麻生が29日の所信表明で、野党に質問項目を提示する、という前代未聞の演説をした。
 所信表明だからといって、型があるわけではないから、どんな形でもよいが、目先の景気回復だけで、日本のリ−ダ-としてのビジョンも哲学もなし、というのは情けないかぎりである。
 質問項目をみても、「インド洋での石油補給」「補正予算審議優先の可否」「国会での合意形成のル−ル造り」「消費者庁設定可否」「国連と米国のいずれを優先するか」の質問を民主党に投げかけるなど、当面問題ばかりである。
 こんなものは公党だから、真に国民のためになる政策なら反対するわけはないので、後期高齢者医療制度のように、国民が反対することが明白なものを官僚の言うままに、ゴリ押してきた自民党のやり口に対する非難を引き出すことになるだけの「やぶ蛇」になるだけだ。
 これは、総選挙を前にして、果たし状を叩きつけるようなやり方で、まさに「けんか腰太郎」のやり口である。
 一郎は、こんなものは一口でいなして、堂々と、これぞ次期政権首班の所信表明演説だ、というのを総括質問でぶち上げたらよい。
 村上新八