08年に新疆ウィグルの広東への出稼ぎ集団に対する暴行事件を機に発生した暴動から2年、中国は、この地域に対する厳重な監視警戒体性を強化している。
 街には監視カメラがやたらに設置され、住民の挙動は46時中監視され、木刀を持ったパトロ−ル隊が巡回している。
 外国のジャ−ナリストには、おっぴらに尾行が付きっ切りで「嫌なら出て行け」と言わんばかり、人知人と話しでもしたら、その内容を根掘り葉掘り訊かれる。
 このような監視とともに、中国人の移住を奨励し、新疆ウィグルの漢族人口はこの20年間で47%から76%にまで膨れ上がっているのだ。人口比から新疆のウィグル色を薄めようというねらいである。
 この地域は、金、銀、鉄、石炭、石油などの資源も豊富で、これを開発するための中国側の投資も盛んだが、ウィグル族は、これは経済支援でなく、漢族によるウィグルの富の収奪とみている。
 こうした、新疆ウィグルの文化、伝統を消し去ろうとする中国の植民地化政策に、心の底では激しい反抗マグマを膨張させているのである。
 村上新八