こん○○わ、PARALLAXです。では早速。
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  │ 【 軽 音 部 、 西 へ  - HTT live @ 7th district - 】 │
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### D-day -1day 11:32PM ### @ 学園都市 第10学区 高等少年院 地下遊技場 @

  しん、と静まり返る空間。泣く事も、笑う事も、話す事も忘れ、ただ呆然としながら
 今の話を噛み砕こうとする。つまり何だ?私たちが?私たちの音楽が?

律 「…人殺しの片棒をかつがされそうになった、そういう事か?」

  びく!として真っ青な顔の澪と紬が震え上がる。それはそうだろう。放課後ティー
 タイムの曲の殆どは、この二人の手作りだ。だが、しかし。

律 「フ、ザ、ケンジャネェ!!

   GoGoMANIACは、アタシら全員の曲だ! 勿論、それだけじゃない!
   Listen!も! Cagayake!GIRLSも! Don't say LAZYも! ふわふわ時間も!
   カレーのちライスも! わたしの恋はホッチキスも! 
   ふでペン〜ボールペン〜も! Happy!?Sorry!!も! 
   レッツゴーも! Sweet Better Beauty Songも!

   みんなみんなみんなぁ! 私たち全員の曲だ! みんなの曲だ!」

  ガン!とテーブルを蹴飛ばしながら律が怒鳴る。その通りだ。唯も梓も表情で、その
 通りだと訴えている。澪と紬の顔色が戻る。そう。そして、だからこそ。

律 「そのアタシたちの大事な曲が! 人殺しの片棒の実験に使われようとしてる!?
   許せるかそんなの! 絶対!絶対!絶っっ対!!

   何としてもブッ潰してやる!」

  ガン!ガン!とテーブルが蹴飛ばされる。唯も梓も紬も澪も立ち上がっている。
 皆の瞳に、律と同じ光が宿っている。皆、考える事は同じ。だからこその「バンド」。

  けれど。

さわ「よしなさい!田井中さん。」

  き!と律がさわ子先生へ振り向く。見れば憂が唯に取りすがり、必死の表情で訴えて
 いる。純も梓を抑えようと、肩に手をかけている。

さわ「もう私たちにできることは無いわ。落ち着きなさい。」
唯 「だけど、さわちゃん!」
さわ「これからは、今日見てきたような、昨日のような、本気の戦いになる。そうね?」

  そう言いながら傍らの美琴を見やる。こくり、と茶髪のショートカットが首肯する。

さわ「そんな戦場で、私たちの出来る事は有りません。それに私は、絶対にそんな場所へ
   貴方達を行かせる訳にはいかない。行かせたくない!お願い判って!!」

  憂も、こくり、こくり、と頷きながら、大きな瞳にいっぱいの涙をためながら、
 姉に縋る。冷静な顔をして肩に手を置く純の表情を見、梓に迷いが生まれる。再び、
 しん、と空間に静けさが戻る。

美琴「…そうね。これからはホンキの戦いよ。銃弾をぶつけ合い、金属片を相手に差し
   こみ、金属塊を相手に叩き込み、電撃を食らわせる。汚い、血みどろの殺し合い。

   だから、そんな世界に、貴方達は連れていけないわ。

   連中が盗んで行った楽器は他の仲間達が取り返しに行っています。連中にとっては
   データ取りまでしか興味が無いものなんで、じきに返ってくる筈です。そうしたら
   もうその頃には計画は終わっている筈ですから皆さんを外の街までお送りします。

   それまで、暫く御不自由をおかけしますが、ここでほとぼりが冷めるまで堪えて
   やって下さい。」

  美琴がぺこり、と頭を下げる。そのままテーブルのカエル携帯を取り上げ、そのまま
 立ち去ってゆく。残された黒妻が、なんだか酷く苛立った顔をしている。

  と、その時。

和 「待って!」

  は、として美琴が立ち止まる。唖然とした表情で、黒妻が和を見やる。

和 「AIM拡散力場…人の脳…酷く融通がきく…音楽の力…微妙なタイミングの計画…

   お願い、御坂さん! もう一度、さっきの先生と話せますか?」

美琴「はぃ? いえ、それは何とかなるけど、でも、何を?」

  きょとんとして振り返る美琴に、コッチを見る友人たちに、和は胸を張って言った。

和 「私たちには、私たちにしか出来ない戦い方があります。

   だからそれを教えてあげようと思うんです。」

  幾分、悽愴な表情で、和が、にやり、と微笑んだ。

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今回は、一先ず此処迄。 では。
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