ブッシュ共和党政権の外交理念と、「敵か味方か」の二者極めつけの強硬な外交政策のチェンジをも標榜して、当選したオバマは、「対話外交」を唱えて世界の外交懸案を解決しようとしている。
 これは一つの前進ではある。角突き合わせているだけでは、何も進展しないからだ。 


 しかし、経済制裁の手は緩めてはいないのだ。それは正しいと思う。
 対話の場に引き出すためには、相手への批難もト−ンダウンせざるを得ないし、妥協もせざるを得ないことになるのもやむを得まい。
 北朝鮮、イラン、中東、ミャンマ−などとの対話はこれからだが、相手は「確信犯」的な国ばかりだから、対話も困難を極めるであろう。
 いい加減に妥協すれば、対話に応じる素振りを見せて、時間を稼いで、誤った信念を貫こうとする作戦である可能性も高いのである。
 オバマとヒラリ−の賢明なる判断と行動を切に望みたい。
 村上新八