北京オリンピックを直前に控えた中国南部、雲南省の省都昆明で21日に発生したバス2台に対する連続爆破テロは、明らかに、地方政府に対する抗議とみるべきだ。
 政府し「人為的な破壊行為」として、テロであることを否定しているが、それは見方の違いではない。人為的破壊行為」即ち「テロ」であり、影響を抑えようと表現を変えただけのことだ。
 その原因は、大衆の地方政府に対する鬱積した不満とそれをコントロ-ルできない中央政府に対する不信の表れであろう。
 「オリンピックどころではないんだ」という地方大衆の気持がこういう形で顕われたのであろう。
 地方政治の腐敗、汚職、賄賂、圧政にはひどいものがあると聞いている。それも共産党独裁の長期政権で、地方政府への不法を批判するものを押さえつけ、中央に直訴しようとしても、途中で、待ち構えていて、拘束され逮捕されてしまうような強権政治に対する反感のマグマが底辺に溜まりに溜まっているのであろう。
 今回の昆明テロは、その小さな噴出とみるべきである。
 中央政府は、オリンピックを控えて、警戒態勢を強化するであろうが、それで済むようなことではないはずである。
 強力なプロジェクトを編成して地方政府に対する抜本的な粛清、刷新を行なわい、民衆の怒りを収めない限り、この問題は解決すまい。
 村上新八