天気予報が晴れるでしょうという言葉を信じて、大菩薩峠に向う
談合坂SA付近でポツポツと雨粒があるが陽が高くなれば晴れる
だろうと期待していた

国道411号を柳沢峠方向に行き途中「大菩薩峠登山口」の看板の
ある裂石という場所から狭い山道に入る(国道411号も決して広
い訳ではないが、狭い山道は自動車が一台通る幅員しかない)朝早
いので対向車などないが鉢合わせたらどうしようかと不安に駆られ
ながら曲がるくねる道を登ること丸山峠分岐点駐車場(そう看板に
書いてある)に午前6時到着、先客はなし、駐車場と名ばかり野原
にアイギス(自動車)を置いていくのに少し心残りを感じながらも
この間買ったレインウェアを用心に着込みペット飲み物しか入って
いないディバックを担いで登り出す

曇っているので木々の間からのぞく視界は真っ白、富士山どころか
隣の山かげも見えない、そして登っていく人も居なければ、降りて
くる人もいない、つまり誰もいない、景色も見えない、誰もいない
同じような山の路を黙々と登り続ける
丸山峠への路なのだから昔は普通に人が往来していただろうに登り
は急だし足もとも歩きにくい、ふと路の先を見上げた拍子に人の影
を見つけるが、近づいてみると誰もいない、そういえば急いで出て
きたので朝飯を摂っていない腹ぺこだと見えないものが見えること
がある、昔の人はみな腹ぺこだったのでさぞや沢山の見えないもの
が見えていただろう、腰を降ろす場所もないで立ったままスナック
菓子をボリボリ食べて心を落ち着ける
それでも通り過ぎるとき根が几帳面なので、うっかりお辞儀をして
しまう(見えない人に挨拶するとついてくることがあるのに)
見晴らしの利く場所まで上がると、今度は霧が立ち込めてきた遠景
はおろか5メートル先も見えない樹の影が白い霧のなかにぼかした
墨絵のようにうっすらと判るだけで相当やばい、大菩薩峠で遭難も
あるまいと歩きつづけて丸川峠の山小屋丸川荘に到着、しかし人の
気配がしない寄らないで、そのまま視界の開けた坂道を大菩薩嶺に
行く、木立に囲まれた大菩薩嶺で今日、山に入って始めて人を見る
そのまま雷岩に出ると、唐松尾根道を登り登山客が登ってくるのに
出会う、みな雨具を着込んでいる
雨は降っていないけど真っ白に立ち込めた霧が大菩薩の稜線に向か
い吹き付けていて、立っているだけで体の表面に水滴がつく、視界
は全くなし3メートル先は見えない、そのまま岩がごろごろする路
を足元に気を取られながら進み賽の河原にでると、まるで賽の河原
大菩薩峠の介山荘で、こんな天気なのに沢山の登山客がたむろして
いるところに行き着いた
そのまま上日川峠に下りる路を行くと、ここも沢山の登山客が登っ
ているのにすれ違う(挨拶をすると返事をするので生きている人だ
と思うけど、霧が深いのでなんだか怪しい)上日川峠での駐車場は
自動車でいっぱい、この高度になると霧も晴れてきた
でもこの先丸川峠分岐点まで戻らないと帰れない、
上日川峠から裂石に通じる車道とほぼ並んで走る山道を降る、また
人影が絶えた、誰も歩いていないし歩いてくる人もなんだか怪しい
それでもお昼過ぎには丸川峠分岐点駐車場(そう看板に書いてある)
に到着、濡れたレインウェアを脱ぐと、下のシャツは汗、とにかく
ぜんぶ自動車のトランクに投げ入れ、元来た国道411号を通って
帰ってきたのでした、結局雨は晴れなかった

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のりたま@天気予報はなんだったのか
     帰ってから「つばさキャット」を視聴
     つーかどういう話だったか忘れているし