Re: HTT GO WEST! -live@7thDct- #015
こん○○わ、PARALLAXです。では早速。
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│ 【 軽 音 部 、 西 へ - HTT live @ 7th district - 】 │
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### D-day -1day 11:10PM ### @ 非合法秘匿回線 暗号化通信 木山春生元研究員 @
連中がどんな連中かもう皆さんが御存知のとおりです。連中の話はもう良いでしょう。
兎も角、一部の連中が考えた目的の為に、貴方達は無理矢理この街へ引っ張り込まれて
しまいました。私たちはその連中と戦っています。私たちも、仲間と一緒に、何人も。
貴方達は連中の計画のキーでしたが、どうやらもう連中は貴方達抜きでも計画を進めら
れる様です。この街に入った時、妙なゲートを潜らされたでしょう? あれは本当は能力
の測定器、身体測定(システムスキャン)機材なのです。しかも最新型です。
あの中に数分いるだけで、もう体中の事が隅々まで、脳内部の電発パターンまで調べら
れてしまうのです。勿論それだけでは一人の人間を作り出すまでの事は出来ませんが、
あとはそれを元にして本人や友達と1時間程度会話でもさせ擬似人格ロジックを実装すれ
ば、もう映像や音声だけでは本人と見分けがつかないものが出来ます。十数万円程度で。
それが此処、学園都市の技術です。
で、そんな風にして作ったクローンを洗脳して使えば、もう幾らでも自分たちの目的を
達成できる。そんな事らしいのです。ですが今回の計画は、それでは間に合いません。
クローンであっても人体を培養し教育するにはそれなりに、たっぷり3ヶ月は掛かり
ます。しかし目標は明日。絶対に間に合いません。
なぜ明日か? さぁ判りません。学園都市としても学区としても何もイベントも祭り
もありません。多分、星の巡りとか何とか。でもそのように、星の巡りにまで配慮し、
最新のクローン技術まで使い、魔術の局地から科学の局地まで使って実現しようとして
いる連中の目的、それが明日の計画です。
名前を『レベル6 Ⅱnd』と言います。セカンド、の名の通り、これが2度目です。
AIM拡散力場、は御存知ではありませんね。貴方達が言うところの超能力。それを
使うためのフィールドと考えて下さい。人が超能力を使う時、この力場は強くも弱くも
なり、広がり狭まり、干渉し共鳴するものです。随分と融通が効く物ではありますが…
で、連中は考えました。このAIM拡散力場を人工的に増幅したらどうなるのか?と。
単に機械的に増幅しただけでは勿論駄目でした。AIM拡散力場は力のフィールドでは
あるのですが、それを人の脳がコントロールしてこそ、初めて超能力と呼ばれる効果は
得られるのです。この機械化増幅実験は失敗でした。人間による過共鳴増幅実験も非合法
で行われ、一部の実現化を見ましたが、最後は暴走する代物でした。酷い失敗でした。
連中の話に戻します。連中は、その増幅した力場が一人の人間から生み出されるように
しようとしました。AIM拡散力場を創り出す効果を持つ脳内薬物の結晶を生み出すため
に、連中の目的のために超能力を持つ子供が何人も使い潰されようとしました。その時、
私たち仲間たちは必死になってそれを止め、皆が怪我人だらけになりましたが、何とか
それを止めました。組織の首魁は逮捕され、今も何処かで収監されている筈です。
けれど連中は心底諦めきってはいませんでした。それが今回です。今度は、生み出され
統制されたAIM拡散力場そのものを束ねてリアルタイムで一人の人間の流し込もう、
そうやってレベル6を強制的に創りだそう、そう考えたんです。
狂気の沙汰です。そもそもそんな強大な思念に一人の人間が耐えられるものではありま
せん。狂う程度ならまだマシと言える程の実験です。しかし連中はそれをやろうとしてい
る。それもこれも一人のレベル6を生み出すためだけに、です。
失敗すれば人が死ぬ?その程度の事、この学園としては何の障害にもなりません。前回
の実験でもレベル6を生み出すためには学園都市230万人を犠牲にする事など厭わない
と、連中のボスはそう言い切っていました。それをまた連中はやろうとしています。
誰に流し込もうとしているのか?さぁそれは判りません。彼らにとっては、誰でも良い
のです。そこで流し込まれた人物が、万分の一の確率であってもレベル6になれれば、
彼らにとっては実験の成功なんです。失敗して、標的の人物が死んだら?次の標的を狙う
だけです。成功するまで。そう。これは無差別実験なんです。成功するまで何人死ぬの
か、何人廃人になるのか判りません。それが許される。予算がつく。組織として推進され
る。それが、この学園都市の狂気なんです。だからこそ学園都市はここまで発展してきた
のです。
この話の恐ろしいところは、それだけではありません。それだけのAIM拡散力場を、
どうやって束ねるのか?機械的には増幅出来るものですが、制御しようと考えたら絶対に
人間の脳が要るのです。ましてや束ねるなどと言えば、もう数万人分の超能力者のAIM
拡散力場を一つの脳が制御する事になります。そもそもそんな事が出来るのなら、その脳
こそがレベル6なのですが。
で、連中は脳を使わずにAIM拡散力場こと思念を束ねる方法を見つけ出しました。
それが貴方達、放課後ティータイムの音楽なのです。
意外に思われましたか? ではこれを見て下さい。
[携帯の上に3Dホログラフイメージが浮かび上がる。学園都市では一般的な技術。]
ぐちゃぐちゃに絡まり合った糸屑に見えますか? 実はこれが数十人分の統御されない
AIM拡散力場です。で、こちら。綺麗な放射線図でしょう?実はこれが先程の統御され
ていないAIM拡散力場を放出していた超能力者達へ、ある音楽を聴かせた瞬間です。
音楽の名前は「GoGoMANIAC」。そう、皆さんの新曲です。
偶然か運命かそれとも神様の悪戯か。貴方達の作り出した曲は、AIM拡散力場を統御
する力があったのです。音楽にはAIM拡散力場に干渉する効果があります。私も昔、
それを悪用しようとした時が有りました。かなりの効果を発揮してしまいましたが、結局
それでも統御できませんでした。しかし貴方達は、完璧にこれを統御出来る曲を作って
しまった。驚きました。一研究員としても、脳生理学者としても。
即座に調査が開始されました。皆さんの全てに付いて。そして放課後ティータイムの
あらゆる楽曲に、このAIM拡散力場を束ねる力が程度こそ違え備わっている事も判明
しました。機械的に増幅され、皆さんの曲で束ねられたAIM拡散力場の力は、必ずや
彼らが目指す「レベル6」を産み出す事が出来る。そう連中は計算したのです。
ほんの、1時間程度の公演が、「GoGoMANIAC」があれば。
だから連中は、これを使おうとした。貴方達を数万人の超能力者の中で公演させ、放出
されるAIM拡散力場を曲を通じて束ねようとしていた。きっと公演が最も盛り上がる
トリで、この「GoGoMANIAC」を演奏してくれ、とのリクエストが来た筈です。
公演が行われていれば。
しかしその公演はこれで何とか潰れました。私たちが潰してしまいました。申し訳あり
ません。しかし私たちは他にどうする事も出来なかった。本当に申し訳ありません。ご…
[ぱつん、とカエル携帯が切れる。初春が仕込んだ秘匿回線の限界タイマが作動した。]
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今回は、一先ず此処迄。 では。
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