米上院は、本会議で、バイアメリカ条項の修正案を可決した。
 これは、カナダ、EU、日本などが、バイアメリカ条項に反発し、オバマ大統領もこの修正意向を示したことによるものであろう。
 しかし、オバマは大統領選挙中には「アメリカ人は、日本や韓国の車を買うのでなく、アメリカ製の車を買うべきだ」と演説していたし、また、マケイン上院議員の、バイアメリカ条項削除を求める修正案は、31対65の大差で否決されているのである。
 こういう点を考えると、アメリカの真意は保護主義に未練を残していると思うのが自然であろう。
 金融危機にらみだとしても、もし、アメリカがこのような保護主義を唱えるようなことになれば、TWOは空文化されて、他のアメリカ輸出国も、その報復のために、同様の措置をとることになろうし、それは世界経済の縮小を意味することになるのだ。
 これは80年前の「大恐慌」の轍を踏むことになるのである。
 この大恐慌は、結局は、第二次大戦で解消されたが、世界経済が縮小すれば、戦争はない今回の金融危機を解消する手立ては、長い時間だけということになるのであろう。
 村上新八