米国はブッシュ政権時代に決定したPAC3を330基台湾へ売却した。
 これに対して中国は強い不満を表明している。
 台湾の地方選挙では、このところ、野党の新進党が全勝している。これは、与党国民党の急速な中国接近策に対する反発とみられている。
 この辺の世論の動向をみて、オバマ政権が武器売却の実行を決めたのであろうが、台湾がもっとも欲しがっている新鋭戦闘機F16の売却を控えているのは中国への配慮であろう。
 中国は、台湾の対岸に多数のミサイル発射装備を設置しており、海軍力強化に異常に注力していることからも、政治体制の異なる台湾が中国に呑み込まれないようにするための、最小限の抵抗力としての軍備増強の必要性は米台ともに感じているのであろう。
 村上新八