米大統領選で、予想通りオバマが当選した。
 たしかに、選挙人獲得数では1対0.5で、2/3をオバマが取り、圧勝のように思うが、これは「総取り方式」による錯覚で、得票率では1対0.9でマケインが惨敗したわけでもないのだ。
 特に、投票日直前に起こった1929年以降最大の「金融危機」がオバマ追い風になったことなどを考えると、オバマの圧勝とは言えないと思う。
 これが、皮膚の色の違いによる差別意識がなくなった証拠であるとも、アメリカ国民の政治意識の高さを示すものだとも思えない。
 しかし、米国民が、アメリカ大統領史上、最低のブッシュに嫌気がさしていたことは事実である。が、ブッシュを択んだのも米国民だ。
 その反動が選挙結果に現れたことだけは揺るぎようのない事実である。
 それは、ブッシュを択んだことの反省ではなく反動に過ぎないのだ。
 これで、振り子が大きく反対にふれて、単独行動主義でなくなるのは結構だが、保護主義化したり、経済摩擦を激化させるようなマイナスに振れたり、藪からテロを引き出した米国の尻拭いを押し付けるようなこと、にならないように願いたい。
 村上新八