中国は、海軍大国を目指して、遂に空母の建造に着手したいう。
 狙いは、シ−レ−ンの確保とか、エネルギ−資源の確保であるとか称してはいるが、米太平洋艦隊に対抗し得る勢力保持を狙うものである。
 以前に、中国の海軍司令官がアメリカの海軍司令官に対して「将来は、グアムを境にして、以東をアメリカ海軍が、以西を中国海軍が分けて支配しないか」と持ちかけたことがあるという。
 アメリカの司令官は、冗談だと思って、これには答えなかった、というが、中国は、腹のなかでは、冗談半分どころか、本気でそんなことを考えているに違いないのだ。
 中国が空母を建造するのは自由だが、シ−レ−ンの保全を口実に、インド洋から、太平洋まで、巡航でも始めたら、米国も原子力空母や原潜を増やすであろう。それは、両大国の軍拡競争を惹き起こし、それだけ世界の緊張は増すことになるのだ。
 そんなことは、相互不信、相互疑心暗鬼に基づく、資源のムダ使い以外のなにものでもないのだ。
 人類の生き残りのために、そろそろ軍縮でも考え始める必要があろう。それが「賽の河原の石積み」に等しいとしても、しないよりはましであろう。
 村上新八