アメリカは、このところ米中接近に熱心である。
 「家電下郷」即ち、テレビも電気洗濯機もない農家に、補助金を支給して家電を買わせ、景気回復を図ろうと、70兆円を超える補助金を投入したことが奏功して、いち早く景気回復に走り出したし、米国債の購入高日本を追い越してトップに立ち、13億人の人口を抱えて、潜在市場として有望視される中国に接近しようとしているのだ。
 その一環として、ワシントンで開催されている米中戦略・経済対話には、ヒラリ−をはじめ、財務長官、FRB議長などのお歴々が参加し、孔子、孟子の言葉を引いたりして、国債を買ってもらおうと中国に大サ−ビスだ。
 それに対しては、中国は、悪い気がするはずはなく、鷹揚に構えて「国債を買うのはよいが、中国の財産を目減りさせられたら困るよ」と釘を刺すことを忘れない。
 アメリカは、中国に対しては、人権問題、新疆ウイグル、チベットなどの問題、政治体制の違いなど、戦略的に強調関係を継続させるには、いろいろな障害があるが、それは脇においてとりあえずは、カネ優先ということなのであろう。
 国際社会でも「地獄の沙汰もカネ次第」なのである。
 村上新八