政権交代して日は浅いが、各省の大臣、副大臣、政務官は、マニフェストに掲げた公約実行原資を作るべく、補正予算の未執行予算をカットに躍起になっている。
 麻生内閣が決めた14兆円の補正予算から2−3兆円はひねり出さなければならないからである。
 そこで、気になることが二つある。
 第一は、「そんなことは簡単ですよ」と言っていた元大蔵省のベテラン官僚であった藤井財務相が、「予算カットのこつ」を教えているのかどうかである。ただ闇雲に頑張っているような気がしてならない。
 第二は、カット順位の基準をきちんと持っているかどうかである。
 「優先順位の低いものを五つ出せ」などと命令しても、縦割りの組織だから、「優先順位はみな同じです」などと官僚は言ってくるに違いないのである。
 未執行の案件を金額順に上げさせて、自分が持っている「優先順位基準」に照らしてカットしなければ、必要額を満たす財源など出ては来ないであろう。
 村上新八