建設コンサルタントの大手、「パシフイック・コンサルタンツ・インタ−ナショナル」(PCI)が、日本のODAによるベトナムの道路建設工事をめぐってホ−チミン市の部長に3億円もの贈賄をおこなった容疑で前社長が逮捕された。
 ベトナムの一人当たり年間平均所得は約8万円というから大変な額である。
 これは相手側から工事費の10%−15%を目安に賄賂を要求され、それに応じたものだという。
 後進国では、ベトナムに限らず、政治家や官僚に対する賄賂はどこでも常識化している。「常識」というのは当たり前のこととして、受注手続きに組み込まれてしまっいている、ということだ。
 ベトナムの高官に渡ったこのカネは、役所内で全員に分配される、というのだから、組織ぐるみというよりも、完全に制度化された収賄システムになっているのだ。
 それは、ベトナム官僚の給与が低いからだ、という説もあるが、それとは関係ないことである。
 今後は、こういうことが露見したら、その国に対するODAは撤回し、今後のODAも打ち切るように、国際ル−ルででも決めるしか対策はあるまい。
 村上新八