「米国が問題をもたらす存在」は過言ではない
歴史学者のエマニュエル・ドッドが、「今や米国は、問題を齎す存在だ」「米国は、今や解決ではなく問題をもたらす」「米国の腐りきった金融業界は、世界中に何の価値もない証券を売りまくった。人類史上これに匹敵する詐欺行為があったろうか」「その背景には社会全体を考えず、自分のことばかり考える自己愛、自己陶酔の意識がある」と述べている。
サブプイムに端を発した世界恐慌的金融破綻を指しているのである。
この言葉は決して過言ではないが、アメリカが問題を齎す存在になったのは、遥かベトナム戦争あたりからだ。1945年の廣島への原爆投下からとも言える。
文明の尖端を突っ走ってきた米国の功績は認めるが、その驕りが、その世界戦略をことごとく裏目にしてきているのだ。
市場経済の徹底自由をモット−として、産業の尖端を走り、その産業が次々に後発国に奪われ、その活路を求めてマネ−ゲ−ム中心の金融資本主義に走ったことは、唯物史観的に言えば資本主義の必然的展開だと言えよう。
資本主義は、基本的に徹底した「自己愛」を根幹とするものであり、それに超大国という「自己陶酔」が加わったことによる必然的帰結が今度の世界的金融危機なのだ。
村上新八
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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