今年の廣島原爆投下記念式典には初めて国連事務総長、米国大使、英仏の代表が参列した。
 これは、去年4月のチェコのプラハでのオバマの「核なき世界」の演説の延長であろう。
 オバマは、いずれ核が拡散して、
テロに核が渡ることを恐れて、いっそのこと核なんかないほうが良いと考えたのであろう。それが彼の「核なき世界」発言の本音なのだ。
 しかは、核なき世界は実現しないと思う。
 弱小国や周囲を敵性国家に囲まれた国で核を保有する国は、これを有力な抑止力として手放さないであろうし、そうなると、大国だけが核放棄することは考えにくいからである。
 新聞は「いよいよ非核へ」などと囃すが、そんなに簡単にゆくものではない。
 その意味で、式辞では、非核を念じながら、後の記者会見で「今は核抑止力は必要だ」と述べた菅を、新聞は「二枚舌」などと酷評しているが、これは二枚舌ではなく、これが現実感覚なのだ。
 村上新八