こん○○わ、PARALLAXです。では早速。
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　　│　【　軽　音　部　、　西　へ　 - HTT live @ 7th district -　】　│
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### D-day 04:15AM ###　＠　学園都市　第２学区　先進状況救助局(ＭＡＲ) 主管制室＠

　「第８区、精査完了。ターゲット３つ、何れもダミーでした。」
　「第１３区の全学校をスキャニングしました。まぁ小学校や幼稚園にはいませんね」
　「第２０区、捜査終了。体育会系の生徒たちも大人しいものです。」

　　現金なもので、ダレ気味だった局員達は「噂のアクセスキー」が齎した巨大な力を
　享受するのに夢中になっている。血走った目つきのまま、副長は次々に上がる報告を
　精査する。まだ彼女らＨＴＴは見つからないが、このパワーリソースさえあれば。

副長「ダミーや目標と違うターゲットは無視しろ！目標の探索にのみ集中しろ！」

　　昨日の報告ではまるでＨＴＴを軽んじ無視するような言い方をしていた彼だったが、
　実際のところ「生身の放課後ティータイム」は間違いなく驚異だった。計画が始まって
　しまえば計画そのものの規模で抑え込める筈なのだが、何せ機械増幅された機械音源で
　は矢張り生音・生声の微妙な揺らぎが齎す精神的誘引力にはどうしても勝てない。店先
　で鳴っているスピーカーからの音より、生ギターをかき鳴らして地声を張り上げて歌う
　流しの方が遥かに人を惹き付けるのと同じ理屈だ。そしてもし、計画発動時にＨＴＴが
　市街の何処かでゲリラライブでも始められたら、それが蟻の一穴にでもなりかねない。

　　蟻の一穴程度、学園都市全体を覆うマスメディアのパワーで抑えきれる筈なのだが。

　　第１５区の主要なチャンネルには事前から十分に根回しをしてある。数カ月も前から
　この日は「なんとなく家に居たくなる」様に世論を誘導する仕込みまで行った遠大な計
　画なのだ。学園都市の人口の殆どは学生。しかし教職員と言えど学園都市の住民へ洗脳
　を施すのに不都合はなかった。そしてこれが達成されてしまえば、そこから齎される
　無限の富と権力に敵うものはいない。だからこそ、今日のこの日が重要なのだ。

　　今日、この何もイベントも祭りも無い、この日が。

　　何も無い日だからこそ、そこで巨大なイベントをゲリラ的に起こしてしまえば、
　一気に全チャンネルを占拠出来る。緊急ニュースまで使ったチャンネル全占拠で。

　　今得た巨大なパワーを享受しつつ、これから得る巨大な力を夢見て、副長は血走った
　目をモニターに振り向けた。まだＨＴＴは見つからない。しかし、じきに。

　　そんな副長を横目に見つつ、オブザーバー席の彼女がポケットの携帯のファンクショ
　ンキーを押した。無音で作動するように違法改造されたその携帯から、とあるコマンド
　が即時配信された。小さな小さなコマンドは、まずＭＡＲ局内のアンテナに拾われ、
　学園都市の通信網に乗り拡散し、即座に全学区へ、全都市へ、全市外へと伝わった…。

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今回は、一先ず此処迄。　では。
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