寝起きでぼんやりとバカロレアの話題を放送するニュースを見てい
たときに、哲学の出題回答を解説する男の話に「そうだよなぁ、そ
う考えるよなぁ」と思いながらも、どこかでもやもやとわだかまる
ものを感じていた、哲学の問題を普通のニュースで事も無く解説す
る風景はうらやましいし、そもそもその解説する内容は別段学術専
門用語を使うわけでなく普段の用語で組み立てられたもの、言葉の
解釈や定義に拘ることなく論理を展開して相手と意思の疎通ができ
るところがうらやましい、まあそれが「教育」の成果なのだろうが

哲学はなんの役に立つのかという中二病的な設問はちょっと端に置
いておいて、臓器移植問題もその議論がどういう具合に展開されて
いてどのように政治的な決着をつけることになったのか全然見えな
いのも相互に意思の疎通を図る言葉と論理が共有されていないよう
に思われてならない、いや、そうじゃなくて臓器移植問題ってその
根底に死に直面して臓器移植を必要、もしくは必要と思い込まされ
ている人と親族がいて、また一方に死んでしまった、もしくはもう
死んだと思い込まされている人と親族がいて、この両者の間に意思
の疎通が成り立たないので法律でバッサリ決めてしまいましょうと
いう解決を論議する問題で、そんなことに法律で介入したら悪法だ
ろうと思うのだけど、さてそこでどうしてそう思うのかと問われる
と説明に困る、どこから説明をはじめたらよいのやら、説明を聞く
相手にはどこまでの言葉が通じるのか、もしかしたら説明のために
大部冊の本を書く必要すらあるかもしれない、そのくらいに言葉に
不便を感じる、どうして人間の生死に関わる身近なことを議論する
ために言葉に不便を感じてしまうのか、そういうことをひっくるめ
てバカロレアの哲学試験の話題を放送するニュースはうらやましい
と思いぼんやりテレビをながめていた。

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のりたま@人類がとうとう地球外文明と接触!
     地球外文明には豊かな天然資源と高度な技術知識
     でも、意思の疎通はできません
     人類はどうするでしょう
     - 意思の疎通を図るため鋭意に努力しる!
          - 地球外文明を殲滅、
      豊かな天然資源と高度な技術知識ゲットだぜ!