こん○○わ、PARALLAXです。では早速。
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  │ 【 軽 音 部 、 西 へ  - HTT live @ 7th district - 】 │
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### D-day Zero-Hour ### @ 学園都市 @ PROGRESS 00:33:21 STAGE:MAR管制室

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 一方、発令元の管制室も、矢張りパニックに陥っていた。

「どういう事だ!」

 もう何回目になるか判らない。副長の怒鳴り声がまた管制室に響き渡る。

  ♪

「判りません! ですが、これは事実です!」
「そんなバカな話があるか! 学区の電源はすべて落ちているんだぞ!」
「しかし何故か生きています! 通信インフラも! 講堂の主電源も! そして」
「そして、放課後ティータイムの演奏も、ですね?」

 静かな声でオブザーバーが告げる。こくり、と局員が頷く。

  ♪

「相手の力を、やっぱり侮っていましたね。
 相手の人数も、能力も、質も、種類も、全て事前に判っていたのに」
「いや、しかし、この通り! あらゆる能力を全て封じています!」

 副長が別のスクリーンを示す。そこには巨大なパラホロミックスピーカーを振り立てた
特殊車両が映っていた。キャパシティダウン。特殊な音響で周囲一帯の空間を埋め尽くし
範囲の能力者の演算能力へ直接作用し掻き乱し、能力者の能力発動を抑える。元々は前任
の局長が開発した機材で、以前は大型化に限界があり建物ごと仕込まなければ大規模範囲
を制御出来なかったものを、出力はそのままに小型化したものだった。これで照準先の
数街区程度の範囲なら如何なる能力者をも押さえられる。その筈だ。が。しかし。

  ♪

「何故だ…」

 呆然とキャパシティダウンが全力稼働する映像を見上げる副長を哀れ気に見ると、オブ
ザーバーと呼ばれている小柄な女性は、また別のスクリーンを見た。

  ♪

 キャパシティダウンが稼働しているその先に、1台の小さなフルハーフのバンが止まっ
ている。後ろのハッチを開け、相当大きいスピーカーが幾つも付いたオーディオセットを
これ見よがしに見せつけている。よくあるストリート系のヒップホップ集団が使うものな
ので誰も気には止めていないが、オブザーバーだけはそのバンのオーディオセットもまた
フル稼働していることを見て取っていた。何故かいとしげに、その映像を見て、呟く。

「頑張りなさい、もう少し、あと少しです…」

  ♪

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今回は、一先ず此処迄。 では。
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