アフガンのカルザイ大統領は、「同胞を殺すのはやめて、平和と国民の福祉のために共に働こう」とタリバンの指導者であるオマ−ル師に呼びかけ、政権への参加を促しているという。
 これについては、米国のゲ−ツ国防長官も容認している。
 これに対してタリバン側は「外国軍が撤退しない限りは、内戦をやめない」、と応えている、という。
 タリバンが勢力を盛り返しているこの時期での、カルザイのこのような呼びかけは、タリバン制圧に失敗しそうだから、和平を呼びかける手に出たのだ、いまこそタリバンの力を思い知らせるチャンスだとばかりに攻勢を強めさせることになるだけではないか。
 仮に、呼びかけに応じて、政権に入ったとしても、タリバン軍を伴って政権を乗っ取ろうとすることは明らかだ。
 10日にパキスタンの北西部で開催されていた反タリバンの部族会議の場で爆弾が破裂し、20人が死に、40人が負傷した、といのがその回答であろう。
 カルザイのこの試みは成功するはずがないのだ。
 村上新八