次期米大統領オバマは、テロ撲滅のためにアフガン作戦を重視し、イラクから兵員をアフガンに移動させて、アフガン駐留の米軍を現在の3万名から倍増させる、という。
 増員部隊は主として、治安の悪いアフガン南部に投入する作戦らしい。
 しかし、問題はアフガンの東北部、パキンタン領ながら、パキスタン政府軍も手を出せないでいるトライバル・エリアに、小分けされたサブプライムロ−ンのように、民衆にまぎれて巣くっているタリバン、アルカイダ勢力だ。ここがテロの毒蚊が発生する沼地なのだ。
 ここを叩くのは国際上ややこしい問題が発生することは分かっているが、ここに手をつけないと、この沼地から無尽蔵にテロの毒蚊が続々と発生し続けることになるのである。
 更に、米軍が手薄になったイラクに、攻撃の重点を移し、イラクでテロが再び勢力を盛り返す虞もあるのだ。
 この難問にどう対応するのか、サブプライム・ロ−ン問題より数等倍難しい問題である。
 村上新八