Re: HTT GO WEST! -live@7thDct- #039
こん○○わ、PARALLAXです。では早速。
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│ 【 軽 音 部 、 西 へ - HTT live @ 7th district - 】 │
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### D-day Zero-Hour ### @ 学園都市 @ PROGRESS 00:35:28 STAGE:MAR施設外
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が、当事者以外も大活躍している実態はあれど、事態は予想以上に深刻だった。
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「優に5万人分以上のAIM拡散力場だと!?」
先進状況救助隊の施設から転び出てきた局員を捕縛した警備局隊長が驚愕した。
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「そんなもの、どうやって創り出すんだ!?」
「ふ、副長が、副長が、」
「副長が、おい何だって!?」
♪
その隊長を、す、と脇から出た小さな手が止める。
「もうよして下さい。彼から事情を聞いても間に合いません」
「あ! …あ、これは失礼。ですが先生?」
にこ、とその警備隊長に笑いかける彼女。それに答え隊長が居住まいを正し報告する。
「先生からの第一報を頂きました本日午前4時を以て、例の方からの御話と情報提供の
通りに隠密裡に一斉配備と手配を開始し、先程の第二報でこれを全て摘発しました。
相当数の協力者と関係者・機関に対象は広がりましたが、先生からの情報と例の方から
の手配りの御陰で、遺漏なく全対象がこちらの監視下に現在あります」
「どうやら、あの子の手配りと調査、情報は間に合ったようですね」
「はい、あの方でなければ不可能だったでしょう。御陰で我々、警備局もそれ以外も、
何時もと違いこうしてスムーズに動けます。
我々『同窓会』も、そうそう遊んでいるばかりではありませんよ」
にやり、と隊長が笑う。何時もは学園都市の上層部から不当な圧力やら指示やらが下り
現場の正義との板挟みに悩む彼も、今回ばかりは相当溜飲が下る所が大きいのだろう。
♪
「ですが先生? その、学舎の園の方の部隊はコイツらMARの子飼いのような連中
でしたので、恥ずかしながら未だ我々の手から逃れています。加えて連中が動かして
いるキャパシティダウンとやらの所為で我々も当該地域へ侵攻出来ません。本当に、
あそこ、学舎の園は彼女らだけで大丈夫なのですか?」
「大丈夫です。そちらは、あの子達が頑張っています。きっと何とかしてくれますよ」
「何とかって、先生!」
先生と呼ばれた彼女は僅かに嘆息すると、自分と比べ軽く縦二倍横三倍はありそうな
体躯の隊長へちょいちょい、と手招きする。つい昔の癖で背を屈めてしまい顔を寄せた
隊長。その額へ
ぺち
と小さな手を置かれた。驚愕して仰け反る彼の様子が可笑しかったのか笑う彼女が言う。
「もー本当に君はその他人に頼らない所が治らないねー。昔も言ったけど、その大きい
体だって自分ひとりだけじゃたいした事無いんだよ?」
「や、やめて下さい先生! いやそれは充分に、それは判っていますが、」
その瞬間。学園都市の全域から、学園都市全体を揺るがすような、地響きのような音が
聞こえてきた。これは、声? いや、これは…
「歓声、か? しかし、何処から?」
「隊長!」
♪
駆け込んできた警備局員が隊長に何か囁く。愕然とした顔で振り向く隊長が、横で
にっこりと笑う先生を見、悟ったように頷くと大音声で命令を発した。
♪
「数名、私について来い! MAR管制室のホンボシを捕縛に向かう!
他の全警備局員は、これより都市外縁に向かえ!」
「は! あ、いやしかし隊長、そこで我々は、一体何を?」
「決まっている! 『招待客』の誘導に専念するんだ!」
足音荒々しくMARに施設に雪崩れ込む隊長たちと、スキール音をがなりたてて走り
去る警備局の車両を見送ると、ぽつんと一人残された、先進状況救助隊ではオブザーバー
と呼ばれ今は先生と呼ばれていた人物は、何時の間にか満天に広がっている星空を見上げ
つつ、呟いた。
「あと2ワード、」
♪
「あと23分12秒、11秒、10秒…」
♪
終わってゆく" Go!Go!MANIAC "を聞きながら、ふ、と傍らで座り込むMAR局員を
見やる彼女。先刻までの勢いは何処へやら、文字通り刀尽き矢折れ尾羽根打ち枯らした
様相と佇まいで、呆然と座り込み放心状態でいるMAR局員達へ、彼女が告げた。
「さ、行きますよ?」
憮然と、しかし幾分は意外そうな面持ちで、彼らが面を上げる。
「どこへ、ですか?」
「決まってます。この大騒ぎの、中心へですよ」
「ですが、今更もう、」
「アナタ達も、これまで折角積み上げてきたものが、こうもあっさりと、しかもレベル0
の小娘たちに覆されてしまって、納得行かないでしょうが?」
無言で俯く彼ら局員。そこへ、先生と呼ばれた彼女が言葉を続ける。
「見に行きませんか? あの子たちが何をやっているのか。
そんなところで這いつくばったままで、終わってしまうつもりですか?」
なおも動かない局員たちへ、す、と近づくと、
ぺち、ぺち、ぺち、ぺち
なにを!? と頭を上げる彼ら。彼女はその小さな手でひとつづつ、彼らの額を叩くと
言葉を続けた。
「それより、まだまだ踊りませんか? 夢の中は、まだ暫く続きますよ」
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今回は、一先ず此処迄。 では。
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