前日に今度こそ雲取山登るぞ登るぞ、とプレッシャー募らせた挙句
コーフンして眠れなくなり夜中にまた起き出して地図を見比べては
こっちの沢から登った方が早いかとかうだうだ思いあぐねていたら
朝方地図に突っ伏した状態で目が覚めるとなんか風邪気味、咽喉が
痛いでも熱はなし、こんな状態で中級のレベルを要求される山に登
るのはどうなのよと逡巡するも体調が悪いので判断力も低下してい
るらしく、いつのまにかいつものデイバックを担いで自動車に乗り
込み朝食とか摂るの忘れているし、そもそも地図も広げたまま忘れ
て出かけた、タオルとかまとめて用意してたものもそっくり忘れた。

風邪気味なのか寝起きでボケまくっているのか分らないが、自動車
は毎度の青梅街道の制限速度30キロのうねうね道を60キロぐら
いで走行し吉野梅郷を通過、砂利トラが走る山道を抜け、雲取山の
一般的な登り口の鴨沢という場所を目指す。
ふと、道路わきの看板に「御岳山ケーブルカー8キロ先」の文字が
目に入ってきた、そうだなあ風邪気味だし、天気も曇り空、丹沢を
登ったときからブランクが空いている、それに靴も丹沢登ったとき
壊れて新調したばかりで、まだ足に馴染んでいないような気もする
し、そもそも昨夜はコーフンしてよく睡眠が取れていないから体調
も本当ではないし、と思いつく限りの言い訳を考え出して「御岳山
こっち」の看板でするりと曲がってしまった。

ケーブルカーの駅の「滝本駅」はすぐそこにあるのかと思ったら、
曲がり角から細い林道のような道をかなり登った先あり、駐車場で
駐車料金を徴収された。
でも判断力がかなり落ちているのでホイホイ金を出してケーブルカー
のキップを買い一気に「御岳山駅」まで到着した、ケーブルカーは
怖かった、飛行機よりも怖いかもしれない。
今回の山歩きは楽勝というか、話のタネにも恥ずかしくてできない
と思いながら歩き始める、ケーブルカーに乗り合わせた乗客はまた
もや八ヶ岳、日本アルプスを目指しそうな重装備、もしかしたらば
この人たちは御岳山を超えてどこかスゲー山まで縦走するのかもし
れない、御岳山神社参道はアスファルトで舗装されている、おまけ
に朝だったので茶店の準備におばちゃんが白煙を上げて原付バイク
でそこを走り回る、全然健康に良さそうにない場所なんだけど傾斜
だけは半端でなくて足を攣りそうになりながらも神社に参拝をする

参拝したらすることがないのでケーブルカーの駅で貰ったパンフに
従い「ロックガーディン周遊」コースを歩くことにする。神社から
離れるとさすがにアスファルト舗装は無くなり山歩きをしている感
じになる、しかしパンフは簡略化した地図なのですぐに道が分らな
くなる(御岳山で遭難したら末代の恥かもしれない)でも、所詮は
初級の山だからと呑気に構えて適当に進んでいく、山道はどんどん
沢を下っていくのでケーブルカーの駅に戻れないのではないか心配
もしたが川の流れに沿っての「ロックガーディン」というのを歩い
て行くと、今度は超急峻な登りが待ち構えていた(そりゃ谷に降り
たのだから元の場所に戻るためには谷を登ることは道理だけれども
それを「周遊コース」といかにもお気楽散歩道みたいに銘打つのは
どうなのよ、と文句の一つも言いたいところだが相手はいない)

とにかく丹沢の道に較べたら大したこと無いと自分に言い聞かせな
がらゼーゼーして登る(確かに較べれば大した事無いけど、そんな
ことで納得しながら登っているので、やっぱり判断力が落ちている)
ケーブルカーの駅まで登り切ったところで、今度はケーブルカーに
乗らないで山道を下る(この道、御岳山神社の参道が、またアスファ
ルト舗装されていて歩きにくい)ようやく滝本駅の駐車場まで降た

今回の収穫として御岳山神社のとなりにある御岳ビジターセンター
で300円で買った奥多摩の地図、なんと雲取山を含めた奥多摩の
山々の山登りの路がカラーで詳細に記載されている、こんな地図が
欲しかった、これは雲取山を登るために必要なフラグの一つだった
のだと勝手に解釈して家に帰る。

-- 
のりたま@帰ってから雨の音で目が覚める
     雲取山に登っていたら今ごろ雨に濡れていた
     つるかめつるかめ