観たところで
は、けっこう好きです。
しかし、「ブルーレイ録画予約スタンバイ」や「炊飯ジャー保温停止」は、す
っ飛ばしと何か関係があるのでしょうか?


第48話「残されたU/永遠の相棒」

○前回の続き
「仲間を痛めつけられるのが、君の苦痛ですか」
投げ出された翔太郎、まだ変身する踏ん切りがつかない。
光って苦しむ若菜。
「72%。もうひと声」
そこにいきなり連続攻撃を受けて、変身が解ける加頭。
タブーが飛んでくる。
「来人、早く若菜を連れて行きなさい」
「僕らを助けて――」
「まさか。こいつの方が気に入らなかっただけよ」
生身の相手にさらに攻撃を加えるが、加頭は平然としている。
「私、ショックです、冴子さん。死んでいるところですよ、私がNEVERでなかっ
たら」
ユートピアに変身し、冴子と若菜を引き寄せる。
「若菜さんを復活させるため、来人君にはあとでゆっくり味わってもらいます
よ、理想郷の力を」

○砂浜
照井は病院に運ばれ、探偵事務所組は海を眺める。
ユートピアは、人間の希望、願望など、生きるための感情を吸い取って自分の
力にする。
「照井竜が精神は攻撃に強い体質でなければ、もっと恐ろしい症状になってい
ただろう。・・・翔太郎、何か言うことはないのかい」
亜樹子は気を利かせて、落ちていたボールをフィリップに渡して先に帰る。
というわけで、なんとなくキャッチボールしながら話し合うが。
「翔太郎、優しさは、君のいちばんの魅力さ。でも、このままじゃ僕、安心し
て逝けないよ。なあ、約束してくれ。たとえ1人になっても、君自身の手で、
この風都を護り抜くと」
「・・・約束なんてできねえ。俺は、自分に自信が持てないんだ」
その時、刃野から電話。と思いきや、加頭の声。
若菜は財団所有の天文研究所にいる、数値を100にするために協力してもらう、
と言う。
『理想郷をお楽しみください』
電話を耳にあてたまま、悲鳴を上げるフィリップ。
クイーンとエリザベス、サンタちゃん、ウォッチャマン、そして刃野と真倉に、
ユートピアの魔手が伸びて、フィリップや翔太郎の名を呼びながら次々とのっ
ぺらぼうに。
『次はさらに大事な人を狙います。今どこにいると思います? 屋根でクルク
ルかもめが回ってますよ』
「亜樹ちゃんがユートピアに!」
「なんだって?!」

○事務所
のっぺらぼうで倒れている亜樹子。叫ぶフィリップが緑に光り、呼応して若菜
も光っている。
安心して笑顔で消えられるようにとシュラウドは願っていたのに・・・
「俺のせいだ。ごめんな、フィリップ」
おやっさんの白い帽子をゆっくりと頭に載せる翔太郎。

○闇の中
「聞こえるだろう、この星の嘆きが」
空に浮かぶ地球。
「ええ。お父様の嘆きも。だから・・・私、なります、地球の巫女に」
若菜の肩に手を置いて、琉兵衛の姿は消える。
「それが姉さんの決断だったんですね。・・・ごめんよ。もう僕には姉さんを
救えない」
それだけ言って、すぐに消えるフィリップ。
「来人!!」

○どこかのお屋敷
「悪い夢を見てたようね、若菜。言っておくけど現実はもっとひどいわよ」
起き上がると体が光り、うろたえる若菜。
冴子は、地球規模のガイア・インパクトを起こすという加頭の計画を説明。
そこに加頭がやってきて、約束を果たす時だと言う。
「出会ったときに言いました。あなたが好きで、逆転のチャンスをプレゼント
すると。達成しました、愛ゆえに」
「・・・本気だったっていうの? あれで」
「よく言われるんです、感情がこもってないから本気だと思わなかったって。
あなたは工場の場所を敵に教え、そして私を撃った。でも許します。それは、
あなたが園咲冴子だからです」
メモリを差し出すが、冴子は顔をそむける。
「なぜです。なぜ、そこまで私を拒絶するのです!」
「あなたか園咲をなめてるからよ。こんな形で若菜に勝っても、死んだお父様
は絶対に認めない!」メモリを奪う。「若菜、逃げなさい」
タブーとユートピア、変身して外に出て戦うが、タブーの方が完全に劣勢。
「さよなら」
崩れ落ちる冴子。
「結局、1人きりの理想郷か」

