こん○○わ、PARALLAXです。では早速。
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　　│　【　軽　音　部　、　西　へ　 - HTT live @ 7th district -　】　│
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### D-day -2day 10:42PM ###　＠　学園都市　第４学区　収容施設　モニタルーム＠

　　「対象、バスルームに入ります」「室内残置物に異常なし」

　　大画面の高精細モニタだが、カメラの付け所にかなり苦労しているらしく、映されて
　いる映像はとてもベストショットとは言い難い。だが４人の少女が連れ立ってバスルー
　ム手前のユーティリティコーナーへ入ってゆく姿次第は、よく判る。

影　「判ってますね？　相手は女の子、これ以上のモニターは」
副長「セクシャルハラスメント事案に引っかかります。了解していますよ。」

　　副長が監視中止！と鋭くルームに声を響かせる。間髪入れず、複数の角度から室内を
　映し出していたモニターの電源が落とされ、室内の音を拾っていたスピーカーからも音
　が消される。バスルーム入り口を続けてモニターする小さなディスプレイのみが光る。

副長「照明を入れてくれ。」

　　かちんこちん、とグローランプの音が響き、部屋が無機質な光で満たされる。数名の
　スーツ姿が御大層な監視システムの前に座り、副長は相変わらず後ろで仁王立ち。小柄
　な人影は相変わらず副長の脇に従ったまま。

影　「宜しいのですか？」
副長「？　何のことですか。」
影　「ルーム付きメイドの事ですよ。」

　　あぁアレか。単価１８万円で製造出来る程度のアレに、何を気病んでいるんだ？

副長「お気になさらず。今回とある部局から提供を受けましてね、極秘計画ですからそう
　　　関係者を増やす訳にも行かなかったので、せいぜい便利に使わせて貰いますよ。」

　　とある失敗計画の失敗副産物だと聞いていた。モノがモノだけに無碍に廃棄処分する
　訳にも行かないのだろうが、全く面倒な物を作っていたものだ。まぁ無個性で動くモノ
　だから、イザという時に機密処分するしてにも都合が良い代物だ。

影　「意外と、鋭そうですね彼女？」
副長「？…あぁ、さっきの。まさか、真面目に、彼女、平沢唯がコチラの仕掛けに気付い
　　　ているとでもお思いで？貴方も見たでしょう、あの平沢唯を。まさか無能力者が」
影　「そのまさか、が有り得るかもしれませんよ？　ギターと言い先の映像と言い、」
副長「有り得ませんな、バカバカしい。ケースまで含め、事前に数ヶ月掛けてリモート
　　　センシングした結果で複製した代物です。技術局に言わせれば」
影　「分子レベルまでコピーした、本物以上の本物。そうでしたか？」
副長「その通り。一介の、しかも外界の無能力者の、加えて子供が、こちらのすり替えに
　　　気付ける物じゃありません。通信だってそうです。学園都市が作るｂｏｔダミーは
　　　完璧です。どのチームのも通話中に微塵も疑われていなかったじゃありませんか」

　　それは確かにそうだった。通話していた時間帯こそ殆ど同時だったとは言え、３箇所
　に分けられた彼女たちがそれぞれ話した相手が、実は全く相手とのコミュニケーション
　を果たしていなかった事に、あの時の彼女たちは全く気づいていない様に見えた。

　　あの楽しく弾んだ会話の相手が、まさか学園都市の技術で作られたＣＧだった等と。

影　「…可哀想なものですね。」

　　怪訝な顔をして、傍らの小柄な人物を副長が見下ろす。頭二つ分は下の、人物を。

影　「籠の鳥でも、隣の籠の鳥と囀りくらいは交し合える。彼女たちは、そうではない」
副長「鏡の１枚でも置いてやれば良い事です。鏡の姿に向かって恋の歌でも囀りますよ」
影　「いっその事、このまま鏡の中の影に囀らせたら如何ですか？」
副長「それも一興。ですが、未だ現状はそこまで計画から逸脱してはいませんので。」

　　それっきり傍らの人物は押し黙った。今回の計画に、何処からか何時の間にか文字
　通り「割り込んできた」オブザーバーとは言え、少々鬱陶しいことは否めない。幾分
　鋭そうな所は見せるが、所詮はその程度だ。副長は部屋の時計を見やった。彼女らが
　バスルームに入ってから、もう１時間以上も経過している。

　　何を遊んでいるんだ？　まぁ子供とは言え矢張りオンナの身繕いは時間が掛かる…

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今回は、一先ず此処迄。　では。
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