南シナ海の南沙諸島は、その位置からして、周辺諸国がそれぞれの領有権を主張してもおかしくないところにある諸島である。この水域にはエネルギ−資源があるから、その争奪が激しいのである。
 その争奪戦は、これまでも激しかったが、11日、フィリピンのアロヨ大統領は、これを自国領とする法律に署名した。
 同じく領有を主張する中国は、直ちにこれに抗議し、「中国の主権を侵害する行為だ」という声明を発表した。
 年に二桁の軍事費を拡大し続けている中国は、先に航空母艦の建造を発表したが、軍事力で脅しを掛けるつもりなのであろう。
 これは東南アジアの安全を脅かす企てである。
 南沙諸島のような微妙な位置にある石油資源は、領有権を主張する国が共同開発して、利益を分配することにし、力ずくでの独占はやめるべきである。
 これは、日中の排他的経済水域の境界上にある、東シナ海のガス田も同じである。
 村上新八