政治家の使命は、国を好ましい方向に導いてゆくことである。
 国を導くといっても、国全体に限らず、教育、財政、経済、産業、防衛、外交などの特定分野でも良いことは言うまでもあるまい。
 そのためには、それぞれの分野での好まし方向へ進めるための政策策定に対して影響力を持たねばならない。
 良い方向へ動かす影響力を発揮できるのであれば、与野党は問わない。
 かって、小渕内閣のときの金融危機の際、それを沈静化させる法案を、民主党が立案し、与党に丸呑みさせた例があった。
 そういう影響力を発揮できれば、野党であっても良いのである。
 しかし、このような例は極めて稀である。
 野党がいくら正論で吠え付いても、与党は聞く耳持たないのが普通なのだ。
 一般的にいえば、影響力発揮の条件は、与党として政策決定の中枢にいること、即ち首相や大臣にならなくても、すくなくともそれらをを動かせる位置にいることなのである。
 今回、辻元が社民党を離党した理由もそこにあるのだと思う。
 彼女は、鳩山内閣の国交省副大臣を経験して、初めてそのことに、実感として、気が付いたのであろう。
 彼女が社民党を離党して、無所属でいるのは仮の姿で、早い時期に政権党に入党するのは確実である。それが正解なのだ。
 村上新八