逃げようとしていた若菜は、ユートピアに捕まる。

「若菜を助けようとして死ぬなんて・・・あんな憎んでた妹を・・・最低」
「若菜姫は任せろ」
近づいてきた翔太郎が、冴子の目を閉じてやる。

○天文研究所
なにやら装置の上の椅子に縛り付けられた若菜が悲鳴を上げる。
翔太郎が現れた。
「・・・邪魔しに来た」
「もはやダブルにもなれない君に、何ができる?」
「だったら仕留めてみろ」
攻撃をかわしながら突進するが、吹っ飛ばされる。
若菜が悲鳴を上げ、装置に光が満ちていく。
「終わりだ」
とどめの手は、だが帽子に止められていた。

「翔太郎!」
事務所で気付いたフィリップが、嬉しそうな顔で立ちあがる。

「終わりはそっちの野望だ」
ガジェット君たちが体当たり。フロッグポッドって何か役に立ってるのか?
装置が破壊され、爆発。

若菜を運んで脱出した翔太郎のところに、鳥さんが飛来してフィリップ出現。
「1人でよくやったね。すごいよ」
「約束を守っただけだよ」
「君の友であることは、僕の誇りだ」
「バカな。この程度で、私の計画が止まるとでも思うのか!」
ふらつきながら出てくるユートピア。
「止めるさ、何度でも。この左翔太郎が街にいる限り」
「たとえ、おまえらがどんな強大な悪でも、風都を泣かせる奴は許さねえ。体
ひとつになっても、食らいついて倒す。その心そのものが、仮面ライダーなん
だ! この街には仮面ライダーがいることを忘れんなよ」
「「さあ、おまえの罪を数えろ!」」
並んで走りながら、最後の変身! 
鳥さんも加わって、一気にエクストリーム。敵の攻撃は軽く受け止め、こちら
が殴るとユートピアは吹っ飛ぶ。
「そんなはずはない! 相手の感情が強いほど、それを吸い取れるユートピア
は勝るはず」
だが、吸い取った力が収まりきらずに愕然。
「このダブルにはな、フィリップの最後の思いがこもってんだよ。てめえなん
かに食いきれる量じゃねえんだよ!」
ダブル・プリズム・エクストリームで撃破!
落下する加頭。
「おまえの罪を、数えろだと? 人を愛することが、罪だとでも」
もう一度ユートピアを起動させるが、メモリは落ちて砕けた。
「財団は、これで正式にガイアメモリから手を引く」
アラームとともに足早に去る局長。
塵となって消える加頭。

「別れの時が来た。翔太郎、姉さんには、このこと、内緒にしておいてくれ」
「わかった」
ベルトに伸びる右手を、左手が止める。
ダブルの意識世界の中、並んでいるフィリップと翔太郎。
「俺の手で、やらせてくれ」
「任せるよ」
「・・・」
「大丈夫。これを閉じても、僕たちは永遠に相棒だ。この地球がなくならない
限り」
微笑むフィリップ。泣いている翔太郎。
ようやくエクストリーム・メモリを閉じると、フィリップは消えていった。舞
い上がったメモリも、散っていった。
残ったのは、倒れている若菜と、空を見上げる翔太郎。

○事務所
《若菜姫は病院に保護された。俺は、フィリップが残した最後の依頼をやり遂
げた》
照井が包帯だらけでコーヒーを飲み、亜樹子はミックを抱いて座っている。
フィリップのプレゼントに目を留めた翔太郎。そっと開けてみると、いつも手
にしていた本が出てきた。
白紙のページをめくっていく手が止まり、嗚咽が漏れる。
『僕の好きだった街をよろしく 仮面ライダー 左翔太郎! 君の相棒より』
「・・・ありがとよ、フィリップ。大事にするぜ」

《俺はこれからもずっと街を護る、仮面ライダーとして。見ててくれよ、なあ、
フィリップ》

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  小路 真木子(SHOJI Makiko)   shoji@kyoto-econ.ac.jp