「貧困ビジネス」という、極貧者からなけなしの金を搾り取る卑劣極まる商売があることを知った。
 一つは、「敷金なし、礼金なし、低家賃貸室斡旋」をうたった貸室業だ。
 その代わりに家賃の支払いが1日でも遅れると、1万数千円の違約金が取られ、その挙句は、勝手に鍵を変えられて、部屋に入れなくする、というひどい仕打ちをされるのだという。
 これは違法だが、契約上は「鍵貸し」の契約だから、借地借家法には抵触しない、と言う騙し手口だ。
 いまひとつは、「生活保護費横取り商売」だ。
 ホ−ムレスに2畳程度の部屋を食事つきで貸して、「生活保護」を受けさせ、月額12万円のうち、本人には3万円しか渡さず、75%は天引きする、という手口だ。
 これらは「ビジネス」などと言える類のものではない。禿鷹のほうが遥かにましな極悪商売だ。極貧者からカネを巻き上げることなど、悪鬼も呆れる卑劣さである。
 こういうことが、経済大国、自称福祉国家、日本で現に横行していること自体恥ずかしい限りである。
 これを厳しく取り締まることも必要だが、それだけでは被害者は救われない、これらの被害者に、これに代わる施設を設置して利用させることを同時並行的にやらないと、効果はないと思う。
 村上新八