イラク、イラン接近で更に混迷増す中東情勢
7日にイラクのマリキ首相が占領後初めて、米政府に対して、米軍が主導する多国籍軍の撤退スケジュ-ルの明示を求めてきた。
現在のイラク駐留米兵は約15万人、イラク国軍はまだ未熟である上に、シ-ア派、スンニ派、クルドの混成部隊で一体性も、信頼性も、政府に対する忠誠も疑問であり、米軍がいなくてはイラクの治安は維持できないことは、マリキ首相が一番よく知っているはずである。
それにも拘わらず、米軍の撤退をせかすようなことをやった理由は、マリキ首相と反米、反イスラエルの超強硬派、イランのフアマディネジャド大統領との接近である。
マリキもアフマデネジャドも同じシ-ア派であり、二人が手を結べば、スンニ派もおとなしくなるであろうことを期待しているのではないか。
しかし、アフマディネジャドの思惑は違う。アメリカ、イスラエルを中東から追い出して、中東の覇者となることである。
そのためには、まずは、イランにとっては邪魔になるアメリカを追い出さねばならない。その一環としてマリキ
唆し、今度の撤退スケジュ-ルの明示要求をさせたのであるまいか。
アフマデネジャドは、大統領就任式で「フスラエルは地球から抹殺すべき国だ」と物騒なことを述べた男である。
こうなると、イスラエルも黙ってはいまい。イスラエルが、かって、シリアの原子炉を空爆したように、イランの原子力施設を空爆する、という手にでるかも知れない。
中東はまたまた厄介な情勢になりつつあるのである。
村上新八
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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