グルジアの自治集州、南オセチアを巡って、グルジアとロシアが戦闘状態に突入した。 

 この裏には、200年間にわたるロシア支配に対する反ロシア意識が高く、EU接近を図るグルジア民族と、これを嫌って、グルジア内の異民族であるオセット人が多く、独立を求める南オセチアを支援し、ロシア軍を駐留させているロシアの対立がある。
 一見、無関係と思われるこの問題について、中国が神経を尖らせているのは、同じく、「チベット」と「新疆ウイグル」という民族の独立問題を抱え、北京五輪への妨害行為を心配する中国にとっては、このグルジア紛争が国内の民族問題を刺激し、飛び火することを恐れるからである。
 その可能性は十分あるが、北京五輪の警備をより固めるしか手はあるまい。
 村上新八