日豪主導の「核不拡散、核軍縮に関する国際会議」、通称「賢人会議」が核兵器なき世界」への行動提言をまとめるため、廣島での会合が開幕した。
 当面の焦点は「核兵器の先制不使用」であるという。
 これに関して、岡田外相は「米国の核の傘の下にある日本としては、米国に対して「先制不使用」を強調しないように依頼してきたが、それは核廃絶を唱える日本政府としては筋が通らない、『先制不使用宣言』を要求するのが筋である」と述べている。これは正論ではある。
 しかし、核攻撃となれば、一発撃っておいて、「次は貴国の番ですよ」という具合にはゆかないであろう。
 先制攻撃は、何十発かを撃ち込んで、相手を壊滅状態にしなければ意味はないわけである。そうなれば、人類の終焉戦争となるのだ。
 すべての核保有国が先制攻撃をしない、という条約でもできれば別だが、そのときは、核兵器は持っていても意味がないことになるのである。
 つまり、「先制不使用」なぞではなく、核廃絶への行動計画をこそ論議すべきなのである。
 その最初のステップは、国連本部に常設の「廣島、長崎原爆資料館」を設置し、核兵器の本当の恐さを世界の政治家に叩き込むことである。
 村上新八