1990年栃木県足利市で4歳の女の子を殺害したという容疑で、終身刑の判決を受け、17年間もの間、刑務所暮らしを余儀なくされた受刑者が4日突如釈放された。
 再審のDNA鑑定の結果、犯人ではない可能性が高いという新証拠を得たためである。 

 有罪判決の証拠もDNAであったが、当時は、精度が低かったために、同一人物と断定されたものらしい。
 それはともかくとして、02年に弁護団側から、DNA再鑑定の結果、犯人ではない、と再審を請求した際、最高裁は、「鑑定資料が本人の毛髪であるかどうか疑わしい」という理由で再審請求を退けたのだという。
 それなら、何故最高裁が職権で、自ら再鑑定をしなかったのであろうか。
 この問題について、最高裁は、「個別の案件には答えられない」として質問を突っぱねている。
 このような場合の「一般論」としては答えることは出来たはずである。
 こんな最高裁の回答は、絶対に承服できない。
 法治国としての名誉にかけても最高裁は「一般論」としてこのような却下に対する見解を明らかにすべきである。
 村上新八