08年の参院選で、民主党が参院第一党に躍り出、09年の衆院選では300議席を超える大勝利に導いたのは、選挙上手な小沢の功績であった。
 その小沢が西松建設問題で代表を退いたが、幹事長として党務と選挙対策を担当し、政策に口は出さぬ、それは内閣の仕事だ、としながらも、最近の政策介入は露骨である。
 族議員化を防ぐためとして、陳情は幹事長室に一本化し、陳情に来る団体幹部には、参院選では民主党を支持することを約束させるなど強権的とも言えるやり口である。
 さらに、幹事長室で集めた国民世論の集約を内閣に伝えるという形で、小沢チルドレンを引き連れ、大挙して内閣に対して政策要求を突きつけている。
 そればかりではない、今回の藤井財務相の辞任示唆にしても、小沢の横暴と小沢の傀儡化している鳩山に愛想を尽かしたのがその真相であると云われている。
 その上、政治資金問題では、西松問題だけでなく、この3年間に18億円ものカネが、政治資金収支報告書にも記載されることなく、不透明なまま、陸山会に入出しているのだ。
 これについては、検察が小沢の任意聴取をするという。
 このような小沢を取り巻く一連の事案は、選挙民に不信と疑惑の念を掻き立てるものであり、民主党支持率にも少なからざる影響を与えることになるであろう。
 まさに、功罪相半ばする小沢である。
 村上新八