米軍が、タリバンが勢力を盛り返しているアフガン南部のヘルアンド州のタリバン掃討に、猛攻を掛けている。
 住民が巻き込まれて犠牲になることを減らすために、住民の移動も進めた上での攻撃だという。
 これも必要であるが、タリバンの兵士は、群生する毒蚊のようなものだから、その発生源である「沼」を干上がらせない限りは、その勢力を絶滅させることは出来まい。
 その発生源となっている「沼」はパキスタンとアフガンとの国境の部族地帯だが、イスラム原理主義を叩き込まれた貧困農民という栄養素が「沼」に流れ込んでいるから、この「沼」はなかなか干上がらないのだ。
 それをどう止めるかは、人間の救済を説く、全宗教の責務であると思うが、一向にその気配がないのはどうしたことであろうか。
 オバマの対話解決もその糸口を見出せないでいる。武力だけでは決して解決する問題ではないことは、オバマもよく知っているはずであるが。
 アフガンの問題について言えば、この対話の糸口を作るのも宗教者の役割なのだが。 

 村上新八