ブッシュ大統領を悪魔呼ばわりした、反アメリカの闘士、ベネズェラのチャベス大統領が、大統領の三選を禁ずる憲法改正に辛うじて成功した。 1999年2月に大統領に就任し、任期は6年だから、来年で任期は満了するが、これでどうやら終身大統領の可能性も出てきた。 彼の人気は、産油国として莫大な石油収入を財源に、教育、医療を無料にし、貧民に対しては、住んでいる住居を与えるなど、貧富の格差と貧民の多さに目を付けた過剰な貧民優遇にあったのだ。 今回の憲法改正選挙でも事前予想では、勝率は4割くらいであったが、チャベスはオレンジやサンドイッチをトラックで貧民に配って廻るという露骨なバラマキ作戦で勝利を得たのである。 まさに、国民の多数を占める貧民を味方につけたのがチャベス人気の秘訣である。 この点では、多数の農民に優遇策を施して、政権を維持してきたタイのタクシン元首相に似ている。 しかし、このところの原油価格の暴落で、ベネズェラにもインフレ傾向がしのび寄っているという。これからのチャベスの舵取り如何が微妙である。 村上新八