閣議の前に行なわれる事務次官会議が政治主導を妨げ、閣議をサイン会化してしまっていることは、菅直人が厚生大臣になった何十年も前から指摘されてきた問題だが、今度の政権交代でやっと廃止される。
 国家予算の省庁配分率は長年殆ど変っていない。その時々の政策の重点が変るのに、こんなことはあり得ないはずだか、そうなっていたのである。
 その理由も事務次官会議にあったのである。この会議では全員一致でなければ、閣議に議案をあげてはならないル−ルになつているから、予算配分の率でも変えようとしたら、減らされた省が大反対するから、次官会議は通らないのだ。結局は、従来通りの比率配分が無難となってしまうのである。
 これはまさに、政治主導の妨害だけでなく、民主主義政治の妨害となっていた「日本の政治主導の癌」であったのだ。
 これがなくなるだけでせいせいする気持である。
 村上新八