オバマの勝利宣言は、広い視野とゆるぎない見識とをもとに、
高い精神と熱情の籠もる淀みのない朗々とした名演説であった。
恐らく世界史に残るであろう。マケインの負けっぷりも立派だった。
各国首脳も“世界”的見地からオバマを讃えた。

それに引き替え、わが日本国総理のアソウときたら……冴えない顔で、
伏せ目勝ちに“ニチベイ”を言うだけ、そこには“世界”的視野はなかった。
小泉純一郎がブッシュの忠実な番犬となってすばやくテロ特措法を
成立させたように、いつまでもアメリカの“よい子”でいたいが如く、
日本のエゴ、自民党のエゴ、政権に恋々とするエゴ……に閉じこもった、
丸で蝸牛の呟きであった。

ケニアに住むオバマの祖母さえも“世界を平和にして貰いたい”と言って
破顔した。アソウのレベルは素朴な暮らしを営む老母の足下にも及ばないのだ。